ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

Unleash The Fire/RIOT V

2014-09-21 17:51:16 | 音楽
RIOT Vの『Unleash The Fire』を聴いた。

2012年、バンドの創始者でありソング・ライターであったマーク・リアリが急逝した。
それによって「RIOT」と言うバンドが存続するか、全く判らない状況にあった。
残されたメンバーは、マーク自身の意志や家族の意向もあってバンドの継続を決意した。
そして製作されたのが、この通算15作目のアルバム『Unleash The Fire』。

現在のRIOT Vのメンバーは…。

トッド・マイケル・クリート(VO)
マイク・フリンツ(G)
ニック・リー(G)
ドン・ヴァン・スタヴァン(B)
フランク・ギルクリースト(Dr)



もう結論から言ってしまうと、素晴しい作品に仕上がっている。
叙情的なメロディー満載ながら、実にドラマチックなヘヴィ・メタルが堪能出来るアルバムだ。
マークの追悼という思いが、これほどの完成度につながったと思うし。
今のRIOTのメンバー達が「俺たちはRIOTを続けて行く!」と言う熱い決意表明の様に感じる。
ファンならば、名作『Thundersteel』路線の作品を期待してしまう。
実は本作はそう言ったパワー・メタル的要素が、実は控え目である事もポイント。
ある意味、RIOTというバンドが辿ってきた音楽的な遍歴を凝縮したかのような作品である。



本作において、ソング・ライターとして重要な鍵となるのがドン・ヴァン・スタヴァン。
本作の楽曲において、作曲だけでなく作詞としても多くクレジットされている。
アルバム全体の路線としては、前作『Immortal Soul』に通じる。
70~80年代頃のRIOTを彷彿とさせる、正統派ハード・ロック路線の楽曲も多い。
パワーとスピードでゴリゴリ押しまくる楽曲から、予想外なまでにキャッチーなナンバーまで。
実に多彩な楽曲が収録されているのが、本作の素晴しい要素かと思う。
あとドンの金属的でゴリゴリ唸るベースも良く聴こえます(笑)。



個人的に本作で最も重要な要素は、シンガーに起用されたトッド・マイケル・クリートの存在。
何だかんだ言っても、RIOTにおいてトニー・ムーアという存在は大きかった。
あれだけの超人的なハイトーンを持つシンガーは、そういる訳ではない。
そう言った意味では、トッドと言う逸材を良く発見したものだと思う。
タイプとしては、トニー・ムーアを彷彿とさせるシンガーだと思う。
ボーナスに収録されている“Thundersteel”を聴けば、その凄まじい実力に唸ってしまう。
トッドの歌が放つ力は、本作を更に魅力的にしている。
今のRIOTにとって、このトッドというシンガーは最大の武器だと思う。
ルックスも良くて、筋骨隆々でありますし(笑)。



あとマイケル・フリンツ(G)。
長年マークの相棒を務めて来た彼は、本作では実にマークらしいプレイを聴かせてくれる箇所がある。
それはマークへの敬意であり、彼のこのバンドに対する思いかと思う。
本作でパートナーとなるのが、自身の教え子であるニック・リー。
教え子だけあって、ツイン・リードでは見事に息の合ったプレイを聴かせてくれる。
ギターに関して、やはり「何かが足りない」と言う批判は多い。
しかし、フリンツ&リーによる現在のギター・チームも実に良いプレイをしている。
この点に関しては、今は亡きマークの偉大さを痛感せずにいられない要素かと思うが…。



マーク・リアリの意志を受け継ぎ、再びメタル・シーンに復帰したRIOT。
マークへの追悼、そして彼らの新しい旅立ちに相応しい素晴しい作品に仕上がっている。
その魂はいつまでも不滅である。
様々な苦難を乗り越えて、今再び動き始めた彼らを今後も応援して行きたいと思います。
素晴しい作品です。
多くのメタル・ファンにおススメしたい作品であります。




その炎で大空を照らせ
旋回し突っ込む
視界に入る敵を捕らえる
兄弟として共に戦おう
大空から敵が墜ちて行くのを見つめる
空から墜ちて行くがいい

本当に素晴しい作品が多いのです(苦笑)

2014-09-13 23:38:11 | 音楽
今更ながら9月になりました。

今年は例年と較べて、やや「秋」の気配を感じるのが少々早い様に感じます。

そんな中ですが、7~8月にかけてCDをどっさりと買い漁ってしまいました(苦笑)。
オマケに、どれも良い作品ばかりと言う事実が自分を追い詰めます。

サクッと写真に上げたのは、ここ最近自分が買ったアルバムの一部であります。
どれも素晴らしい作品なので、じっくりとブログで紹介したいのですが…それが出来ないのも更に痛い。

ホンマに仕事が忙しいのです。
それにコレだけのアルバムを買ってしまうと、何だか聴き込みが足りないように思えてブログに上げれない状態です。
紹介するなら、しっかりと聴き混んでソレをブログで書きたいと言うのが本音。
ましてや、どれも良い作品ばかりとなると…ファンとして不誠実な態度を取りたくないと思います。

どれも素晴らしい作品だったり、自分なりに色々思う事のある作品ばかりです。
全部紹介出来るとは思えないですが、聴いた作品は出来るだけ紹介したいと思います。
良い作品であれば多くの方々に紹介したいと思うのが、このジャンルを心から愛する者としての“想い”かと思います。

素晴らしい作品が多いのは嬉しいながらも、ソレを自分でしっかりと紹介出来ないのが口惜しいです。
何はともあれ、これからボチボチと作品を自分なりに紹介したいと思います。



◯正に「第二の全盛期の到来」と言っても過言ではないかと思っています。
 とにかく滅茶苦茶カッコ良い!




