ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

手嶌葵(明日への手紙)

2023-12-30 11:13:58 | 歌詞

元気でいますか

大切な人はできましたか

いつか夢は叶いますか

この道の先で

 

覚えていますか

揺れる麦の穂 あの夕映え

地平線 続く空を探し続けていた

 

明日を描こうともがきながら

今夢の中へ

形ないものの輝きを

そっとそっと抱きしめて

進むの

 

人は迷いながら揺れながら

二度とない時の輝きを

そっとそっと抱きしめて

進むの

 

作詞・作曲は池田綾子。2016年2月10日発売。ドラマ「いつかこの恋を思い出しきっと泣いてしまう」主題歌。

 

全体を通して優しい歌詞です。そこに手嶌葵さんのウィスパーボイスという表現が当たっているかどうかはともかく、儚げな声がさらに優しさを増幅していまず。

 

「元気でいますか」から始まるこの手紙は自分に書いた手紙なのでしょう。

 

「覚えていますか、揺れる麦の穂、あの夕映え」

過去の風景を思い起こしているのでしょう。

 

「明日を描こうともがきながら」

手紙の主人公は必死で生きている印象を与えます。

「形ないものの輝きを、そっとそっと抱きしめて進むの」

未来とか希望を大事にして前に進んで行こうと励ましている気がします。

 

「人は迷いながら揺れながら、二度とない時の輝きを、そっとそっと抱きしめて進むの」

この部分は自分というより、聴いている人への作詞した池田さんのメッセージではないでしょうか。

 

決して特別な言葉を使っている訳ではないのですが、それだけに暖かさが伝わってきます。その上にメロディーと手島さんの歌唱が加わり、名曲に仕上がりました。

______________________________________________________________________

 

おそらくこれが今年最後のブログとなると思います。連投がきかないタイプですから。

今年も多くの方にアクセス頂きありがとうございました。20年近く続けてきたブログですが、見てくれる人がいなければ、このブログはとっくに枯れていました。

また、いいねボタンを押してくれた数少ない方もありがとうございました。数が少ないのは当たり前で、自分からボタンを押しにいったことはほとんどありません。それでも毎回のように押してくださる方がいるんです。

 

私にしては、こんな挨拶してそろそろこのブログもそろそろ終わりそうな雰囲気ですが、まあ、続けられる限りは続けるつもりですが。

それでは良いお年をお迎えください。

 

 

 

 

 

 

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苦悩

2023-12-26 13:22:06 | 

ガザでの死者が2万を超えた

子供たちの眼が哀しく輝いている

対岸の火事を眺め

崩れたケーキがニュースになる平和国家日本でも

毎年、同等の数の人々が自ら命を絶つ

 

アフリカの子供が餓死していく地域では

自殺する人はいないという

食べ物にありつくことに必死だからだろう

食うに困らなくなったらなったで

また新たな苦悩が生まれる

 

悩みは人の仕事だ

いや、もっと言えば呼吸と同じこと 

戦争があるから平和を求めるように

苦悩があるから平安を求める

だから時に神や仏に祈るのだが

それは無理な相談なのだ

そこから逃れることは出来ない

人が人であるかぎりは

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ピアノレッスン

2023-12-21 13:14:42 | 

レッスンを終え、塔子は空を見上げた。

輝きの失せた月が浮かんでいる。

 

高野が生徒になったのはおととしの秋

「定年になってから暇で」

「妻のピアノがありまして」

すでに奥さんはこの世にいないらしい。

物静かな初老の紳士

塔子は心で呟いた。

 

高野が通い始めて2カ月ほど経った頃

彼は「カーペンターズの青春の輝きを弾けるようになりたい」と言った。

奥さんとの思い出の曲なのだろうと塔子は受け取った。

「私も好きですよ」

塔子はピアノに向かい、シンプルに「青春の輝き」を弾いた。

演奏を終えて、塔子は笑顔で高野を見た。

彼の目は赤かった

塔子は慌てて目をそらした。

高野は「素晴らしかったです。失礼します。さようなら」

そう言って足早に去っていった。

彼は決して覚えのいい生徒ではない。

それでもひたむきにピアノに向かった。

 

