ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

激闘の余韻

2024-02-28 12:34:42 | スポーツ

シューズのさえずる音がまだ記憶に新しい

卓球の世界選手権女子団体決勝は、まれに見る激闘となった

決勝まで勝ち上がってきた日本に立ちはだかるのは、やはり中国だ

第1試合に起用されたのは張本美和だった

しかし、大物感漂う15才も、世界最強の前になす術なく敗れた

 

第2試合は日本のエースとなった早田ひな

伊藤美誠、平野美宇と共に2000年生まれ

黄金世代の1人である

第3試合に出場する平野にも言えることだが、どこぞのアイドルグループにいても、何ら不思議のない顔をしている

ただでさえ日本人は外国人からすれば、若く幼く映る

早田も平野も23才だが、相手からは少女そのものに見えたはずだ

しかし、いざコートに立てば、あどけなさに不似合いな勇敢で圧倒的な強さがあった

力勝負のラリーでも早田の細腕がしなり、試合を制した

 

そして平野美宇である

伊藤が勝負強く、早田が大器なら、平野は天才だ

しかし、同時にガラス細工であることも否めない

この日は良い方の平野、いや、本来の平野だった

彼女の動きに相手が全くついていけない

平野の才能が台上で爆発した

 

ベンチで身振り手振りを交え、アドバイスを送る伊藤の存在も大きかった

中国を知り尽くす彼女の言葉に、コートの3人も真剣に耳を傾けた

未来の指導者までが育った

流れは日本に来ている

 

2対2で迎えた第5試合

張本が1セットを先取する

悲願の世界一まであと2セット

しかし、その道のりは険しく、届かなかった

それなのにどういう訳だろう

この悔しさの中の晴れ晴れとした心地は

 

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藤井聡太を倒すのは永瀬か伊藤か藤本か?

2024-02-26 11:39:46 | 将棋

藤井聡太棋王に伊藤匠七段が挑戦する棋王戦五番勝負第2局が、2月24日に石川県金沢市で行われ、藤井棋王が伊藤七段に勝ち、対戦成績を1勝0敗1持将棋としました。

 

第1局は持将棋で決着つかず。2局目、伊藤七段先手番でどうなるかということでしたが、終わってみれば藤井棋王が終盤で抜け出し、勝ちました。

途中までは伊藤さんの深い研究が功を奏すのかどうかという局面はあったと思うのですが、時間を使った読み合いになると藤井さんの右に出る者はいません。伊藤さんはまだ藤井さんに勝っておらず、局面を悲観していたのかもしれません。

 

ここまでくると、誰が最初にタイトル戦で藤井八冠の牙城を崩すのかに注目が集まります。現時点では永瀬九段が最有力のようです。先日の朝日オープンでも決勝で藤井さんを破り、優勝しました。実力的には伊藤匠七段は外せません。どう苦手意識を克服するかでしょう。

 

そしてもう1人は唯一、藤井さんより年下の藤本渚四段。まだ18才です。現在、記録面で注目されているのは昭和の大名人・中原誠の最高勝率記録(0.855)が破られるのかどうかです。

藤井八冠が0.860。そしてその上に藤本渚四段の0.865。信じられない高勝率です。藤井さんと共に明日の将棋界を背負う存在になれるか?藤本君にも期待が高まります。

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竹内まりや「真夜中のナイチンゲール」

2024-02-20 16:21:18 | 歌詞

あなたの瞳に映る

哀しみのわけを教えて

どんなに近くにいても

届かない心の裏側

 

My love  私は闇夜に

My love  さえずるサヨナキドリ

ただそばにいさせて

忍び寄る孤独から守るわ

 

My love  その細く長い指に

まとわりつく不安の影を抱きしめたい

My love  刹那に身を焦がして

目覚める明日がいつまで続くのかと

問いかけるNightingale

 

My love  響き渡る遠雷が

新しい春を告げたら飛び立ってく

真夜中のNightingale

 

作詞・作曲 竹内まりや。2001年2月発売。オリコン最高位7位。TBS系ドラマ「白い影」主題歌

 

竹内結子演じるヒロインの看護師・倫子の、中居正広演じる主人公の外科医・直江への思いを歌詞にしています。

 

直江は不治の病に侵されていますが、徹底的な秘密主義で事実をひた隠しにしています。しかし、それでも溢れ出てしまうものがあるわけで「あなたの瞳に映る、哀しみのわけを教えて」と悟られてしまいます。

そして「忍び寄る孤独」「まとわりつく不安の影」といった言葉が並びます。 

「響き渡る遠雷が、新しい春を告げたら、飛び立ってく真夜中のナイチンゲール」。眩しいフレーズですが、それも前文の闇があってこその輝きなのだと思います。絶望の中から希望を見いだす強さを感じます。

 

「白い影」は中居正広のはまり役でした。演技が上手いとは思えない中居さんが何故、はまったか?それは主人公の直江と彼自身が根本的に似ているからではないでしょうか。

 

少し前、中居さんに重病説が流れました。実際にレギュラー番組を休んでいたので、相当悪かったのでしょう。

ただし、病名などは頑ななまでに公表せず、あたかも何もなかったように元のポジションに復帰しているところが彼らしい。

能登半島地震の際もこれまで同様、多額の寄付をしていました。タレントとしてのイメージとかけ離れた高い美学の持ち主なのでしょう。

 

竹内結子さんは本当に残念ですね。死神に取り憑かれたとしか言いようがありません。

しかし、自らの命を絶つ少し前までは、彼女が生きる希望を抱いていたのは間違いありません。そうでなければ、新しいパートナーとの間の子供を生むことなどしなかったはずです。

 

