ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

日本シリーズ、流れは変わるか?

2016-10-26 09:08:40 | Weblog
広島連勝で迎えた日本シリーズ第3戦。日本ハムが大谷のサヨナラヒットというこれ以上ない勝ち方でひとつ返しました。

昨日の試合、もし広島がとって3連勝としていれば、九分九厘、勝負は決したといえましたが、よく日ハムは踏ん張りました。1.5勝分の価値はあると思います。

試合を見て解せなかったのは最後の場面。9回裏、3対3の同点。二死二塁で打者は大谷。ここで広島の外野陣が、前に出てこなかったのは何故だろう?ここは是が非でもワンヒットで二塁走者をホームに返さない守備体系をとらなければいけないところでした。

広島ベンチの心理を推測すれば、「大谷には長打力がある。実際にこの試合でも黒田から右中間を破る二塁打を放っている。もし外野手を前に出して、頭上を抜かれたらどうする」ということでしょうが、確率の問題です。例え王貞治が打席に立っていようが、あそこは外野は前進守備でなければなりません。

昔に比べて個々の能力は上がりました。昔は直球が140キロを超えれば速球派でしたが、いまは150キロを越えないと速球派とはいえません。しかし、一点に対するこだわりという意味では劣化しているのかなという危惧を抱きます。広島は王シフトを考案するなど、細かい野球の先駆者的な存在であったのに、昨日の守備体系の甘さ。

理由として考えられるのは、日本シリーズが昔に比べて「日本最高峰の試合」という意識が薄れてきているのではないかという事です。ひとつにはクライマックスシリーズなるものの存在。リーグ優勝しても日本シリーズに出られない事もある訳ですから、当然、日本シリーズの価値は薄れるわけです。もうひとつはWBCなど国際試合が増えてきたことも大きいでしょう。

まあ、どちらにしても大谷、中田が打って競り合いをものにした日本ハム。短期決戦では最も重要になる流れが、日本ハムに変わりつつあります。そこを広島がどう食い止めるのか、第4戦に注目です。第7戦までもつれる展開を期待しています。

それにしても大谷君は凄い!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いつも優しさは遥か遠くに

2016-10-23 21:53:12 | Weblog
時々、「優しいね」と言われることがある

僕は薄く笑い「そうでもないよ」と返す

もし、そのようなほっそりとした、偽りのベールを纏い

人々を誤解させているなら

僕の罪はより重くなる

必死で己を守ろうとしている人間に優しさは寄り付かない



他者を想う事もないではない

しかし、それらはすべて僕につながる人だ

あの人が痛い目にあえば、自分も痛い

そうした人のみを心配するのだ

つまるところは自己愛そのもの



見返りを求めない優しさに何度か出会った

その度に、美しさに見惚れ、やがて絶望の波

僕が、優しさとかけ離れた場所に、立っている事を知らされるのだ

一生、歩き続けても到達できないような、かけ離れた場所に
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「砂の塔」に見る男女論

2016-10-17 22:00:34 | Weblog
「砂の塔」の初回視聴率は9.8%。一桁発進となりました。菅野主演で初回一桁というのは、もしかしたら「イグアナの娘」以来かもしれません。

少し前までは「初回はキャストの数字」と言われ、菅野さんもこれまでずっと結果を出してきました。それに視聴率女王・松嶋菜々子が共演ということもあり、もう少しいけるかと思いましたが。視聴者の我慢がかつては初回の30分だとしたら、今は10分程度にまで短くなっているような気がします。

ドラマを見終えてしばらくして、このドラマは女性は悪、男性は善という描き方を徹底していることに気づきました。主人公の旦那、幼馴染みの体操のお兄さん、高校生の息子。男性の主要人物はみな優しい。それに対し女性は、主演の菅野さんは別として、すべて悪として描かれています。主人公の母親すら悪だった。見なくても脚本家は女性だろうと分かります(笑)男だとあそこまで女性を悪一辺倒に描けない。

