ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

長谷川アナ「人工透析」ブログについて

2016-09-30 22:51:27 | Weblog
フリーアナウンサーの長谷川豊氏の「自業自得の人工透析患者は治療費を自己負担すべき」という意見には反対です。タイトルにあった「そういった人間は殺せ!」というのは、これはタイトルで多くの人に見てもらおうという、彼のやり方であるのは分かるのですが、アウトですね。ペンの暴力。

こうしたことを書けば、人工透析患者を深く傷つけることは勿論、社会に悪影響を与えかねない事ぐらい分からないようでは話にならない。透析の患者さんの中には、彼に対する怒りとともに、「長谷川氏の意見に同調している連中の誰かに襲われるのでは」という身の危険を感じている方もいるでしょう。彼にはそうした想像力が著しく欠如しています。

確かに、彼の言うように、暴飲暴食や運動不足から糖尿病、さらには人工透析まで進行してしまう患者さんも、割合はともかく、かなり多いことは確かでしょう。しかし、社会保障費削減のために全額負担を求めるのはやはり無理があります。それに節制、不摂生の2択で綺麗に割り切れるものではありません。

糖尿病に限らず、がんなどの生活習慣病。もっと広げれば人生においてもそう。AだからBになる。CだからDになると簡単に割り切れるものではありません。必ずしも計画通りにはいかないのです。それが長谷川氏には全く理解できないようです。おそらくこの先も理解できない。

酒、タバコ、不摂生の限りを尽くしても、90代まで元気な人もいれば、健康管理に余念がなく、人間ドックも毎年受けている人でも早死にする人もいる。こんな例はいくらでもあるんですね。まあ、生きるということは不条理なもんです。

長谷川氏に話を戻すと、彼の頭の構造はこの先も変わりようがない。あとは起用する側の問題。倫理観が問われます。
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淋しさも哀しさもいらない

2016-09-28 23:18:04 | Weblog
真夏さえなければ、秋はこんなにも淋しくはない

真昼さえなければ、夕陽はこんなにも哀しくはない



何もなければいいんだ、輝くものすべて

それならば淋しさも哀しさもない

いっそ何もかもなくなってしまえ



もう嫌になった

もう駄目になった

その思いのみが時を経るごとに色濃くなる



それでも僕は諦め悪く、何か探している

それは見つかりようもないのだけれど

すがりつくように、まとわりつくように探している

探していないと、終わるような気がするんだ



次第に秋はやせ衰えていく

次第に夕陽は落っこちやすくなっていく

彼らは美しいけれど

淋しいから嫌いだ

哀しいから嫌いだ


思い出の中にとどまっていてくれ

現実に姿を晒さないでくれ

痛々しいから




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NHKドラマ、Nスペ「縮小ニッポン」

2016-09-28 13:35:46 | Weblog
最近、次の朝ドラの「べっぴんさん」にそなえて、「とと姉ちゃん」を見ています。1週、2週と続けて視聴するのは朝ドラでは「あまちゃん」以来で、ベッドから体を起こすのはきついですが、あまちゃんが放映されていた4年前と比較すると、だるさは少し軽いような気がします。唐沢さんが命を賭して、仕事にのめり込む姿に「白い巨塔」を思い出しました。

大河ドラマ「真田丸」はついに真田信繁の父、昌幸が亡くなりました。正直、ここまでは、昌幸演じる草刈大河だった側面があります。勿論、草刈さんの熱演もありますが、史実でも、この時期はまだ信繁(幸村)は無名の存在だったのだから、それは仕方ないですね。ここからが堺雅人の大河が始まるのは間違いありません。

真田丸を見てそのまま、テレビをつけておいたら、NHKスペシャルが始まりました。タイトルは「縮小ニッポンの衝撃」。

主に、北海道・夕張、島根県、東京豊島区を中心に取材していました。まだ30代半ばの若き夕張市長の奮闘、島根の行政サービスが行き届かなくなった地域での新たな取り組み、2020年に人口減少に転ずると予測される豊島区の対策などが描かれていたのですが、番組終了後は暗澹たる気持ちになりました。「撤退戦」といえば、多少響きはいいかもしれないが、根本的な解決策は何も示されないまま、番組は終わりました。仕方ありません。これが日本の現状ですからね。

