ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

マーメイドの涙

2023-07-31 12:04:49 | 

世界水泳最終日

女子メドレーリレー決勝は、ベテランの鈴木聡美の頑張りもあり

6位を保ってアンカーの池江璃花子がプールに飛び込んだ

 

 

白血病から復帰して1年足らずの2021年の春

東京五輪の代表選考の舞台に池江は立った

100メートルバタフライ決勝

横に並ぶ選手たちの肉体に比べ

池江のそれは明らかに見劣りした

肌は青白く、体は細い

病み上がりの姿は隠しようもなかった

ところがこのレースで池江は優勝した

恵まれた体格、上り坂の勢い

そうしたものを抜きに池江は勝った

この時ほど彼女を泳ぎの天才と思ったことはない

 

奇跡の東京五輪出場から2年

池江の肉体は回復途上とはいえ、随分アスリートらしくなった

50メートルバタフライでは7位に入った

しかしインタビューでは「いつになったら戻れるんだろう」と答え、悔しさを滲ませた

ただ、こうも言った

「まだまだ諦めません」と

 

メドレーリレーのアンカーとして6位を死守し、池江は役割を果たした

それから少しして池江はプールから出ようとした

しかし、そこから抜け出る力すら、彼女には残されていなかった

懸命に両腕に力を込める

その時、零れ落ちた水滴が 

彼女の全身から溢れた涙に見えた

 

 

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大谷、メジャー初完封・2打席連続本塁打

2023-07-28 12:25:54 | スポーツ

大谷選手、凄いとしか言いようがありません。ダブルヘッダー第1試合でメジャー初完封。第2試合で2打席連続の37号、38号本塁打。まさに超人的な活躍です。 

 

何故、こうした活躍が出来たか。それは心技体の心の部分にあります。技は6月に打撃でひとつ上の段階に達した印象があります。ところが最近の大谷選手はヘルメットを叩きつけたり、ベンチから球審の判定に抗議したりと彼らしくない態度がありました。これは迫るトレード期限に相当ナーバスになっていたのだと思います。

そして試合前にほぼ結論が出ました。エンゼルスのGMが大谷を放出しないことを明言したのです。本人は安心したと思います。それが早速、結果として出ました。

 

投手としてはピークを過ぎつつあると思っていましたが、9回1安打完封で9勝目ですか。怪我さえなければ10勝は確実で、あとは15勝に近づけてもらいたいです。規定投球回数に達することも大切です。これに達しないと防御率をはじめ、投手成績の意味が半減してしまいます。

 

打者としての期待は高まります。7月が終わって37、8本に達してくれればとブログに記した覚えがあるのですが、届きましたね。まずは自己最高、50本は超えて欲しい。現在、58本ペースらしいですが、例年、二刀流の疲れでペースが落ちますから高望みはしないでおきます。この試合でも38号を打ったあと脇腹を痛めてベンチに下がりましたから。疲れと怪我が最大の敵です。

 

しかし、そうした個人記録よりも大谷選手がこだわっているのはチームの勝利です。「身を粉にして」なんて久し振りに聞いた言葉です。WBCを見るまでもなく、ホームランを打った後にセーフティーバントを試みる選手です。「エンゼルスのため、ファンのため」。そうした思いが体で表現されているからこそ、彼には心を動かされるものがあるのです。

 

「9月にヒリヒリした戦いがしたい」。大谷君はもちろん、エンゼルスにも奮起してもらって、彼に秋までヒリヒリした戦いをしてもらいたいものです。

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王位戦第3局 藤井が防衛に王手 西山朋佳には華がある

2023-07-27 12:37:51 | 将棋

昨日まで行われていた王位戦第3局は藤井聡太王位が佐々木大地七段を下し、3連勝としました。防衛まであと1勝です。終盤では互角の局面もありましたが、見事に藤井王位が抜け出しました。これで9割方、藤井防衛の流れになりました。八冠への最大の山は王座戦挑戦者決定戦の豊島九段戦だとみます。

 

