ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

名人戦第4局 豊島名人誕生

2019-05-18 08:33:35 | Weblog
昨日まで2日間に渡り行われていた名人戦第4局は豊島将之二冠が佐藤天彦名人を133手で下し、4連勝のストレートで名人奪取となりました。第4局も角換わりの出だしで、攻める豊島、受ける佐藤の展開が続きましたが最後は豊島さんがじわじわ優勢を拡大し、そのまま押し切りました。

「10で神童、15で天才、20過ぎればただの人」。もしかしたらここ数年、この言葉が豊島新名人の脳裏によぎっていたのかもしれません。周りから見れば、決してそうではないのですが、幼いころから将来を嘱望されていた豊島さんが20代後半になっても名人はおろかタイトルを一つも取れない状況は将棋界の七不思議と言えました。

去年の棋聖戦で初タイトルを獲得して以降勢いに乗り、王位戦でも勝利し二冠。そしてついに幼い日からの夢であった名人のタイトルを奪取して三冠とこの1年で一気に大輪の花が咲きました。名人を含めた三冠ですから第一人者の定義を満たしたといっていいと思います。しかしこれはあくまで格の上で頂点に立ったということで、実力では以前にも記しましたが、渡辺明二冠、こないだ初タイトルを獲得した永瀬拓矢叡王と豊島さんの3強の時代に突入したといってよさそうです。早速、次の棋聖戦で渡辺二冠の挑戦を受けることになります。

もう10年以上前になりますか。将棋番組で今は亡き観戦記者の山田史生氏がゲストの豊島さんに向かって、「あなたは若い頃の谷川さんに似ている。きっと谷川さんのような立派な棋士になれると思いますよ」と言葉をかけられた時の豊島少年の表情を思い出しました。その谷川浩司九段以来、21年ぶりに関西からの名人が誕生しました。



敗れた佐藤天彦前名人。やはり先手の第1局に千日手差し直しにしてしまった事と第3局での勝利目前に迫ったところでのミスが悔やまれます。若い頃からライバル関係にあった豊島さんに差をつけられた形になりましたが、この悔しさをもう一段強くなるエネルギーに変えていってくれればと思います。厳しいA級順位戦を勝ち抜いて、いつの日かこの名人戦の大舞台に戻ってきてほしいです。






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