◯ある意味、本作が彼らの最高傑作になるかと思っています。
 とにかく「歌」が素晴しい!!



◯「らしくない」と思われるかもしれませんが、コレは本当にカッコ良い。
  今更ながら自分の中で、物凄く新鮮な「発見」となりました。




◯もう“逆輸入”という形ではなく、日本でのメジャー・デビューを誇らしく思います。
 今後の更なる飛躍を期待しています。



UNISONICを観てきました!!

2014-09-06 23:10:20 | 音楽
UNISONICの来日公演を観てきました!

会場は、もうすっかりお馴染みとなった「大阪CLUB QUATTRO」。

今回のUNISONICの日本ツアーは、彼らとは何かと縁深いEDGUYとのダブル・ヘッドライナー。
大阪公演はソールド・アウト!
超満員の中で彼らを観てきました!!

まず最初に登場したのはEDGUY。
事前に少々「予習」をしていましたが、結論から言うと素晴らしいパフォーマンスでした。

聴いて、観て、楽しいライヴでした。
メンバーが絶えず笑みを浮かべたパフォーマンスと、トビアス・サメットのシンガー/フロント・マンぶりは素晴らしかった。
本当に良いバンドだと思いました。

そしてお目当てのUNISONICの登場となった訳ですが…。
名曲“For The Kingdom”からライヴはスタートするも、何とマイケル・キスク(Vo)のマイクの音が飛んでしまうアクシデントが発生!
途中からしっかり持ち直してましたが、あまりの出来事に少々ガッカリしてしまいました(苦笑)。

その後、すぐに持ち直した彼らのパフォーマンスは凄まじかった!

何と言ってもマイケル・キスク!!
何だかんだ言って、今回が初めて彼の歌を生で体験する訳です。
その衰えを知らぬ凄まじい歌に言葉を失いつつ、ギター・ソロの度にステージを離れたり。
歌詞忘れてたり、曲順を結構派手に間違ったりと天然と言うかあまりの自由さに驚きました(苦笑)。

このマイケルのステージでの振る舞いは、良い意味でUNISONICと言うバンドに別の効果を与えている。
その楽曲や演奏力とは反する、自由でリラックスした楽しい雰囲気だ。
カイからムチャぶりで、ギターを渡されてプレスリーのカヴァーを披露したり。
メタル・バンドのフロント・マンらしくない、お茶目なパフォーマンス(カイとの絡みは笑えた)も良い“味(個性)”に昇華されていました。

あと“March Of The Time”を生で聴いた時、目に自然と涙が浮かんだのも事実です。

本当に素晴らしいライヴでした。
やはりアルバムだけでなく、バンドはライヴを観てこそだと実感しました。

SUMMER SONIC 2014に行ってきました!!

2014-08-17 23:57:12 | 音楽
ってな訳で『SUMMER SONIC 2014』に行ってきました!

昨日、お天気が心配とか言いましたが…。
今日は快晴、おまけに滅茶苦茶暑かったです(汗)。
正直、あまり暑さ対策をしなかったので暑さでバテないか自分自身が心配になりました(苦笑)。



でも、お天気になって良かったです。
昼前に会場に到着、ちょっろと会場を見学。
早速昼飯!という訳で、美味しいと聞いていた中トロ丼を食べました。
美味かったです!
その後、グッズを買ったり、トイレに行ったりと、荷物をクロークに預けたりと準備を整え。
いざ、本日の主戦場である「FLOWER STAGE」へ!!



本日の1発目、GALNERYUS。
定刻前だと言うのに、フル装備のメンバーがステージに。
「何?」と思ったら、そのままサウンド・チェック(微笑)。
そのヒロイックな楽曲とパフォーマンスと裏腹に、MCなどでは実に「ユル~い」彼ら(と言うか小野さん!)。
さり気なく本邦初公開の新曲の触りを演奏、「後で皆さんジャンプしてね」には爆笑しました。



と何の前触れも無く、やや前倒し気味にLIVEがスタート!
さっきまでのユル~い空気が嘘の様に、その一糸乱れぬパフォーマンスは素晴しい!!
やはり小野さんのハイトーンは凄まじい。
バックの演奏がこれだけのインパクトを誇っているのに、全く負けず全て支配する声量と歌唱力は圧巻。
でも…MCで喋っちゃうと途端に「ユル~いモード」に戻ってしまうギャップもスゴい(笑)。
小野さんが多くのファンに愛されているのは、この辺りのギャップもあるかと思います。



そしてSYU(G)。
そのギター・ヒーローらしい華麗なプレイは生で観ると更に際立つ。
叙情的ながらも、舞う様な滑らかな速弾きは素晴しい。
新曲も実にカッコ良かったので、9月に出る新作に対する期待が高まります。
この日の選曲的には、個人的には今一つだったのが本音…。
ただラストで大好きな“Future Never Die”を演ってくれたので大満足であります。



続いて、ある意味今日の“本命”であるChthonic。
最初ややサウンド面で何か不調な様子でしたが、本当に素晴しいLIVEでした。
初めて観たのが、このSUMMER SONIC 2014で良かったと思いました。
もう滅茶苦茶カッコ良い!!