アベノミクスに全く効果がない訳ではないとは思います。サッカーに例えるなら、全員でディフェンスに回っている状態から、ボールを前に出す。金融緩和ですね。しかし、ボールの受け取り手がいない。懸命にボールに追いつこうと走っても追いつけない。よって結局、総ディフェンス状態(デフレ)となる訳です。

根本的には人口構成を変える努力をするしかありません。政府は外国人労働者を倍に増やすことを決めたそうですが、なかなか難しいと思われます。やはり日本は島国で、アメリカとは国の成り立ちも違う。よって受け入れ人数のバーの設定も低くせざるを得ないでしょう。
女性の社会進出も、日本人の意識が変わらなければ、思うようには進まないし、高齢者に出来るだけ働いてもらうといっても限界がある。

そこでベーシックインカム、所得保障ですね。これしかないと思われます。やらないで済むならその方がいいのですが、世界でも類のない超高齢化社会の日本だからこそ、導入が必要です。人工知能の発達によって、職場を追われる人が増える事も導入理由の1つですが。

1人あたり5万なら5万でいい。財源が足りないというなら増税で賄うしかない。時間はかかります。しかし、一人ひとりが生活に余裕を持つことこそ、少子高齢化の有力な解決策です。
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日ハム、天王山制す・べっぴんさん

2016-09-22 23:26:14 | Weblog
お久しぶりです。このまま、すんなり、秋が深まるのでしょうか。

パリーグ天王山は日本ハムがソフトバンクに連勝し、ついにマジック6を点灯させました。一時はソフトバンクに、あれだけ大きく水を開けられていたにもかかわらず、この大詰めに来ての形勢逆転はお見事というほかありません。2ゲーム差。これから日ハムに重圧のかかる可能性もある。まだ勝負は決した訳ではないですが、それでも8割以上の確率で、日ハムがペナントを制すると見ていいでしょう。栗山監督の手腕は素晴らしい。特に若手を育成する能力に秀でています。

個人的には日本シリーズは広島VS日本ハムを見たいですね。別にカープが優勝したからではなく、かねてからの私の主張ですが、やはりリーグ優勝したチームが、日本シリーズに出場すべきです。どうしてもプレーオフをやりたいのなら、前期、後期の2シーズン制をとり、優勝チーム同士が戦うべきです。昭和50年代にパリーグがうまくいかなかったのは、当時、ファンの眼がほとんどパリーグに向いていなかった事が大きいですね。当時と現在のパリーグは別品です。

ということで「べっぴんさん」。今朝の特集、見ました。

ヒロインの芳根京子さんですか、ほんとになかなかべぴんさんで、表情やインタビューで見たところ、なかなかのものです。もしかしたら女優としては波瑠以上の大器かもしれません。べっぴん度では波瑠さんも素晴らしいですが。1年近い、長丁場の撮影、乗り切って欲しいものです。

母親役が菅野美穂。役の上ではヒロインの幼少期だけになりそうですが、語りも担当するようで楽しみです。こないだ日ハムの大谷君が164キロを投げたそうですが、女優の投げ込んだボールで、あんなに手がしびれたのは自分にとっては菅野さんだけです。あれから20年。TBSドラマも含めて、また、あの剛速球を投げ込んで欲しい。
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肉体を盗んだ魂(終)