佐々木七段は将棋が強いこともありますが、誰からも好かれる好青年と以前から耳にします。今回、初タイトル戦ということで、同年代の棋士から羽織をプレゼントされたそうです。大地君は良い意味での体育会系の部分も持ち合わせていて、よく気が利くと評判です。

なので1度ぐらい勝ってもらいたい思いもありますが、やはり私は藤井贔屓です(笑)

 

藤井さんは「先手番と比べて後手番の勝率が2割以上低くなっている」と自ら口にしました。主にAIの影響でしょうが、先手がテニスのサービスゲームのようになってしまったらつまらないので、将棋を守るためにも後手番で結果を出して欲しいです。

ところで藤井さんは中原誠16世名人の将棋を目標としているそうな。私が幼い頃の大名人です。中原さんの将棋は詳しく知りませんが、居飛車党本格派の印象です。自然流と評されます。自然な指してで勝てたら理想的ですね。

 

女流の清麗戦は西山朋佳女流三冠が里見香奈清麗を下し、1勝1敗のタイにしました。やはり西山さんの将棋には華があります。終盤の迫力、魅せる将棋という意味では、プロ棋士の中でも上位に入ると思います。是非プロ棋士になってもらいたいです。

個人的には女流は将棋は西山、聞き手は山口恵梨子推しです。山口さんは愛嬌があって面白い。盤面が動かなくても5分は見ていられます。将棋を楽しむコツとして好きな聞き手を見つけるのもいいかもしれません。

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夏のタイムマシーン(小泉今日子)

2023-07-25 12:31:27 | 歌詞

真夏のショーウィンドウ 太陽が反射して

真っ白な舗道を

ふと誰かとすれ違った気がした

あれは多分16の私

 

制限の帰り道 覗き込んだディスプレイ

ハイヒールがとても眩しかった あの頃

初めてキスした夜 ママに嘘ついたけど

知りたかっただけなの 変わっていく自分を

 

恋をしてときめいて陽炎にゆれる未来を

恋をしてときめいて手のひらかざし見つめてた

夢は何色 愛は何色 幸せは何色

 

夏のタイムマシーン 少女の私に伝えてよ

あの日探してた答えは今も出せないけど

夏のタイムマシーン 大丈夫だよと伝えてよ

あの日輝いてたその瞳に負けないくらい

一生懸命泣いて 一生懸命悩んで

一生懸命頑張っているから

 

作詞は田口俊。作曲は筒美京平。1988年発売。この曲、リアルタイムでは覚えがないです。次の「怪盗ルビイ」はよく分かりますが。ただ、後に知って、小泉今日子の曲の中でも個人的には上位に入ります。

 

「真夏のショーウィンドウ、太陽が反射して、真っ白な舗道をふと誰かとすれ違った気がした。あれは多分16の私」

タイムマシーンに乗って、当時22才の小泉さんが過去に戻ります。今にして思えば16才も22才も若いのですが、当時の小泉さんはアイドルとしてベテランで、主流から外れつつあった時期だと思います。

 

当時の女性アイドルは10代がピークで20才を過ぎると下降線をたどるパターンがほとんどでした。

それでも別格の松田聖子、中森明菜20才の壁を難なく越えて、第三極のスーパーアイドルだった小泉さんも20才を過ぎても人気が落ちることはありませんでした。

その後、CM女王になり、本格的な女優に転身しました。アイドルから上手く脱皮した数少ない成功例だと思います。

 

「夏のタイムマシーン」の歌詞を拡げて見ると、当時のアイドルの22才というのは一般に当てはめれば40代以上の中高年といえます。

 

「夏のタイムマシーン、少女の私に伝えてよ。あの日輝いてたその瞳に負けないくらい一生懸命泣いて、一生懸命悩んで、一生懸命頑張っているから

 

「夏のタイムマシーン」はかつて少年、少女だった大人たちに、あの頃の気持ちを忘れずにいるかと問いかけているような気がします。

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神様との取引

2023-07-21 11:39:47 | 

人は人になる前

つまり生まれる前に神様と取引している

ただ記憶に残らないだけ

 

