ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

「それが大事」は罪なのか?

2022-12-30 14:41:21 | Weblog

サッカー日本代表のCMに「それが大事」が使われていました。僕らの世代では知らない人がほとんどいないぐらいの青春ソングです。ただ、今の時代だとネットなどで賛否が渦巻いているだろうと想像します。

 

「負けない事、投げ出さない事、逃げ出さない事、信じ抜く事 駄目になりそうな時、それが一番大事」

この部分ですよね。人によると思います。僕はこの曲が好きだったけれど、相性は良くなかった。当時、僕はすでにパニック障害でした。その病名すら知らず。特に電車や授業中、座っているのが辛かった。大学に着いた頃にはすでにボロボロです。

 

このような場合に「それが大事」は良くありません。ところが、こうした状況であるがゆえに、僕は長渕剛などのメッセージ性の強い曲を求めました。しかし、そうした勇ましい曲がプラスに働く事はありませんでした。

「それが大事」がプラスに働くのは、乗り越えられる程度の壁に挑んでいる人なのだと思います。

 

心や体が弱っている人には、テレビも毒になる可能性があります。テレビは視聴率を求める為、より多くの人が共感できるものを流します。

例えば、現在のコロナ渦であれば、青春を謳歌出来なかった学生をクローズアップします。しかし、実際に大変なのは、コロナの後遺症に苦しんでいる人々です。しかしテレビはほとんど取り上げません。

 

そして、この年末年始。クリスマスや帰省ラッシュなどでのカップルや家族連れの映像が溢れます。それを目にした孤独な人は、より孤独を感じるかもしれません。

だからそういった人は、好きな本や音楽や映画を楽しんでいた方がよほど良いでしょう。

 

僕は今でも「それが大事」という曲が好きです。長渕さんの曲もたまに聴きます。やはりアーティストは好きな表現をすべきだし、あとは受け取る側の問題なのだと思います。

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人生の風景

2022-12-29 10:27:43 | Weblog

先の長い人生たちが公園ではしゃぎ回る

ベンチに腰掛けた長い人生は、笑みをたたえていた。

彼らが可愛いからなのか

遠い昔を回想しているのか

それは分からない

 

師走の人生たちは忙しい

目を前に向ければ、必死にペダルを漕ぐ背中

顔を見なくても中年の女性だろう

僕たちはあらゆるものをひとくくりにするのだ

似たような背中に、あらゆる人生があることを想像できない。

 

生きたくても終わる命があり

生きたくなくても続く命がある

そして、まだ生きられるのに自ら絶つ命

 

年の瀬のプラットホーム

無数の人波が、かつての人生に向かおうとしている。

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年末

2022-12-19 14:14:21 | Weblog

社会の情勢からだろうか

先月まではイルミネーションは目に入らなかった

それでもこの時期になると

こじんまりした光があちこちに輝く

 

僕は北風から顔を背けるように歩く

かじかむ手はポケットにしまって

身体の線の細さは服の重ね着でカバーする

それでも心だけは今にも何処かに飛ばされそうで

 

人は孤独が多いほど

嘘のつき方が上手くなる

その場しのぎのマフラーで

自分の首を絞めていく

 

もう来年の話をしても誰も笑わない

笑わずに、それぞれの歩みで

遠慮気味にすれ違っている

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小山怜央は強い・水木一郎死す

2022-12-13 11:32:25 | Weblog
  • 昨日、将棋のプロ編入試験第2局が行われ、受験者の小山怜央アマが岡部四段に勝利しました。これで2連勝。いよいよ合格まであと1勝です。

 

初戦の徳田四段が最大の壁だったので、徳田君に勝った時点で、あとは実力を出せれば合格は問題ないと思っています。

小山君はプロ棋士を上中下に分けると上の力があります。もう少し細かく言えば、B級1組程度の力があるのではないかと見ています。藤井聡太竜王や永瀬王座、豊島九段などがA級、その一つ下がB級1組です。C級2組まで6組ありますが、小山君にいくら力があっても、C級2組の下のフリークラスからのスタートとなります。

実力がある上に終盤が強く、将棋に華がある。金の取れる将棋を指します。藤井竜王との対局が楽しみです。

 

水木一郎さんが亡くなりました。私も幼少時、よく聞いていました。マジンガーZなど戦隊もののイメージが強いです。個人的にはバビル2世の曲が好きですね。アニメソングではささきいさおと双璧ですが、ささきさんはソフトでいて低音が魅力の正統派で「真っ赤なスカーフ」のような大人的な曲が似合いましたが、水木さんは声に勢いがあり、勇敢な同時の子供が好きな曲が似合いました。あとは子門真人ですか。

 

水木さんは日本のアニメが世界中で見られるようになってからは世界の子供たちにも愛されたのだと思います。

水木さん、お疲れ様でした。

 