個人的に目と耳を奪われたのはフレディ(Vo)。
その見事なフロントマンぶりは、ただひたすらカッコ良かったです。
MC、客の煽り、その鍛え抜かれた肉体、強靭な歌、ステージ・アクション。
そのカリスマ性に驚きました。



「この夏のフェスの為に特別に用意した!」と紹介した民族楽器オーケストラの面々。
これがまた美女ばかりで驚きました。
確かヴァッケンのLIVEを観た時は、ステージ衣装らしいモノは着てなかったと思ったのですが…。
この日、皆様実にセクシーな衣装を纏ってステージに華を添えておりました。
あと可愛らしかったのが、風で楽譜が飛びそうになると、すぐに横の方が譜面を押さえるフォローをし合っていた事でしょうか?(微笑)。



そしてドリス嬢(B)。
本当に神々しいまで美しかったです。
機材がやや不調だった様ですが、彼女がステージで放つオーラはフレディとはまた違います。
何度も触れて来た事ですが、この日もクリーン&デスでコーラスをガンガン唄ってました。
またChthonicの楽曲で、彼女の歌声が聴きたいと思いました。

Chthonicの興奮を抱えたまま、次は「MOUNTAIN STAGE」に移動。
そこではGHOSTが、妖しいステージを繰り広げていました。



今回のサマソニ、全く予習をしてなかったので彼らの事をしっかり聴いたのは初めてになります。
しかし何でしょう…この妖しいサウンドは?!
非常に悪魔的な感じがするものの、一度聴いたら絶対に忘れないような甘いポップな感覚。
摩訶不思議なサウンドもそうながら、その呪術的なヴィジュアルとは相反する実に紳士的なパフォーマンスは何でしょう。
気に入りました、今度じっくり聴いてみたいと思います。



そんな事を思っていたら、陽も陰って来ました。
するとMEGADETHのパフォーマンスがスタート!
とにかく音がゴツい、硬い、観る側をガンガン攻めて来る。
いきなりの「殺戮兵器モード」です。



ディヴ・ムステイン(Vo・G)。
この日もご機嫌麗しいようだが、MCらしいMCを挟まずガンガン曲を演奏し続ける。
MEGADETHというバンドの代表曲のオンパレードだが、観る側に叩き付ける様に演奏される。
この無慈悲な「殺戮兵器モード」こそMEGADETHの真骨頂だと実感する。
首の手術以降、歌の事が何かと言われたムステイン。
そんな不調などなく、いつもの憎々しい甲高い爬虫類声は健在でした。



この日、終盤にある“サプライズ”がありました。
何と“Symphony of Destruction”の時、我らがLOUDNESSの高崎晃がゲストとして突然ステージに登場!
例によって凄まじい速弾きを披露してくれました。
ムステインに絡んだのですが、髪で上手く隠したつもりかもしれないけど笑みがこぼれたのを僕は見逃さなかった!!
サークル・ピットが起きる、熱狂的なリアクションの中で5年振りの日本でのMEGADETHは終わった。
ラスト、ムステイン自身が「今日がツアーの最終日だ、みんなも気を付けて家に帰ってくれ」と笑顔で言ったのが非常に印象的でした。

この後ヘッドライナーがあったのですが、我々は早々に帰路につきました(苦笑)。
暑くて、かなり疲れましたが、本当に素晴しいLIVEが観れて本当に良かったと思います。
やっぱりフェスは良い、次のフェスは10月のLOUD PARK 14であります。
今からドキドキと興奮が止まりません!!

PS:9月にはUNISONICの来日公演に行きます!!

SUMMER SONIC 2014に行きます!!

2014-08-16 12:30:04 | 音楽
久々に「SUMMER SONIC 2014」に行きます!

以前、初めてサマソニに参加したのは…SLIPKNOTが出た時。
もう何年前なんかな?!
確か、あの時も天気が心配でした。
今年は久々の参戦ながら、もっと天気を心配しながらの参戦となります(自嘲)。

さて、今回のお目当ては…。
まず台湾のChthonic!



新作『武徳(Bu-Tik)』の来日公演。
もう滅茶苦茶観に行きたかったが、個人的に非常にバタバタしていたので観に行けなかった(号泣)。
昨年のLOUD PARKの時、実は出演してくれる事を願っていたのですが(苦笑)。
ドリス嬢云々ではなく、バンドとしてLIVEとして非常にカッコ良いのは事実。
おまけに今回は民族楽器オーケストラを付けた、特別編成というのも大きなポイント。
でも、やっぱり生でドリス嬢を観たい…(爆)。



続いてGALNERYUS。
このバンドもアルバムは買い続けても、LIVEを観た事が無かったバンド。
これまでリリースされたLIVE DVDを観れば、現在の彼らが“最強”である事が判ります。
とにかく小野さんの“スカイハイ・ハイトーン”による歌ですよ!
アレを生で体感出来るって事実だけでも楽しみです!!
9月にリリースされる最新作も楽しみです。



そしてMEGADETH。
何と来日は5年ぶりと言う事実に驚きます。
結局、あの時LOUD PARK09で観て以降、来日してなかった事になります。
あんなに「日本贔屓」だった彼らが、パタッと来日しなくなった理由は諸説あります。
とは言え、また日本で「ひたすらカッコ良いMEGADETH」を体感出来るのは嬉しいです。

あとは…本当にお天気が心配です。
多少の雨は覚悟していますが、出来れば良い天候でLIVEを堪能したいと思います!!





