ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

スピッツ「冷たい頬」

2019-05-10 22:11:02 | Weblog
スピッツの好きな曲は日々ころころと入れ替わると書いた覚えがありますが、自分の中で常に上位にランクしているのが1998年発売の「冷たい頬」です。上位というのが5位以内なのか10位以内なのかその辺ははっきりしないのですが。それだけスピッツには名曲が多いので。20位以内でも相当上位といえるかもしれません。

「あなたのことを深く愛せるかしら」
 子供みたいな光で僕を染める
 風に吹かれた君の冷たい頬に
 ふれてみた小さな午後

頭から掴んできます。「愛せるかしら」に深くを付け加えることで、これだけ格調が高くなるんですね。「風に吹かれた君の冷たい頬に」となにげなくタイトルが紛れ込んでいます。寒い季節に風に吹かれれば頬は冷たくなる。しかし、ここをタイトルにしていることで、なにかしら重要な意味があるのかと想像してしまいます。午後はたいてい小さいものです(笑)

 夢の粒もすぐに弾くような
 逆上がりの世界を見ていた

現実の厳しさを表現しているのだと思いますが、あえて美しい言葉でそれを伝えることができるのは、草野マサムネさんの非凡さゆえでしょう。

 さよなら僕のかわいいシロツメクサと
 手帳の隅で眠り続けるストーリー
 風に吹かれた君の冷たい頬に
 ふれてみた小さな午後

かわいいシロツメクサは恋人を意味するのでしょう。その恋人との日々も遠くなってしまったという解釈でいいんですかね。そして最後にもう一度、小さな午後、君の冷たい頬に触れて歌詞は終わっています。美しい言葉の連なり。確かに草野さんは詩人としても天才的だと思います。しかし、それに見合った曲を生み出す彼のメロディーメーカーとしての才能、そして草野マサムネの透き通るような歌声と草野さんを含めたメンバー4人の職人芸の技術が重なり合って、素晴らしい音楽が生まれ、草野さんの言葉も多くの人に知られることになります。もしも草野さんが詩人になって素晴らしい作品をいくつ並べても売れる可能性は低いですし、やはり音楽との出会い、そしてスピッツを共に作り上げてきたメンバーとの出会いがすべてだったと思います。




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