アニキ、これからも空から大声で俺たちに歌ってくれよ。

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小椋佳「俺たちの旅」

2022-12-06 14:10:08 | Weblog

夢の坂道は木の葉模様の石畳

まばゆく白い長い壁

足跡も影も残さないで

たどり着けない山の中へ

続いているものなのです

 

夢の夕陽はコバルト色の空と海

交わってただ遠い果て

輝いたという記憶だけで

ほんの小さな一番星に

追われて消えるものなのです

 

夢の語らいは小麦色した帰り道

畑の中の戻り道

ウォーターメロンの花の中に

数えきれない長い年月

うたた寝をするものなのです

 

背中の夢に浮かぶ小舟に

あなたが今でも手を振るようだ

 

ドラマ「俺たちの旅」主題歌。同名タイトルの曲なので、ドラマに合わせて作られたのだと思います。

それにしても小椋佳は凄い。特に歌詞が。僕はドラマは知らないのですが、仲間との友情を描いた青春ものなのでしょう。

小椋さんは夢という言葉を軸に歌詞を組み立てています。始まりも「夢の坂道は木の葉模様の石畳」と入っています。

 

この歌詞の好きな部分は「夢の夕陽はコバルト色の空と海 交わってただ遠い果て 輝いたという記憶だけでほんの小さな一番星に追われて消えるものなのです」

凄いな、これ。小椋佳は言葉の魔術師だ。

「夢の語らいは」で始まる歌詞も凄い。「ウォーターメロンの花の中に、数えきれない長い年月、うたた寝をするものなのです」って。何ですか。細かな意味を考える前に感覚的に圧倒的なものがあります。

 

そして「背中の夢に、浮かぶ小舟に、あなたが今でも手を振るようだ」と締めています。最後の「ようだ」を付け加えることで明らかに深みがましています。まさに言葉の達人だと思いますが、多分、小椋さんに言わせれば「まだ何も知らない」と言いそうで怖い。小椋さんが東大で、優秀な銀行マンだったことは知っていましたが、後に大学院に入り直しているんですよ。物凄く知的好奇心が旺盛な方なのです。

 

小椋さんは歌手活動を引退するそうですが、詩や歌詞は書き続ける気がします。言葉の神様に選ばれた宿命というか。

 

小椋佳の歌詞は後世に残さなければいけないと思います。デジタル化が進めばアナログ的なもののレベルは落ちていくと思います。だからこそ小椋佳が紡いだ言葉は、時代が進む程、輝きを増すのではないでしょうか。

 

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藤井、4勝2敗で竜王防衛

2022-12-04 13:22:35 | Weblog

将棋の竜王戦第6局で藤井聡太竜王が広瀬章人八段を下し、4勝2敗で竜王防衛を果たしました。

昨日の将棋は見事でした。中盤で飛車を取らせて勝つというのは凄い。広瀬八段も「飛車さえ取れれば何とかなるのでは」と話していましたが、将棋では飛車は最強の駒で、終盤で捨てることはあっても、昨日の早い段階で飛車を取らせては苦しくなるのが普通なのですが、肉を切らして骨を断つという事なのでしょう。それで勝ってしまうところが藤井聡太の天才たる所以なのでしょう。

 

広瀬八段もよくやりました。以前にも記したとは思いますが、彼は才能的には非常に高いものがあります。特に終盤の鋭さには定評があります。ただ広瀬さんは永瀬王座や豊島九段に比べて序中盤の研究で劣っていると見ていました。その広瀬さんが今回は深く研究し、序中盤で藤井竜王を苦しめました。しかし、それでも勝てなかった。仏の広瀬が鬼の広瀬に変貌しても。藤井聡太恐るべしといったところでしょうか。

 

藤井竜王の次のタイトル戦は王将戦です。挑戦者は羽生善治九段。いよいよ藤井君と羽生さんの番勝負が実現します。

 

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歓喜の片隅で

2022-12-03 10:26:15 | Weblog

ワールドカップは日本がスペインの無敵艦隊を撃破し、予選突破を果たした。

奇跡は2度も起こるものではない

日本のサッカーが世界の強豪国に近づいている証だ

森保監督はドーハを自らも体験した悲劇の地から、歓喜の地に変えた。

僕は森保という男が好きだ

戦術面も優れているし、何よりもサッカーや選手に対する誠実さが伝わって来るのだ。

 

ドーハの歓喜の裏側で、ロシアとウクライナは血を流し続け

平和な日本でさえ、死んだ人もいれば、サッカーどころではない悲しみや絶望にうちひしがれている者も少なくないことは容易に想像できる。

 

それでも、これでいいのだ。

それでこそ人間だ

喜びたい者はそれを爆発させればいいだけだ

この日は喜劇の役回りなのだから

どんな喜劇役者にも、いずれ悲劇を演じなければならない日が来るのだから。

 

 

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