Light Of Dawn/UNISONIC

2014-08-10 16:03:24 | 音楽
UNISONICの2ndアルバム『Light Of Dawn』を聴いた。

以前、個人的なマイケル・キスク(Vo)への複雑な思いを綴った。
しかし先行シングルでリリースされた“For The Kingdom”を聴いた瞬間から。
マイケル・キスク、そして彼が在籍するUNISONICへの思いは全く異なるモノに変貌した。
この『Light Of Dawn』に対する期待だけが、自分の中で膨れ上がっていくばかりだった(自嘲)。
そしてアルバムを買って、聴いてみた訳だが…。



恥ずかしい話だが正直に告白しましょう。
オープニングの“Venite 2.0”から始まり、そして“Your Time Has Come”のイントロが流れた瞬間。
僕の涙腺は決壊した、もう涙が聴いていて止まらなくなってしまった…。
そう、聴きたかったのは「コレ」である。
マイケル・キスクというシンガーに唄って欲しいのは、こんな曲であると言う強い想い。
天空を駆けるような美しいハイトーンと、雄々しく力強いメロディ。
ツー・バスの強靭なリズムに乗って、劇的に展開する楽曲。
そして舞い上がるように絡み合う、ツイン・ギターのカッコ良さ。
ずっと聴きたかったのは、こんな曲をバンドで唄うキスクだ。
その後も続く怒濤のアルバムの凄まじい完成度に、ただ感動して魂は震えて号泣するしかなかった。
結論を言ってしまうと、本作は「傑作」である言う事実です。



ただ『Light Of Dawn』というアルバムを聴き込むと、ある事実が浮き彫りになる。
本作において、ある意味キスク以上に重要な存在なのがデニス・ワーズ(B)の“策士”ぶりである。
本作では楽曲の大半を手掛け、プロデュースまでこなしている。
デニスは本作の楽曲作りの際に、実は入念なリサーチと復習を行った事を自身で語っている。
その入念なリサーチと復習とは、ぶっちゃけた言い方をするとキスク在籍時のHELLOWEEN(厳密に言えば『守護神伝I&II』)。
多くのメタル・ファンが、一体何を「マイケル・キスクのいるバンドに求めてるのか?」と言う現実だ。
そこで単なるHELLOWEENの焼き直しにならず、キスクが唄うパワー・メタルとして更にアップデートさせる事に成功してる。
前作はバンドとシンガーとしてのキスクとの、丁度良い「妥協点」に基づく内容だった。
本作は更にそこからグッと深く踏み込み、UNISONICというバンドの「強み」としてメタルらしさを充分に発揮している。



あと個人的にはメタルらしいナンバー以外では、全盛期のPINK CREAM 69らしさも感じる。
叙情的なナンバーやメロディアスなナンバーにおいて、全盛期のPC69の面影を強く感じてしまう。
“Night Of The Long Knives”、“When The Deeds Is Done”、そして“Throne Of The Dawn”等と言ったナンバーがそう。
本作は身も蓋も無い言い方をすれば、HELLOWEENやPC69の美味しい要素を組み合わせ、更にモダンにした内容と言える(苦笑)。
しかし、そんな事は並大抵の事ではない。
本作の持つ圧倒的な完成度の前には、そんな突っ込みは木っ端微塵に吹き飛ばされてしまう。
本作はスケジュール的な問題もあり、カイ・ハンセン(G)は楽曲作りには参加していない。
だがアルバムを聴けばすぐ判るが、カイからのインプットは絶大なのも明らかだ。
ギターのリフ、ツイン・リードのギター・ソロの組み立て方。
カイ・ハンセンという男の個性が遺憾なく発揮されているのも大きな要素だ。
ギターだけに専念出来る環境において、カイが好き放題に弾きまくっているのが判る。
キスクとカイがもたらす「特別な何か」を、デニスは見事に昇華させている。
デニスの見事な策士ぶりであり、ソングライターとしてプロデューサーとして非常に溢れんばかりの才能を持っている事の証明だろう。



そして何と言ってもマイケル・キスク。
その見事な歌と歌唱は本当に圧倒的だとしか言えない。
キスクにとって、本当はここまでメタリックなナンバーを唄うのは本望でないのかもしれない…。
キスク自身、前作でミュージシャンとしてシンガーとして最も光り輝くのはメタルを唄う時だと実感したのは予想は出来る。
今もこうして昔と全く変わる事なく、その強靭なハイトーンを武器に多くのファンを魅了出来る存在はごく僅かなシンガーしか居ない。
マイケル・キスクというシンガーも、またその「ごく僅かなシンガー」の1人である事実と本人は向き合ったのだろう。
皮肉と言えば皮肉だが、彼は今これまで以上にメタリックに唄っているのも大きな要素だ。
自身で逃れようとした呪縛、しかし自身がその呪縛と向き合った時にまたシンガーとして新境地を迎えた。
美しく強靭なハイトーンだけでなく、深みが増した中低音の歌によりシンガーとして表現力が更に広がっている。
本作から最初のPVとなった“Exceptional”に、そんなキスクの思いが滲み出ているのかもしれない。
メタルというジャンルにおいて、シンガーは何かと厳しい現実があり、常に自身の「限界」が付いて回る。
本作でのキスクの歌が今まで以上に力強いのは、キスク自身のそう言った「限界」への悲壮な決意がある様に感じてしまう。
だからこそ美しく、ここまで素晴しいのかもしれない…。



あと思ったのがUNISONICは単なるプロジェクトではなく、未来を生きる「バンド」である事の再認識だ。
各々が卓越した才能を持った、極めて優秀なミュージシャンによる「バンド」である事。
何を今更…と言われるかもしれないが、この見事な“一体感”はバンド特有の結び付きがってこそのサウンドだ。
単なるプロジェクトでは、ここまでエモーショナルで強靭なサウンドを造り出す事は出来ない。
キスクやカイに注目が集まり気味だが、本作でのマンディ・メイヤーのギターは素晴しい。
根っからのメタル・ギタリストであるカイと違い、マンディは決してメタル畑の存在ではなかった。
カイとは違った意味で、テクニカルにド派手に弾きまくるマンデイの存在は「バンドらしさ」に大きな影響を与えている。



デニスの策士としての思惑もあっただろう。
キスクの本作に賭ける決意もあっただろう。
マンディのギタリストとしてのプライドもあっただろう。
今はUNISONICだけに専念した、コスタ・ツァフィリオ(Dr)の想いもあっただろう。
そして自由な立場で、その自由を満喫するカイの存在もある。
しかし本作にあるのは、様々な思いを見事に一つに昇華した素晴しいメタル・アルバムに仕上がっている。
それは「楽しもう!」という5人の、桁はずれのミュージシャン達の想いの結晶でもあると感じている。
それは決して妥協や現状に甘える訳でなく、未来に向けて突き進もうとする男達の息吹が詰まった作品でもある。
そんな作品が悪い訳がない!
素晴しい傑作です!!
多くのメタル・ファンに聴いて欲しい作品です!!