美人になりたい

天才になりたい

善人になりたい

そのためなら命を削っても構わないと

 

スポーツ選手になりたい

小説家になりたい

学者になりたい

人よりエネルギーを持って生まれたい

大志を抱き、ひたむきに生きたい

そのためなら命を削っても構わないと

神様はシビアで

それらの約束を正確に記憶している

 

若くして命を落とす人を見聞きするのは、気持ちの良いものではない

はっきり言って出会いたくはない

しかしながら、早死した人を不幸と決めつけることは出来ない

それは本人の心が決めることだから

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棋聖戦第4局 藤井が3勝1敗で防衛 しかし…

2023-07-20 12:33:06 | 将棋

7月18日に棋聖戦第4局が行われ、藤井聡太棋聖が佐々木大地七段に勝利し、3勝1敗で防衛しました。4期目の棋聖獲得です。

全体を通して藤井棋聖の苦戦が目立ちましたが、得意の終盤に抜け出し、佐々木七段を何とか振り切った印象です。

第4局もAIの形勢は一時、佐々木七段が90%を超える勝利確率になりましたが、実際にはAIの示している手が難しく、佐々木さんがそれを指せずに、再び藤井さんが逆転しての勝利でした。

 

それにしても藤井聡太竜王・名人と言えども、防衛が難しくなってきました。初めてタイトルを獲得した頃は、しばらく藤井さんにタイトル戦で勝つのは難しいと思われましたが、わずか3年で状況は変わりました。

何故、このようになったかと言えばAIの急速な進化です。昨日、芥川賞・直木賞が発表されましたが、チャットGPTに代表されるAIの発達で、小説家も将来的には危ういかもしれません。

将棋は小説よりも答えがはっきりしているものなので、AIの得意分野であり、すでに人間は歯が立ちません。例え藤井さんであっても。

AIを抜きに考えれば藤井時代はあと20年続いたかもしれません。しかし、いかに不世出の天才であってもAIの急速な進化には太刀打ち出来ません。

これからはいっそ、AIの奴隷になった棋士が頂点に立つのかもしれません。藤井さんはAIの示した手であっても、自分が納得しなければ取り入れないと聞きました。

 

藤井さんは将棋に美学を持っています。彼はAIの奴隷などにはならないでしょう。

それにしても難しい時代になりました。

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逢いたくなった時に君はここにいない(サザンオールスターズ)

2023-07-18 12:05:24 | 歌詞

昨日までの喜びが悲しみに変わるよ

あんなに空が丸く見えるこの頃なのに

たぶん君は許さない 女でいる限り

噂の後に割れた絆を

 

目の前に好きな女性がいればなおさら辛い

今すぐにやり直せば 甘い言葉が嘘になる

誰より愛しい女性よ 君と歩いた夏

胸によみがえる

 

一番身近な相手を他人の目の中で うぬぼれてた

誰より愛しい女性よ 君と歩いた夏

胸によみがえる

逢いたくなった時に 君はここにいない

二度と帰らない

 

作詞、作曲は桑田佳祐。

深夜ラジオで長渕剛は「桑田君は苺のショートケーキ」と言い、長淵さんは自身を地元の菓子か何かに例えました。要は「育ちが違う」と言いたかったのでしょう。

 

サザンの曲には上流の青春の匂いがします。僕もそれは多少苦手だったのですが、そうした感情を打ち消してしまう桑田佳祐の才能はやはり凄かったですね。

夏と言えばサザン。桑田さんは夏を文字と音で描く画家。「逢いたくなった時に君はここにいない」も夏を描いています。

どうも主人公の男が相当モテるようで、浮気をしてしまったのでしょう。その代償として「誰より愛しい女性」を失ってしまったという自業自得の話なんですけど、これが桑田マジックにかかると芸術作品になるのです。

 