2016-09-07 20:52:42 | Weblog


潮の香りが漂うようなファミレスの壁際で、若い女性がひとり座っている。そこへウエイトレスがやってきた。

「ご注文は」

「オムライスひとつ、お願いします」



・・・寂しそうな海ね・・・

ー人気がないからじゃないか。波もずいぶん荒いね、この時期になるとー

・・・でも、最後の食事がオムライスだなんてね・・・

美由が少し笑った。

ーそんなもんだよ。一致したのがそれしかなかったじゃんー

・・・まあ、それなりにおいしかったからいいや・・・

ーうん。ほんとにうまかったー

・・・今、誰かに背中を押されたらアウトだね・・・

ーいっそ、押してもらったほうが楽だよ。覚悟が省けるからー

・・・そうだね・・・



ー美由には感謝してるよー

・・・感謝なんてしなくていいよ・・・

ー母にも会えた。姉にも会えた。それから、麻理にもー

・・・私はいれてくれないの・・・

美由が微笑みながら、小さく頬を膨らませた。僕は少し慌てた。

ー美由はまた特別だよ。一心同体というか、いや、二心同体かー

・・・ありがとう・・・

ーなんで涙が流れるんだろうー

・・・どっちの涙・・・

ー分からない。どっちでもいいよ。じゃあ、そろそろ行こうー

・・・うん・・・



海が呼んだ。僕ら二人にはそれがはっきりと聴こえた。



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思っていたよりはるかに、たくさんの方に見ていただきました。有難うございます。







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肉体を盗んだ魂(33)

2016-09-07 19:18:10 | Weblog

ー僕が入ってきたばっかりに、つらい思いをさせたね、美由ー

・・・恨んでなんかいないよ。気にしないで・・・

ーありがとう。うそでも嬉しいよ。ところで、自殺とか考えたことある?ー

・・・さあ、どうだろう。あんまり深くはないかな・・・

ー僕はもう限界みたいだ。やっぱりあの時、天に召されなければならない魂だったんだー

・・・麻理にフラれたから・・・

ーフラれたってレベルまでいってないけど、いい記念になったよ。麻理と二人きりになれたのは。だからもういいかなー



・・・いいよ、一緒に死んであげる・・・

ー死ぬって、そんな簡単にー

・・・君を受け入れた事は後悔していない。でも、やっぱり無理がある。ひとつの体にふたつ魂があるなんて・・・

ー僕の魂が出て行くことさえ出来れば、問題ないんだけどー

・・・万一、その方法が見つかっても、出て行く必要なんてないよ。何回も言ってるでしょ。後悔してないって・・・

ーでも、辛いんだろ?-

・・・うん、辛いよ。でも君のせいじゃない。君が来る以前から辛かった。私の今までの、20年近くの生き方に問題があったから。その罰だわ。もっと懸命に生きてたら、君を受け入れることもなかった・・・

ー美由は優しいんだねー

・・・違うよ。それは本当に違う・・・

ーどっちにしても選択するのは美由だー

・・・だから死ぬって言ってるでしょ・・・

ーもし美由の気持ちが変わらなかったら、夏休み中に実行に移そうー



麻理からメールが入っていた。

「どうしたの?私、避けられてる?美由に嫌われたのかな?」

僕は久しぶりに麻理へ返信した。

「嫌いな訳ないじゃん。大好きだよ。また二人で遊ぼう。幸せになってね」






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肉体を盗んだ魂(32)

2016-09-07 16:29:51 | Weblog

梅雨明けを思わせる強い日差しだ。そのせいもあるのか、黒のワンピース姿の麻理の白い肌が、ますます透き通っている。

「どこへ行こうか美由」

「映画でも見ようよ」


優雅な瞬きを繰り返しながら、けだるい恋愛映画にはまっている様子の麻理。僕もそのリズムに合わせてゆっくり首を回し、彼女をぼんやりと見る。幸福な時間だった。


映画館を出て、近くの公園へ場所を移した。

「水や緑があるってやっぱり落ち着くね」

麻理は大きく息をついて言った。

「まあ、その周りはビルが取り囲んでいるけど」

「だから価値があるんじゃない。水や緑だらけのところで暮らしてたら、こんなに感動する気持ちにはならないって。かえって退屈するかもね」

「なるほどね。麻理、その辺に座ろうか?」

「もう少し歩こうよ。なんだか気持ちいい」

「土曜日、上手くいくといいね」

「うん。まあね」

「好きなんでしょ、加藤君のこと」

「好きになりかけているって感じかな。向こうも同じだと思う」

「緊張してる?」

「いや、まだしてない。多少ワクワクはしてるかも。でも、今は美由と過ごしているこの時間が、大切に思える」

「それはどうも。なんだか少し照れるなあ」

「私に恋人が出来ようが出来まいが、美由は変わらず友達、いや親友でいてね。これからもずっと」


池の水面が日差しを浴びて、キラキラと揺れている。僕は麻理との約束は守れそうにない。このまますべてが終わってしまえばいい。さよなら麻理。


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肉体を盗んだ魂(31)