僕は君の為だけに
全てを超越した存在になるよ
この興奮は君の為にある
僕は君の為なら無敵の存在になる
文字通りに全てを超越した存在
でも、ソレはそんな事が出来ると思った僕の妄想かもしれない
何でも出来る存在になったフリをしているだけかもしれない…



我らが輝かしい御国の為に
我々は武器を捨てる
そして誰に対して怨恨を抱かない
我らが御国と
そして我らが大切な者を守る為に
我々はポーンにも、ナイトにもなる事が出来る
しかし誰に対しても決して屈服する事もない

マイケル・キスクという男

2014-07-13 17:11:50 | 音楽
マイケル・キスク。

個人的に、この人ほど愛憎入り乱れる複雑な感情を抱くシンガーはいない。

この人の存在を初めて知ったのは、僕が中学2年生の頃だった。
当時、毎日のように通っていたレコード屋さんがあった。
そこの店長さんに「最近ウチに入って来る様になって、カッコ良いって言うお客さん多くて売れてる」と勧められ、あるアルバムを買った。
そのアルバムこそ『Walls of Jericho』であり、僕とHELLOWEENの最初の出逢いだった。



数ヶ月後、この前のバンドの最新作が出たと言われ迷わず買った。
それが他でもない、あの『Keeper of the Seven Keys Part I』だった。
ウチに帰って、レコードを聴き始めた瞬間凄まじい衝撃を受けた。
勿論『Walls of Jericho』も素晴しいアルバムだったが、この『Keeper of the Seven Keys』は全てが桁外れだった。
バンドのパフォーマンス、楽曲、サウンド・プロダクション、全てが「完璧」としか言えなかった。
何より14歳だった僕に、一番衝撃を与えたのがバンドに5人目のメンバーとして加入したマイケル・キスクというシンガーの存在だった。



聞けば、このシンガーはまだ18歳だと言う。
深みがある力強い中低音、天駆けるように何処まで伸びる美しいハイトーン。
自分が知っているロニー・ジェイムズ・ディオ、ロブ・ハルフォードやジェフ・テイトといったシンガーに匹敵する存在。
自分と4歳程しか変わらない人物が、こんなにも凄い声で唄っていると言う事実。
この衝撃は純粋に憧れとなり、HELLOWEENというバンド、そしてマイケル・キスクというシンガーは特別な存在となった。
しかし、ソレは決して長くは続かなかった…。
『Keeper of the Seven Keys Part II』リリース以降、HELLOWEENというバンドは何かと不安定になっていく。
今現在のメタル・シーンにあっても、この『Keeper of the Seven Keys Part I & II』は絶大な影響を持っている。
それはHELLOWEENというバンドの音楽的方向性を決定的なモノとし、バンドにとって大きく重い「十字架」となってしまった。
音楽的方向性と、バンド内でのメンバー間の不仲とエゴの衝突によって、事実上HELLOWEENというバンドは完全に崩壊してしまう。
バンドの再生させる為に、リーダーのマイケル・ヴァイカート(G)はキスクを解雇する。
ヴァイカートは当時キスク解雇について、独裁的と多くの批判を受けながらも辛辣ながらもハッキリと言い切った。
「あのエルヴィス野郎(キスクはエルヴィス・プレスリーの大ファン)をクビにした」と…。
後に救世主アンディ・デリスの加入によって、HELLOWEENというバンドは不死鳥の様に再生して今もメタルの最前線にて活躍をしている。



例えHELLOWEENを去ったからと言っても、キスクというシンガーがまだ特別だった事には変わりなかった。
先のヴァイキーの発言ではないが、キスク自身もバンドを解雇されたショックは大きかったのは事実だ。
まるでHELLOWEENの音楽的低迷の責任は、キスク一人の責任による「戦犯」扱いをされた。
メンバー間の不仲やエゴ、音楽的方向性の巡る確執はキスクに大きな“傷”となっていたと思われる。
そんなキスクからファンにとって、決定的とも言える衝撃的な発言が飛び出す。
「ヘヴィ・メタルなんか大嫌いだ、もう二度と唄いたくない!」。
コレを聞いた時、多くのファンは正直落胆し裏切られたような気持ちになった…僕もその1人だ。
これまでも憧れも敬意も、その一言によって木っ端微塵に砕け散った。
この後、キスクはソロ・アーティストとして活動を続けるようになる。
一時期、マネージャーの関係もあってかIRON MAIDENへの加入も噂されたがキスク本人によって否定された。
ただキスク自身興味に無かった訳ではないだろう(一時思わせぶりな発言もしていた)。
ただ「メタルが嫌い」と公言する人物が、よりによってIRON MAIDENに加入する訳がない(苦笑)。
その後、ソロ・アルバムや幾つかのプロジェクトに参加していたが次第にマイケル・キスクというシンガーの名はシーンから消えて行った…。