「誰より愛しい女性よ、君と歩いた夏。胸によみがえる」

ここだけは共感出来ますし、このサビのメロディーが秀逸です。

「一番身近な相手を、他人の目の中でうぬぼれてた」

人によって受けとりようはあると思いますが、この表現は凄いですね。桑田さんはメロディーメーカーのイメージが強いですが、言葉の魔術師でもあります。

 

 

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王位戦第2局 藤井連勝・里見vs西山

2023-07-16 12:44:05 | 将棋

13日、14日に行われた王位戦第2局は藤井聡太王位が佐々木大地七段を下し、連勝スタートとなりました。

久し振りに藤井王位の快勝を見た気がします。佐々木七段得意の先手番。エース戦法の相掛かりに上手く対応出来た事が大きいです。

 

これで王位戦は藤井王位が防衛する確率が高まりました。やはり2日制の藤井さんは強い。佐々木七段としては王手をかけられているとはいえ、1日制の棋聖戦の方が可能性はありそうです。

 

清麗戦第1局は里見香奈清麗が西山朋佳女流三冠を下しました。

 

現在、女流ではこの2人の力が抜けていて、女流八冠を里見さんが五冠、西山さんが三冠と分け合っている状況です。この対局前、西山さんは18連勝中で、里見さんの21連勝という記録に迫っていましたが、記録保持者の里見さん自らが食い止めました。

 

個人的には西山さんの高い潜在能力に期待しています。奨励会の三段リーグで14勝してプロ棋士になっていないのは長い歴史の中で西山さんただ一人です。ちなみに藤井竜王・名人は13勝5敗での四段昇段でした。

西山さんには女流の世界に落ち着かす、プロ棋士として持ち前の華のある破壊力抜群の将棋をみたいものです。

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あの時、もっと喜べたなら

2023-07-14 11:36:22 | 

もっと喜べたなら何か変わっただろうか?

お互いが好きでいることに対して

例え先のことはどうであれ

 

僕の人生は2度目の暗闇の中だった

1度目の地球とは大きく変わっていた 

でも人を好きになる感情は残っていて

それが僕を苦しめていた

まあ、なければないで寂しいのだろうが

 

彼女の笑顔は天使のようであって

僕の心と体を苦しめる悪魔にも見えた

無論、彼女に悪意はない

まだ1度目の人生だっただけ

 

やがて2度目の人生が遥かに長くなり 

これが僕の人生だと思うようになった  

日々の暮らしの中で

できる限り、喜びを探そうとしている

あの頃、そうした気持ちがあったなら

もっと刹那を喜べたなら

 

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王位戦第1局は藤井が勝利 西山朋佳vs女流新星

2023-07-10 11:47:20 | 将棋

7月7日、8日に行われた王位戦第1局は藤井聡太王位が挑戦者の佐々木大地七段を下しました。

 

中盤までは佐々木七段が指しやすい展開になりましたが、藤井王位が佐々木七段のわずかなミスをついて盛り返し、最後は盤石な玉形を築きました。AIは80%対20%の形勢でしたが、盤上ではそれ以上に大きな差があるように見えました。佐々木七段としては投了やむなしだったのではないでしょうか?

 

藤井佐々木夏の12番勝負は、棋聖戦と合わせて藤井3勝、佐々木1勝となりましたが、いずれも先手番が勝っています。佐々木七段が得意の先手番を生かせるかが今後のカギになるでしょう。

 

女流王座戦で西山朋佳女流三冠と今井絢女流1級の対局がありました。この勝負、辛うじて西山女流三冠が勝利しましたが、今井さん、強かったですね。

 

今井さんは昨年まで奨励会に所属していましたが、21才で初段になれず年齢制限で退会となり、今年から女流棋戦に参加し始めました。

里見香奈さんと並んで女流トップの西山さんを追い込んだのは力のある証拠です。すでに女流では5本の指に入る実力を持っている可能性が高いです。

杉本昌隆門下。藤井聡太名人の妹弟子でもあります。そのうちタイトル争いに加わって来るでしょう。楽しみな素材です。

 

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