ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

川崎に現れた令和の殺人鬼

2019-05-29 18:14:42 | Weblog
28日、川崎市多摩区で市立「カリタス小学校」の児童らが刃物を持った男に襲われ、19人が死傷しました。亡くなった2人は首に深い傷を負っていたそうです。わずかな時間での凶行、そして犯人も自殺していることから強い殺意が伺えます。

岩崎隆一容疑者は亡くなった人とは面識はないのでしょう。ならば何をそれ程までに恨みを募らせていたのか?その疑問は犯人が地獄へ持っていってしまいました。それにしても昨日の朝からずいぶん時間が経過しましたが、岩崎容疑者の情報が中学時代と最近の近所の人から見た様子しか出てこないのは何故なのか、不思議です。その間の約30年の情報が一つも出てこない事があるとはにわかに信じがたいのですが。

岩崎の場合、10代で家を出ています。ならば、少なくとも自分が生活するための最低限度は働かなくてはなりません。年単位で、いや数か月でも働いた職場があれば警察はもちろん、マスコミも嗅ぎ付けるはずです。そこは謎ですね。ここ最近については引きこもり傾向があったということのようです。

亡くなった2人は11歳の女児と39歳の外務省職員でした。報道に不満なのは特に子供が被害者になった場合「挨拶ができる優しい子でした」という判で押したような周囲のインタビューを流すことです。そういうのはいらないと思うんですよ。少し変わったところがあれ、性格がどうであれ命の価値は同じだと思います。ましてこれからの命です。挨拶ができるから命が重くなるという訳ではありません。

39歳の男性の方はこれまでの積み重ねがありますから、仕事ぶりなどを紹介してもいいと思います。ミャンマー語の専門家で通訳として大きな働きをしてきた。努力して身に着けた語学力も知恵も経験も命を奪われたことで全部、一瞬で持っていかれてしまいました。

犯人について今言えることは、幼少時複雑な家庭で育った。ここの所引きこもり気味で、近所とのトラブルもあった。あとは他人に対する強い殺意ですかね。私立の小学校ということもあり、ネットを中心に恵まれた環境にある階層を狙った犯行と決めつけている人も多いようですが、それは何とも分かりませんね。それよりもネットにこれほど上級国民とそれ以外という分け方が完全に浸透してしまっていることの方が根深いと思います。

世界的な流れとはいえ、新自由主義が進んで、かつて一億総中流と称された日本も貧富の差が激しくなり、富裕層に対する憎悪が膨らんでいるのは間違いないようです。岩崎のような凶行に及ぶのはごくわずかですが、しかし放っておけば怒りのマグマはますます溜まってしまいます。国もネットの一部が騒いでいるだけと決めつけずに、耳を傾け少しでも富裕層とそれ以外の人々の対立を和らげる対策をとったほうがいいですね。私立の制服を着た子供たち、とくに女の子は怖い思いをしているでしょう。
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48のオールドたち

2019-05-27 19:18:02 | Weblog
地球に捨てられた48のオールドたち
他者からの評価はともかく
ここまでよく生きてきたね
何せ地球に捨てられた日から
30ものオールドたちが加わったのだから

キッチンの上に置かれた水差しの薔薇
盛りを過ぎて花びらが下を向き、抜け落ちてゆく
床に落ち赤を広げる最後の表現
高層ビルから飛び降りる人のように

オールドたちが加わるたびに
大切なものがひらひらと舞って死ぬ
人生への憎しみも抜け落ちて枯れ木になればいい

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羽生、大山に並ぶ。谷川早投げか?

2019-05-24 07:22:24 | Weblog
昨日、羽生善治九段が谷川浩司九段を下し、大山康晴15世名人の持つ1433勝に並びました。僕はこの記録は時間の問題だと思っていたし、まだまだ大きく伸ばすのではないでしょうか。マスコミも大きく取り上げていたようで藤井君効果で将棋界に光が当たっていることを実感します。通算勝利数に関しては、藤井聡太出現以前ならせいぜいNHKが事実を淡々と流しただけなのでしょうが、ニュース速報まで流れたみたいですね。ちょっと驚きですが(笑)

羽生谷川戦を自宅に帰ってから棋譜で確認したのですが、激戦でしたね。ソフトの評価値もほぼ互角のまま進みました。終盤の入り口あたりは人間の目で見ると谷川さんがいいように見えるのですが、ソフト的にはそれほどのリードではありません。もっと驚いたのは投了の数手前までわずかに谷川リードを示していたことです。そして投了した場面すら羽生やや有利ぐらいの数値なんですよね。