知り合って1年が過ぎた頃

高野の家族から彼が倒れ、入院したが、意識が戻らないと聞かされた。

ある生徒が言った。

「高野さん、先生のことが好きだったと思います。女性として」

塔子は意表を突かれた。

高野とは父と娘ほどの年の差があり

そうしたことは考えもしなかった。

「中秋の名月、ご覧になりましたか?」

「穏やかな口調が、異なった色彩を帯びて塔子に届いた。

 

若葉の季節に高野は息を引き取った

塔子はピアノの前に立ち

「青春の輝き」を弾く高野をイメージした。

「上手くなられましたね。素晴らしかったです」

塔子は微笑んだ。

高野は照れくさそうに笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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サックス

2023-12-18 12:56:03 | 

とうに日の暮れた公園

サックスの音が聴こえる

哀愁を含んだ音色は

かつての記憶を呼び覚ます

 

20代の終わりに付き合った人がいた

彼女とも短く終わった

大学を中退してから

僕はフリーターを死守するだけ

彼女は立派に会社員

 

二人で街を歩くと君はいつも言った

「私が年下の男と付き合っているように写るんだろうね」と

僕がかなり若く見られていたのは確かだった

だから不精ひげを生やしてみたのだが

全然、似合わないと否定されやめた

彼女も20代の半ばを過ぎている

結婚を意識した付き合いをすべきなのだろう

 

ジェットコースター、旅行、夜景の綺麗なレストラン

それらは僕にとって十分に別れる理由だった

そして、新たな理由が加わったのだ

 

強くなった北風を合図に僕は公園を離れた

サックスの音が遠くなってゆく

君の声が遠くなってゆく

 

 

 

 

 

 

 

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銀の龍の背に乗って(中島みゆき)

2023-12-14 12:55:45 | 歌詞

あの蒼ざめた海の彼方で 今まさに誰かが傷んでいる

まだ飛べない雛たちみたいに 僕はこの非力を嘆いている

急げ悲しみ 翼に変われ

急げ傷跡 羅針盤になれ

まだ飛べない雛たちみたいに 僕はこの非力を嘆いている

 

夢が迎えに来てくれるまで 震えて待ってるだけだった昨日

明日 僕は龍の足元へ

崖を登り 呼ぶよ「さあ、行こうぜ」

銀の龍の背に乗って 届けに行こう 命の砂漠へ

銀の龍の背に乗って 運んで行こう 雨雲の渦を

 

わたボコリみたいな翼でも 木の芽みたいな頼りない爪でも

明日 僕は龍の足元へ崖を登り 呼ぶよ「さあ、行こうぜ」

銀の龍の背に乗って 届けに行こう 命の砂漠へ

銀の龍の背に乗って 運んで行こう 雨雲の渦を

 

作詞・作曲 中島みゆき。2003年7月発売。ドラマ「Dr.コトー診療所」主題歌。

 

中島みゆきの唄は、その時代時代で、代表曲が変わってきた気がします。それだけ数多くの名曲を生み出してきたからこそですが。文字通りのタイトル「時代」から「悪女」「空と君のあいだに」「地上の星」、そして近年は「糸」。僕の中で浮かび上がってきた曲がこの「銀の龍の背に乗って」でした。

 

「あの蒼ざめた~僕はこの非力を嘆いている」

直接的にはコトー先生と患者を指しているのかもしれません。非力の象徴として雛を持ってくるんですね。雛鳥なら仕方ない。しかし僕は大人なのにまだ非力なのかと。

 

「急げ悲しみ~羅針盤になれ」

願わくば出来る限り早く変わって欲しい。

「夢が迎えに来て~さあ、行こうぜ」

昨日までのネガティブは消え、今日の主人公の僕は、ポジティブに変身しています。この短い時間に何かきっかけになる出来事があったのでしょう。

 

決して自身の非力さは変わっている訳ではありません。確かに翼は手に入れたけれど「わたボコリみたいな翼」ですから。それでも「銀の龍の背に乗って~運んで行こう、雨雲の渦を」。届けに行こう、運んで行こうと。

 

非力さを嘆いていた主人公が「非力であっても前に進む」との思いに至ったことが、この歌詞の大きなテーマなのでしょう。「弱いままでも前に進んで欲しい」というみゆきさんのメッセージだと思います。

発売から20年を経て、この曲の果てしない大きさを知りました。「銀の龍の背に乗って」は希代の歌姫であり、曲づくりの天才である中島みゆきの生み出した378秒の僥倖です。

 