2016-09-07 16:16:54 | Weblog

前期のテスト期間も終わろうとしている。

「美由、出来はどうだった?」

「まあ、半分ぐらいかな。麻理は?」

「そこそこだね」

「へえ、凄い」

「半分ぐらいの方が凄いよ」



しばらくは他の友達も交えて、テストの話題が続いた。そして、徐々に夏休みの過ごし方へと移行した。

「私はバイト、バイトだよ」

「サークルの合宿が楽しみだね」



友人たちはそれぞれに自らの夏休みを想像している。しばらくして麻理が口を開いた。

「私、今度の土曜日、加藤君と約束してるの」

「いよいよデートですか」

「がんばってね。最初が肝心だから」


麻理は友人のアドバイスに頷きながら、僕を見ている。

「美由・・・」

「えっ、ああ、そうだ。麻理、明日でもいつでもいいけど、土曜日になる前に、予行練習しておかない?」

「美由、それはいい考えね」

「シュミレーションしといた方がいいんじゃない。ぶっつけ本番よりも。加藤君って、強くリードしてくれるタイプじゃなさそうだし」


黙っていた麻理が口を開く。

「いいの、美由?」

「バイトはあるけど、麻理の都合に合わせられると思う」

「それなら美由の言葉に甘えようかなあ」






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肉体を盗んだ魂(30)

2016-09-06 23:08:11 | Weblog
4限目、僕と麻理は、いつものように大講義室の後方の席に座った。前期テストが近いこともあり、普段より席が埋まっている。

「あの、麻理。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「えっ、何?」

「さっき一緒に話してた男の子って誰?私、目が悪いからよく見えなかったんだけど」

「あの人?ああ、美由も知ってると思うけど、同じサークルの加藤君」

「やっぱりそうなんだ」

「私たち、つき合い始めるつもりなんだ」

「えっ」

「いろいろな人と合コンもしたけど、結局、手近なところに収まりそうなの」

「本当に加藤君とつき合うつもりなの?」

「嘘ついたって仕方ないでしょ。美由は応援してくれるよね」

終始、穏やかな表情だった麻理の瞳に、一瞬、不安が浮かんだ。僕の動揺に気付いたのかもしれない。



「勿論だよ。応援する。私は麻理の味方だから」

「ああ、よかった。私が決める事だけど、美由には賛成してもらいたかったから」

「だって、反対する理由なんて見つからないし」

「そうだよね。美由はこれからも変わらず、私の大切な友達でいてよね」

「うん、わかった」



僕は蔭を隠すように、努めて声を張って答えた。浮かび上がる絶望を、とりあえず押さえ付けなければならなかった。女にもなれない。男でもない。もはや、どこにも居場所はなかった。




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肉体を盗んだ魂(29)

2016-09-06 23:04:54 | Weblog

僕と麻理の幸せな関係は長く続かなかった。

「いま、麻理と話してる男、誰?」

「加藤じゃない?」

「ああ、加藤君みたいだね、美由どう思う?」

「私、目が悪いからよく分からない」

「でも、あの二人、いい感じじゃない?」

「付き合い始めたのかなあ?」

「そうかもしれないよ。美由どうする?」

友達の一人が僕をからかう。

「どうって。どうもしないよ、別に」

麻理の笑顔がいちいち気に障る。一刻も早く真意を確かめたい。今日の4限目の授業で、麻理と二人きりになる時間がある。そこで聞いてみることにしよう。
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