人間的な目で見ると、谷川さんが羽生玉を詰め切れず、谷川玉は粘りがきかない形をしていて投了やむなしかと思っていたのですが。これまで数々の谷川さんの早い投了を見てきましたが、昨日の投了図は納得のいく形です。しかし、やはりソフトが正しいのでしょうか?まあ、確かに藤井君なら絶対に投げないし、叡王のタイトルを取った永瀬君なら「まだまだ勝負はこれから」と思っていたかもしれません。永瀬叡王の粘りは定評がありますからね。案の定、将棋ファンの中には谷川さんの早投げを指摘する声も多くありました。ソフトに全く関心を示さない谷川九段ですが、投了の場面のソフトの評価くらいは確認したほうがいいような気がするのですが。まあ、谷川さんは全く関心ないでしょうけどね。

羽生さんに関しては長きにわたる努力のたまものです。谷川さんとは対照的に時代の最先端の研究を取り入れています。今でいえばAIということになります。僕も「羽生さんのソフト研究がすごい」と昨年の竜王戦の時に書きました。勿論、あくまで推測です。しかし、羽生さんと数多く対戦してきた佐藤康光九段が「羽生さんの指し手に衝撃を受けた。人間では思いつかない手を指していた。相当激しいソフト研究をしているのだろう」との記事を見て、出鱈目を書いてなくてよかったと思いました(笑)こうしたAI研究を極めていけば、羽生さんはまだ10年はトップクラスの棋士として活躍できるのではないでしょうか。タイトル戦での羽生・藤井聡太戦を見てみたいものです。
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飯塚氏、いまだ逮捕されず

2019-05-22 14:57:52 | Weblog
12人が死傷した池袋暴走事故からずいぶん日が経ちました。自らもけがのため入院していた飯塚幸三元院長が退院し、任意の事情聴取が行われましたが、いまだに逮捕されていません。退院後に逮捕されるのではないかと思っていたのですが、少し意外でした。多少、上級国民という理由もあるでしょう。しかし、映像で見たところかなり飯塚氏は衰弱していて、拘留に耐えられない可能性があると警察は判断しているのではないでしょうか。拘留中にもしものことがあれば、今度はネットを中心とした市民の怒りが警察に向くことになるでしょうから。

もし逮捕はされなくても被告人として裁かれることにはなると思います。しかし、被害者遺族が望んでいる厳罰という事はないでしょう。執行猶予付きの判決となる可能性が高いですね。この流れで進めば特別扱いを受けているとは思いません。ただし、もし彼が被告人として裁かれなかったとしたら、それこそ上級国民は何をしても許されるという意識を国民に植え付けることになるでしょう。

それにしてもあの衰弱状態で運転しているんですからね。しかし、政府も分かっていながら高齢者運転に強く踏み込めない理由があります。ずばり選挙です。若い人が自民党を支持しているとも言われますが、そもそも若年層ほど投票率が低く、有権者数も少ないためさほど影響がありません。それに対し高齢者は人数も多いことに加え、投票率が高く、選挙結果の行方を大きく左右します。政府は彼らを怒らす訳にはいかないのです。

ならばこのまま指を加えて見過ごすしかないのか?やはり社会が高齢者運転を害悪として認識することが大事です。日本は外国から見ると煙草に対しては厳しく、酒に対しては甘い国と映っています。それは日本社会が煙草は害悪、酒は多少の害はあっても良い面もあるという認識を持っているからです。よって社会が高齢者運転に対して厳しい目を向ければ、国は渋々ではあっても動かざるを得なくなります。そうでなければ、高齢者運転で犠牲になった人々は浮かばれません。
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名人戦第4局 豊島名人誕生

2019-05-18 08:33:35 | Weblog
昨日まで2日間に渡り行われていた名人戦第4局は豊島将之二冠が佐藤天彦名人を133手で下し、4連勝のストレートで名人奪取となりました。第4局も角換わりの出だしで、攻める豊島、受ける佐藤の展開が続きましたが最後は豊島さんがじわじわ優勢を拡大し、そのまま押し切りました。

「10で神童、15で天才、20過ぎればただの人」。もしかしたらここ数年、この言葉が豊島新名人の脳裏によぎっていたのかもしれません。周りから見れば、決してそうではないのですが、幼いころから将来を嘱望されていた豊島さんが20代後半になっても名人はおろかタイトルを一つも取れない状況は将棋界の七不思議と言えました。