そして時間が流れた。
盟友カイ・ハンセン率いるGAMMA RAY、そしてトビアス・サメットのメタル・オペラ・プロジェクトAVANTASIAへの参加。
メタル・シーンにおいて、マイケル・キスクという希代のシンガーへの注目が再び集まり始めた。
しかしキスク自身もメタル・シーンとの関わりについて、自身も非常に慎重な発言を繰り返し微妙な距離を保っていた。
そんなキスクを見て、僕個人は非常に複雑な思いがしたのも事実だ。
「キスクが好きなら聴くべきだ」と言われても、とても素直に「ハイ、そうですか」と聴けなかった。
否、正直に言ってしまうとキスクの歌をコチラから一方的に拒絶していたのが事実だ。
「あの時」、憧れと敬意を持っていた人物によって裏切られて負った傷は思った以上に深かった。
「どうせ小遣い稼ぎの為にメタル唄ってるんだろ?」と、心の中で毒を吐いていた。
感情的に、どうしてもマイケル・キスクというシンガーを再び自分自身が受け入れる事が出来なかった。
でも事態は全く思わぬ方向に動き出した。
そう、キスクは新たにUNISONICというバンドを結成したのだ。



いわゆる当時キスクがソロで演っていたサウンドとは異なる、ハード・ロック路線の音楽だと言う。
「そうなのか」と平静を装っていた。
運命は更に皮肉な事に、そのUNISONICにカイ・ハンセンの正式加入という信じられない様な事実を発表した。
僕の硬く閉ざされていた心は、動揺しだしたのは事実だ。
何と言っても「あのサウンド」を手掛けた存在が2人もいるのだ。
キスクだけでなく、新たに加入したカイまでもが「コレはプロジェクトではなく、シリアスなバンドである」と発言し出した。
僕の心は穏やかではなかった。
そしてUNISONICのファースト・アルバムがリリースされた。
過剰な期待はしてはいけないと、心の中で皮肉屋で嫌味な僕が囁いていた。
実際にアルバムを聴いた時、正直「なるほどな」と妙に納得してしまった。
嫌味な言い方をすれば、「メタル嫌い」というキスクと他のバンド・メンバーの絶妙な「落し所」とも言えるサウンドだと思った。
ただ以前と何も変わらない、あのキスクの歌を聴いてしまうと更に意固地になる自分がいた。



あれから2年。
事態はたった1曲によって全く変わってしまった。
7月にリリースされる最新作『Light Of Dawn』より、先行シングル“For The Kingdom”を聴いた時。
これまで自分の中にあったキスクに対する、複雑かつ屈折した感情は一気に崩れ去って行くのを感じた。
自分が聴きたかったのは、「こんな曲を唄うキスク」であるという事実だ。
そう、14歳の時にレコード・プレイヤーの前で衝撃を受けた時と全く変わらない歌声がソレを僕に告げた。
正直この“For The Kingdom”を初めて聴いた時、自然と涙が溢れたて泣いてしまった。
今まで一体何に拘って来たのだろう?!
今もキスクの声は「あの頃」と全く変わっていない。
逆に月日を積み重ねた事によって、その歌声はより艶やかで表現力豊かなモノになっていた。
そして今も天空を突き抜けるような、美しく伸びやかなハイトーンも健在である。
アレから20年、キスク自身も言うように今も「あの頃」と変わらずに唄えると言う事実は奇跡的なのかもしれない。
UNISONICというバンドにとって、この最新作『Light Of Dawn』というアルバムは“真の勝負作”である。
勿論既に『Light Of Dawn』は予約済みであり、来日公演のチケットも購入済みである(自嘲)。
メタル・シーンに復活を果たした、キスクの姿をしっかりとこの目に焼き付けたいと思います。
愛憎入り乱れ鬱屈した感情は消えた、今は再びキスクのこの「歌声」が聴けるという事実にメタル・ファンとして幸福と思いたいです。






PS:デビュー・アルバムの中で、この曲が一番好きってのも皮肉な気がします(笑)。



誰も本当の私を知らない
誰も私の話す事を聞いてはくれないの
誰も私と言う存在に気付いてくれない
誰も私がどれほど苦しんでいるかも知らない
だから私は消える事にした

The Sun Will Rise Again~撃魂霊刀~/LOUDNESS

2014-07-07 15:40:41 | 音楽
日本、最強のHMバンドLOUDNESS。
その最新作『The Sun Will Rise Again~撃魂霊刀~』を聴いた。

このジャケットを見てしまうと、古くからのファンは俄然期待が高まる。
このジャケットは、LOUDNESSというバンドが世界に衝撃を与えた傑作『Thunder In The East』を彷彿とさせる。
それがファンにとっては、自然に「原点回帰」と言う言葉が胸を踊ってしまう。
「原点回帰」と言うか、ファンが望む「LOUDNESSというバンドのサウンド」が聴けるのでは?と思えてしまう。



結論から言ってしまうと、ある意味その予想は正しい。
本作に詰め込まれたサウンドは、ファンが求める「LOUDNESSというバンド」のサウンド。
判り易く言ってしまえば、「Thunder In The East」+「Soldier Of Fortune」÷再編成以降のモダンな要素である。
しかし、コレが決して安易は「80年代サウンド」の焼き無しや「原点回帰」と言う訳では無いのが大きなポイント。
確かに「あの頃」を彷彿とさせるサウンドであり楽曲だが、全てにおいて完成度とテンションが高いのも大きい要素。
ただ単に「原点回帰」した訳ではなく、本作は“現在進行形”のLOUDNESSと言うバンドが世界に向けて叩き突き付けたアルバムと言える。
文句無しでカッコ良い!
再編成云々を抜きにして、本作はLOUDNESSと言うバンドにとっての最高傑作と言っても過言ではないです!!