「真夜中のナイチンゲール」を聴くたびに、白い服を纏った若き日の中居さんと竹内さん、そして籠から放たれた鳥たちが羽ばたく美しいエンディングを思い出します。 

 

 

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制服の終わり

2024-02-13 13:29:42 | 

窓の外の北風のように

大きな音を立てるでもなく

砂埃を舞わせることはないが

時の風は静かに

しかし、確実で誠実な力で

人をさらっていく

 

君も例外ではない

この教室にとどまることは出来ない

右手の指先を見つめる仕草も

その指先で柔らかく髪を撫でる仕草も

華やいだ笑顔も

まっすぐ肌を滑る涙も

何もかも

あと一月経てば

もう制服では似合わない

 

君もそれを知っているから

二度と着ることはないだろう

君が制服から離れていく

制服が君から離れていく

 

 

 

 

 

 

 

 

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藤井、タイトル戦20連覇の新記録

2024-02-10 14:10:55 | 将棋

2月7、8日に行われた王将戦七番勝負で藤井聡太王将が菅井竜也八段に勝ち、4勝0敗で王将を防衛しました。内容的にも全く菅井八段を寄せ付けませんでした。これでタイトル連続20期制覇となり、大山康晴十五世名人の連続19期を更新しました。令和の天才が昭和の大名人の記録を抜き去ったことは快挙と言えるでしょう。

 

ただ、これはある程度は予測出来た事です。藤井君が15、6歳の頃から、タイトル戦に出ればまず負けることはないだろうと考えていました。同じように考えていた人は多いはずです。

彼に1回は勝てても、5番勝負で3回、ましてや7番勝負で4回勝つことは至難ではないかと思えたからです。

 

問題はこの先です。それを占うのが現在、藤井棋王に伊藤匠七段が挑戦している棋王戦です。第1局は持将棋。早い話、決着がつきませんでした。仕切り直しの第2局以降も激しい展開が予想されます。

棋王戦は一日制のため、王将戦のように時間に余裕がありません。伊藤七段も深い研究をぶつけてきますが、そこは令和の王者として受け止め、最後は藤井棋王らしく鋭く寄せ切ってもらいたいものです。

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悪夢を見た部屋

2024-02-06 11:41:15 | 

陽の時計が東を指した頃

私は突然、悪夢にうなされた

そして、この夢が長編になることを悟った

早朝特有の眩しさを強く憎んだ

 

陽の針が頂点に達した頃だった

私は病院へ行き、悪夢の緩和を求めた

処方された薬を毎日飲み続けたが

それでも止むことのない悪夢

うなされて目が覚めた

私は慌てて上体を起こし、眼を見開く

しばらくして気分がずしりと重くなった

陽は大きく傾き

部屋は薄暗くなっている

 

私はただ人並みの夢が見たかっただけ

子供の教育の方針を巡って妻と言い争うような

そうした夢が見たかっただけなのだ

 

 

 

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あいみょん「生きていたんだよな」

2024-02-01 12:29:38 | 歌詞

二日前このへんで飛び降り自殺した人のニュースが流れてきた

血まみれセーラー濡れ衣センコー

たちまちここらはネットの餌食

「危ないですからはなれてください」

そのセリフが集合の合図なのにな

馬鹿騒ぎした奴らがアホみたいに撮りまくった

冷たいアスファルトに流れるあの血の何とも言えない赤さが綺麗で綺麗で

 

泣いてしまったんだ泣いてしまったんだ

何も知らないブラウン管の外側で

生きて生きて生きて生きて生きて

生きて生きて生きていたんだよな

最後のサヨナラは他の誰でもなく

自分に叫んだんだろう 

 

「今ある命を精一杯生きなさい」なんて綺麗事だな

精一杯勇気を振り絞って彼女は空を飛んだ

鳥になって雲を掴んで風になって遥か遠くへ

希望を抱いて飛んだ

 

生きて生きて生きて生きて生きて

生きて生きて生きていたんだよな

最後のサヨナラは他の誰でもなく

自分に叫んだんだろう

 

サヨナラ サヨナラ

 

作詞・作曲 あいみょん。2016年11月発売。メジャーデビューシングル。

最新の統計で小中高生の自殺者数が過去最多を記録しました。これだけ少子化が進んでいる中で、異常であり深刻な事態です。「生きていたんだよな」の歌詞にも、その謎を解く手掛かりが潜んでいる気がしてなりません。

 

冒頭からしばらくあいみょんのセリフが続きます。

「危ないですからはなれてください。そのセリフが集合の合図なのにな」。まさにその通りで、状況が目に浮かびます。

「馬鹿騒ぎした奴らがアホみたいに撮りまくった」

現代社会への強烈な風刺です。我以外はみな風景。まさに風景のように女子高生の死体を撮りまくる愚かさ。

「生きて生きて生きて生きて生きて、生きて生きて生きていたんだよな。最後のサヨナラは他の誰でもなく、自分に叫んだんだろう」

あいみょんのストレートな思いが伝わります。正解かそうでないかは、死んだ彼女にしか解らないけれど、想像することに意味があるのだと思います。

 

「今ある命を精一杯生きなさい、なんて綺麗事だな」

ここは難しいところです。しかし、誤解を恐れていたのでは歌詞や詩は書けません。

最後の「サヨナラ、サヨナラ」が切なく響きます。

 

改めて凄い歌詞です。もしかしたら、今のあいみょんには書けないかもしれない。二十歳そこそこの感性。まだ何者でもないが故の強み。出来ればあいみょんにはこのように社会を風刺する歌詞も書いてほしい。誰にでも書けるというものではないですから。

 

子供は社会の鏡。彼らの自殺が何らかの社会の歪みを表しているのは間違いないでしょう。

 

 

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