去年の棋聖戦で初タイトルを獲得して以降勢いに乗り、王位戦でも勝利し二冠。そしてついに幼い日からの夢であった名人のタイトルを奪取して三冠とこの1年で一気に大輪の花が咲きました。名人を含めた三冠ですから第一人者の定義を満たしたといっていいと思います。しかしこれはあくまで格の上で頂点に立ったということで、実力では以前にも記しましたが、渡辺明二冠、こないだ初タイトルを獲得した永瀬拓矢叡王と豊島さんの3強の時代に突入したといってよさそうです。早速、次の棋聖戦で渡辺二冠の挑戦を受けることになります。

もう10年以上前になりますか。将棋番組で今は亡き観戦記者の山田史生氏がゲストの豊島さんに向かって、「あなたは若い頃の谷川さんに似ている。きっと谷川さんのような立派な棋士になれると思いますよ」と言葉をかけられた時の豊島少年の表情を思い出しました。その谷川浩司九段以来、21年ぶりに関西からの名人が誕生しました。



敗れた佐藤天彦前名人。やはり先手の第1局に千日手差し直しにしてしまった事と第3局での勝利目前に迫ったところでのミスが悔やまれます。若い頃からライバル関係にあった豊島さんに差をつけられた形になりましたが、この悔しさをもう一段強くなるエネルギーに変えていってくれればと思います。厳しいA級順位戦を勝ち抜いて、いつの日かこの名人戦の大舞台に戻ってきてほしいです。






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雨傘

2019-05-15 21:59:44 | Weblog
肩を落とした僕の背をめがけて
力をつけてきた初夏の陽が差す
誰かのためのまばゆい夏がもうすぐやってくる

地べたにうずくまったまま、薄く目を開けてみる
この光が作り出す色濃い影のような具体的な諦めと
淡すぎる望みがまだ息をしている先細りの道が映る

もう一度だけ立ち上がって歩いてみようか
いつか置き忘れた傘一本程のものは見つかるかもしれない
誰かの優しさによって保存されていたような雨傘
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スピッツ「冷たい頬」

2019-05-10 22:11:02 | Weblog
スピッツの好きな曲は日々ころころと入れ替わると書いた覚えがありますが、自分の中で常に上位にランクしているのが1998年発売の「冷たい頬」です。上位というのが5位以内なのか10位以内なのかその辺ははっきりしないのですが。それだけスピッツには名曲が多いので。20位以内でも相当上位といえるかもしれません。

「あなたのことを深く愛せるかしら」
 子供みたいな光で僕を染める
 風に吹かれた君の冷たい頬に
 ふれてみた小さな午後

頭から掴んできます。「愛せるかしら」に深くを付け加えることで、これだけ格調が高くなるんですね。「風に吹かれた君の冷たい頬に」となにげなくタイトルが紛れ込んでいます。寒い季節に風に吹かれれば頬は冷たくなる。しかし、ここをタイトルにしていることで、なにかしら重要な意味があるのかと想像してしまいます。午後はたいてい小さいものです(笑)

 夢の粒もすぐに弾くような
 逆上がりの世界を見ていた

現実の厳しさを表現しているのだと思いますが、あえて美しい言葉でそれを伝えることができるのは、草野マサムネさんの非凡さゆえでしょう。

 さよなら僕のかわいいシロツメクサと
 手帳の隅で眠り続けるストーリー
 風に吹かれた君の冷たい頬に
 ふれてみた小さな午後

かわいいシロツメクサは恋人を意味するのでしょう。その恋人との日々も遠くなってしまったという解釈でいいんですかね。そして最後にもう一度、小さな午後、君の冷たい頬に触れて歌詞は終わっています。美しい言葉の連なり。確かに草野さんは詩人としても天才的だと思います。しかし、それに見合った曲を生み出す彼のメロディーメーカーとしての才能、そして草野マサムネの透き通るような歌声と草野さんを含めたメンバー4人の職人芸の技術が重なり合って、素晴らしい音楽が生まれ、草野さんの言葉も多くの人に知られることになります。もしも草野さんが詩人になって素晴らしい作品をいくつ並べても売れる可能性は低いですし、やはり音楽との出会い、そしてスピッツを共に作り上げてきたメンバーとの出会いがすべてだったと思います。