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大谷、ドジャースへ 今年印象に残ったプレイヤーたち

2023-12-11 11:46:32 | スポーツ

エンゼルスからフリーエージェントになった大谷翔平選手が9日、ドジャースに移籍しました。10年総額7億ドル(約1015億円)という超大型契約です。

 

赤から青へ。やはり本命のドジャースへの移籍になりました。天文学的な数字で訳が分からないのですが、優勝争いを宿命づけられた名門・ドジャースということもあり、これまでとは比べ物にならないぐらい風当たりは強くなります。

来シーズンは打撃だけになりますが、2割8分、40本塁打以上を期待しています。あとはチームを優勝へ導くことです。それには殊勲打(先制打・同点打・逆転打)を1本でも多く打たなければなりません。要はここぞという時に打つことです。

大谷翔平のサヨナラホームランが見たい。ワールドシリーズでプレーする姿が見たい。

 

次に今年、個人的に印象に残ったプレイヤーを挙げていきます。

大谷翔平、吉田正尚、山本由伸、近本光司(以上野球)、リーチマイケル(ラグビー)、久保建英(サッカー)、田中希美、川内優輝、北口榛花(以上陸上)、井上尚弥(ボクシング)、池江璃花子(水泳)、早田ひな(卓球)、和田由紀子(バレーボール)藤井聡太(将棋)

瞬間的に思い付いたプレイヤーを挙げているので、また付け足すこともあるかもしれません。それでは。

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ジプシー

2023-12-07 12:43:02 | 

少年のまま年を取って

未だ日々に揺らいでいる

藁や枝にしがみついて

束の間の安らぎを求める 

 

結果は分かっているけれど

長い間、そうして生きてきたから

これからも僕は探し続けるだろう

しがみつくに値するものを

昼に何食べるか、夜に何食べるかと同じこと

 

たいてい材料は決まっている

ごく少量の夢

または薬

あるいは金

いづれも時が経つにつれてすり減った

もうすぐポケットのコインが尽きそうだ

 

しかし僕は探し続けるだろう

飽きることなく今日も

しがみつくに値するものを

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かたちあるもの(柴咲コウ)

2023-12-04 13:49:06 | 歌詞

夜空に消えてく星の声

儚げに光る鈍色(にびいろ)の月

二人で泳いだ海は何故

束の間に色変えてゆくんだろう

 

このまま眠ってしまいたくない

あなたをまだ感じてたい

 

もしもあなたが寂しい時に

ただそばにいることさえできないけど

失くす傷みを知ったあなたは

ほかの愛を掴める そう祈っている

 

泣きたいときや苦しい時は

私を思い出してくれればいい

寄り添える場所 遠い夏の日

温もり 生きる喜び

全ての心に

 

作詞・柴咲コウ 作曲・小松清人。2004年8月発売。TBS系ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」主題歌。

 

最近、柴咲コウの動画を見る機会が多くなりました。若い頃に比べて上品になって、それでいて芯の強さを奥に秘めている印象です。そして相変わらず美しい。歌手としても女優としても才能の高さを感じます。

「かたちあるもの」は当時、新進女優の綾瀬はるかの熱演が印象的な「世界の中心で、愛をさけぶ」の主題歌です。

 

「夜空に消えてく星の声~色変えてゆくんだろう」

かなり抽象的な文章ですが、どこか寂しげで、歌詞全体の世界観を示しているようにも思えます。

「このまま眠って~感じてたい」

何気ない恋人への想いにもとれますが、ドラマの内容から察すると、眠るイコール死を意味するのでしょう。ヒロインは不治の病に侵されています。

 

「もしもあなたが寂しい時に~そう祈っている」

ヒロインが自らの死後の恋人への思いを綴っています。

「泣きたいときや~温もり、生きる喜び。全ての心に」

寄り添える場所、遠い夏の日。眩しくもあり、切ない。

ドラマのエンディングで、この歌詞が切ないメロディーに乗って、柴咲さんの声で流れてくるんですよね。 

 

体当たりの演技の演技に真っ直ぐな歌詞。綾瀬も柴咲も若かった。

 

確かに全体的にはストレートな言葉が並んでいます。ただ、歌詞だけを見ると、、失恋を描いているように写ります。しかし、ドラマを重ね合わせると、また意味合いが違ってくる。20代前半でこうした芸当を持っていたのですから、彼女の作詞のセンスは素晴らしいですね。

柴咲コウはアーティストと呼ぶにふさわしい。

 

 

 

 

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