まずは高崎晃(G)。
この人は、安易にバンドのサウンドを変える事して来た訳ではない(その実験精神は別として:苦笑)。
彼にしてみれば、その余り溢れる才能とテクニックからすればファンが望むサウンドに戻す事は容易かった筈。
しかし、彼自身のミュージシャン/ギタリスト/ソングライターとしての探究心はソレを簡単に許さなかった。
ソレは、LOUDNESSというバンドがこれまでリリースして来たアルバムを聴けば明白。
懐古趣味ではなく、自身の率いるバンドが“現在進行形”である事実を踏まえて本作を作ったのだと思う。
「あの頃」よりも、よりヘヴィに、よりパワフルかつストロングに、そしてよりメロディアスかつプログレッシヴに。
高崎晃と言う天才の生み出すプレイとサウンドは、決して過去を振り返る訳ではない。
本作では高崎自身のギター・ソロが、ここ最近のアルバムでは聴けなかった「泣き」を含んだ叙情的だったのも効果的だったと思う。



そして二井原実師匠(Vo)。
本作では師匠の“歌”が、非常に大きな比重を占めている。
失礼な言い方になるが、年齢を考えるとこれだけのハイトーンでの熱唱は師匠にとって厳しい側面もあると思う。
しかし、この師匠の生命を削るような熱唱こそ、本作が完成度に大きく貢献している。
やはり、何と言っても「この声」なのだ。
全盛期と変わらないハイトーンと、その伸びやかで艶やかな熱唱は圧巻としか言えない。
二井原師匠の“歌”が主役に絞られた事によって、本作は他と大きく異なってるのは事実だ。



一部では、二井原師匠の声と歌唱に否定的な意見もある。
だが、ソレを聴いただけで「あっ、LOUDNESSだ」と判るのは二井原師匠の声と歌があるからだ。
確かに強烈な超個性的な声と歌唱だが、メタル・シーンに求められるのはその個性的なシンガーではないのか?
特に高崎晃という、超絶ギター・ヒーローが存在するバンドにとっては。
その高崎が奏でるブ厚く鋭利で特徴的なギター・リフや華麗なギター・ソロに匹敵する、二井原師匠の超個性的な声と歌唱があって成立するのでは?!
それこそが「LOUDNESS」というバンドのサウンドだと思う。



あと個人的に本作を聴いて思ったのは、山下“マーくん”昌良氏(B)の存在。
昔から実は極太ベース・サウンドで唸り軋みまくっているが、本作では今まで以上に凄まじいプレイが随所で炸裂している。
ある意味、リード・ベース的に縦横無尽に暴れまくりながらもメロディを奏でるプレイは圧巻。
本作は映画『遊星からの物体X』のサントラを彷彿とさせる、不穏で硬く重いベースのメロディから始まるのだから。
このバンドの成り立ちもあって過小評価される傾向もあるが、この人が卓越したベーシストである事は変わりない。



そして鈴木“アンパン”政行の(Dr)。
今現在のLOUDNESSがこれまでと違いブルータルな側面を持っているのは、間違いなく彼のツー・バスが轟いているから。
メンバーから「スラッシャーだから」とネタにされるが(笑)、そのツー・バスが凄まじいのは事実だ。
LOUDNESSに在籍したドラマーにあって、彼は最もアグレッシヴなドラマーなのだと思う。
本作が80年代的と言われながらも、アグレッシヴかつブルータルなのは彼の貢献が大きいと思う。
あと余談になるが、本作の最終的なサウンド仕上げをブライアン・ガードナーに依頼したのも大正解。
クリアーで、各パートが粒立って聴けるサウンドが実に心地良い。



この『The Sun Will Rise Again』という傑作を持って、LOUDNESSは再び世界に挑む。
本作は実は随分前に完成しながらも、その発売が遅れたのは海外のレーベルとの交渉の問題があった。
結果的にその話はバンド側の納得出来るものでなかったで流れたが、既にもう数社の海外レーベルと交渉に入っていると言う。
今このCDが売れない時代にあって、欧米においてLOUDNESSというバンドは大きな商品価値があると言う事だろう。
かつて自分達が残した、成功や記録(まだ日本のロック・バンドがここまで商業的に成功した訳ではない)。
結成30周年にして、ソレを自身で抜いて更なる成功を目指すと言うのは果敢かつ勇気あるチャレンジだと思う。
「陽はまた昇る」、本作のタイトルだ。
4人の男達は、今再び世界と言う大きな目標に向けてスタートした。
それだけの熱い魂を揺さぶるような思いが詰まった本作、先入観抜きにして多くのメタル・ファンに聴いて欲しい。
超オススメです!!





この魂を売り渡しはしない
奪われたものは必ず取り返す
そしてこの命が尽きるまで戦い続ける
絶対に諦めたりしないと誓ったから

そして、また陽は昇るのだから

RHAPSODY OF FIRE Live At OSAKA CLUB QUATTRO

2014-06-11 22:52:19 | 音楽
RHAPSODY OF FIRE。

その12年振りの来日公演を、梅田クラブクアトロで観てきた。

当日券も出ていたが、会場はほぼ埋まっていたと思います。
もう結論から言っちゃいます…。

素晴らしかった!!