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名人戦第3局 大谷復帰

2019-05-08 22:37:43 | Weblog
名人戦第3局は熱戦でした。中盤までは挑戦者の豊島二冠がやや有利のまま終盤へ。連敗スタートとなった佐藤天彦名人はこの一戦にかける執念からか、細い攻めを見事なまでにつなぎ、最終盤で逆転、おぼろげながら勝利が見えてきたと思った瞬間、名人が悪手を指し、これが致命傷になりました。136手の戦いを制した豊島二冠はこれで3連勝。これで初の名人位獲得まであと1勝に迫りました。逆に佐藤名人は崖っぷちに追い詰められました。名人戦の長い歴史の中でも3連敗からの4連勝はなかったはずです。それにしても投了した後は、敗戦の落胆を微塵も感じさせず堂々とインタビューに答えるところが、さすがは名人といった気がします。豊島さんは対局姿勢が美しいですね。

名人の最後の見落としはアマチュアでも気づかれた方は多かったと思います。しかし、2日にわたる頭脳、体力の疲労は限界だったはずです。そこで秒読みで指さなければいけない訳ですから、当然ミスは出やすくなります。これが一番タイミングの悪いところで出てしまったのはやや運がなかったかなという気はします。名人も人間ですから仕方ありません。僕は終盤戦を中心に見ていたのですが、谷川さんや藤井君の対局でもないのに、手に汗握るような、対局者の息遣いが聞こえるような感覚になりました。名局と言っていいのではないでしょうか。


エンゼルスの大谷翔平選手が打者として復帰しました。3番・DHで出場しましたが、結果は4打数無安打1四球でした。まあ、今日は目慣らしということでいいのではないでしょうか。まずは打者として順調に復帰できたことを喜ぶ日だと思います。明日以降、徐々にエンジンをかけて言ってくれることを期待しています。大谷君の年齢だと、打者としてはこれから10年が全盛期。個人的には投手以上に打者の伸びしろの方が大きいと見ているので、打者に専念する今年はひそかに期待しています。

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小出監督「せっかくと思いなさい」

2019-05-07 23:22:43 | Weblog
この春、平成が終わりを告げる象徴的な出来事がいくつかありました。高橋尚子や有森裕子など数々の名ランナーを育て上げた小出義雄監督が亡くなったこともその一つでした。印象に残ったのは小出さんの死後、有森さんが語った言葉でした。「せっかくと思いなさい」

故障した有森さんに対し、「せっかく怪我をしたのだからそれを無駄にするな」という意味だったのでしょう。有森さんなら乗り越えられる試練という確信のもと、そう諭したのだと思います。今の有森さんが四半世紀前のこの言葉を持ち出したのは、その後の有森さんの競技人生、そして引退後の人生の一つの支えになっているからでしょう。闘病中の池江璃花子選手には小出さんならそれとは全く別の適切な言葉で彼女を励ますのでしょう。池江さんが前向きに白血病と向き合えるように。


自分もパニック障害になって30年。最初の10年は「なんで自分だけが」という悔いが強かったはずです。しかし、30年がたち、苦しみの中で何かを学んできているのではないかとたまに考えます。とても「せっかくパニック障害になったんだから」とは思えませんが。僕のような無宗教の人間でも、長く生きていると自分だけの宗教みたいなものが少しずつ出来上がっていきます。人生観と言い換えてもいいのかもしれません。

「苦しめば苦しむほど、いつかいい場所へ行ける。おそらく死後に」。そんな考え方も時間をかけて出来てきたものです。それで少しは怒りや悲しみが和らぐこともあるような気もします。小出監督のこの言葉が僕の中ですんなり理解できたのはそうした背景があるからだと思います。

「いい人生だった」「Q、50歳になっても輝いていろよ」。小出さんの言葉がいちいち胸に響きます。
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この土を掘り起こせば

2019-05-04 21:57:03 | Weblog
この土の中を掘り起こせば、色々なものが出るだろう
骨となったペットや
15年前の未来への手紙や
揺りかごで眠る赤ん坊の穏やかな寝息が

さらに掘り続ければ、やがて出会うだろう
江戸庶民の語らいや
戦国足軽の嗚咽や
平安貴族の熱血に
耳を澄ませば聞こえてくるのだ
語らいや嗚咽や熱血が

さらに奥へ耳を凝らせば、かすかに聞こえてくる
大仏建立のための人々の息遣いや
高床式倉庫開発までの企画会議や
縄文土器職人の寡黙が

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※電子書籍パブー閉店のため移動しました。ようやく終わりみたいです。出来はともかく、平成から忘れ物を取り出してきた気分です。
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