以前からよく言っていますが、良い楽曲、良いパフォーマンス。
そしてバンドを愛する、ファンからの熱いリアクション。
それの融合によって、会場には何とも言えない“Magic(彼ら風に言うと:笑)”が起きるのだと体感しました。
個人的に何よりも印象的だったのは、他でもないファビオ・リオーネ(Vo)の存在。

昨年、かのLOUD PARK 13にて。
ANGRAでのパフォーマンスに度肝を抜かれました。
ゲスト・シンガーでありながらバンドへの馴染み方に、本業である筈のRHAPSODY OF FIREの事が心配になった程です。
実際に、その後「正式加入」しちゃったし(苦笑)。



しかし、そんな心配は全くの杞憂であったのが今日のコンサートを観ていて判りました。
何でしょう、あの超人的なパフォーマンスは?!
今のメタル・シーン屈指云々のレベルではなく、その“歌”は神々しいまでの領域にありました。
あと良い意味で「俺のバンド」というファビオのスタイルは、他のメンバーだけでなく全てを支配していたと言っても過言ではないです。

とにかく凄かった!
素晴らしかった!!
やはり大きな声で一緒に唄って、拳を振り上げるメタルのライヴは最高です!!

War Eternal/ARCH ENEMY

2014-06-07 11:05:05 | 音楽
我らがARCH ENEMY。
セルフ・リメイク盤を含めると、通算10作目となる最新作『War Eternal』を聴いた。



このアルバムは10作目と言う一つの区切りだけではなく、バンドとして今後の運命を賭けた勝負作であったのは間違いない。
その理由は簡単に言えば、バンドの“アイコン”であったアンジェラ・ゴッソウと言うシンガーが脱退した後の新体制のアルバムだからだ。
アンジェラと言う“アイコン”を失った後、果たしてARCH ENEMYと言うバンドは今後もその存在をシーンで維持出来るのか?!
全てはこのアルバムの出来映えに掛かっていた。



もう結論から言ってしまう。
この“War Eternal”と言うアルバムは、ARCH ENEMYと言うバンドにとって新たな傑作になると言う事実。
本当に素晴らしいアルバムに仕上がっている。
これだけの傑作に仕上がった大きな要因。
それはアンジェラ自身より後継者として、任命されバンドに加入したアリッサ・ホワイト=グラス(Vo)の存在がある。



アリッサ自身がアンジェラから絶大な影響を受けている事もあり、その声と歌唱に全く違和感を感じない。
更に付け加えるならば、アリッサはARCH ENEMYに在籍した歴代のシンガーの中で最も優れた表現力を持っている。
噂通り、クリーン・ヴォイスは敢えて封印(コーラスでその美声が聴ける:笑)されている。



スクリームやグロウルは一本調子ではなく、楽曲が更にドラマチックに展開する“歌”として大いに貢献している。
怒濤の勢いで、怒りと憎悪を撒き散らす咆哮。
慟哭しつつも、朧げで繊細な感情表現も彼女の歌に練り込まれている。
アンジェラを失ったバンドを、見事にその歌で音楽的に更なるレベル・アップとバンドとしての再生に成功させている。
アリッサでなければ、恐らくはアンジェラの後任と言う大役は果たせなかっただろう。



アンジェラ脱退を、バンド存続の最大の危機として受け止めていたマイケル・アモット(G)。
その危機感故に、マイケルの選択肢の中に「ARCH ENEMYの解散」もあったのは事実だ。
しかしアリッサをその後任に迎える事が決定した時点で、マイケルのバンド存続の決意と同時にバンドの音楽性の変化にもつながった。
前作で良くも悪くも、ARCH ENEMYと言うバンドの音楽性は決定的となり限界が見えたとも言える。
本作ではバンドの音楽性に大きな変化が見られる。



本物のストリングスを大胆に導入した事により、今までにないシンフォニックな要素が目立つ。
以前よりプログレッシヴな要素は持ち合わせていたが、本作におけるシンフォニックさとの融合されている。
結果として実はこれまで以上にファストかつアグレッシヴながらも、よりメロディアスでドラマチックな音楽性への変化に繋がっている。
一時はソングライター/リフ・メイカーとして、その才能の枯渇を懸念されたマイケル。
しかし本作を聴けば、彼がいかに天才的な才能を持った存在であるか判る。



あと個人的に、本作で最も重要な存在はニック・コードル(G)だと思う。
アンジェラからアリッサのメンバー・チェンジばかりに注目が集まり気味だが、本作は彼がクリス・アモット脱退後に加入した最初のアルバムでもある。
思えばARCH ENEMYと言うバンドにとって、実はアモット兄弟以外のギター・チームでアルバムを製作したのは本作が初めてでもある(!)。
ニックのギタリストとしての存在は、本作において非常に重要な要素だと言っても過言ではない。



ニックは前任者のクリスとは良い意味で異なり、テクニカルかつネオ・クラシカルにド派手に弾きまくっている。
ニックのプレイはマイケルにも影響を与えており、彼もここ数作では聴けなかった程に「泣き」を含めながらもアグレッシヴに弾きまくっている。
マイケルとニックのスリリングなギター・プレイが、より楽曲をドラマチックに盛り上げて聴く側の魂を高揚させてくれる。

本物に素晴らしいアルバムになっている。
やはり凄いバンドなのだと、本作を聴いてARCH ENEMYというバンドを再認識しました。
この傑作と共に、ARCH ENEMYと言うバンドはメタル・シーンの最前線に再臨する。

超オススメです!!




こんな思いは二度としたくない
もう“後悔”するのだけは嫌
終わってしまった事は、すぐに過去の「出来事」となって消す事が出来なくなってしまう
今、自分自身で“後悔”と言う意味を知った
その言葉の持つ苦い意味とずっと自分が向き合う事になってしまう




私の姿が貴方に見えますか?
私の声が貴方にも届いていますか?
貴方には私の名前を知っておいて欲しい
今の貴方に私が見えていますか?
今でも私と言う存在が怖いですか?
それでも貴方は私の名前を知る事になるのだから

もう、そんなに遠く離れた存在ではないから…