松嶋さんの場合は悪といっても、美しく、品がある描き方をしていますが、問題はその他のタワーマンションの主婦連中。同じ悪でも松嶋さんとは描かれ方が違うのです。人としての価値が彼女らのどこにあるのか、見出せなかった。

脚本家の誇張があるとはいえ、確かに一理はあると思います。彼女たちはどうして変貌してしまったのか?女性の場合、10代、20代でちやほやされます。男はただ若いというだけでは、駄目ですね。イケメンとか、仕事が出来るとか、稼ぎがいいとか、何か持っていて初めて認められるのです。

女性はただ若いというだけで、ちやほやされるが故に、最大の武器である若さがなくなっていくと、若さに変わる特別なものを持っていない限り、次の世代に取って代わられる。そこに嫉妬が生まれ、ターゲットは若い女性にとどまらず、「砂の塔」のような世界が展開されるという事でしょう。

まあ、個人的には今後、内容的にも数字的にも、しり上がりの展開を期待しています。「イグアナの娘」のように。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

幸福について

2016-10-16 23:16:52 | Weblog
よき家に生まれ育ち

よき学びの場に進学し

よき職に就き

よき収入を得て

よき人に出会い

よき家庭を築き

よき親になる




優雅に流れるような、届きようもない幸福はいつも彼方にある

しかし思うのだ

山脈のように連なる悲運の狭間で、ひっそり佇んでいる細々とした光

それが僕にとっての幸福ではないかと



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「砂の塔」初回

2016-10-15 21:02:13 | Weblog
菅野美穂が4年ぶりに主演する「砂の塔」が始まりました。松嶋菜々子との豪華競演にも注目が集まります。

率直、どろどろした陰鬱な展開とも言えますが、少し前に、同じ時間帯の(TBS金曜10時)綾瀬はるかが主演したドラマよりも、見やすかった感じはありますね。綾瀬さんのドラマも、力作ではあったかもしれませんが、見る側に体力を要するドラマで、早々と脱落しました。それに比べて「砂の塔」は視聴者を引き込んでいく力はあったように思います。勿論、拒否反応を示す視聴者も多くいたでしょうが。

厳しいですね。タワーマンションでの人間関係というのはいうのは。うん、女は怖い。このドラマはそれに尽きるのではないでしょうか。多少、誇張している部分はあるでしょうが、これに近いものが現実でもありそうな気はします。ちなみに私はパニック障害になって以来、高いところも駄目になってしまったので、階級が低くても2階でいいです(笑)

菅野さんの演技は、今回は非常に難度の高いものが要求されます。菅野さんも松嶋さんのポジションの方(悪役)が何度も演じている分、楽でしょう。今回の役どころは、体操に例えるなら、あん馬のG難度といったところですかね。地味だけど難しい。明らかに場違いな所に住み始めてしまった平凡な主婦。小市民。その戸惑いや苦悩をどうきめ細かに表現していくか?

松嶋さんが悪役を演じるのは珍しいですが、彼女の持ち味のスター性、花に例えるなら薔薇や百合。ここはうまく引き出されていたと思います。

菅野さんも薔薇百合系の演技は、里見八犬伝の玉梓など何度もありますし、現在の朝ドラの「べっぴんさん」でも可憐な美しさを披露していましたが、「砂の塔」に関しては、美しさは封印しなければなりません。野に咲く地味な花に徹することが要求されます。主役とはいえ賞賛は得にくいと思われます。しかし、彼女の持ち味である、その役に共感し、そしてなりきるという女優としての軸をぶらさずに演じれば、道は開けるのではないでしょうか。

しかし、今回のいじめられ役は菅野ファンとしては、ちょっときついですね(笑)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どうした三浦九段

2016-10-12 23:11:40 | Weblog
将棋界に衝撃が走りました。渡辺明竜王に三浦弘行九段が挑戦するはずだった竜王戦7番勝負に三浦九段が出場しない事が決まりました。

最初はどういうことかなと思いました。例えば、体調不良ならそれが理由として書かれているはずなのに、何も語られていなかった。非常に不可解だったのですが、どうやら三浦九段のスマホの不正使用のようです。彼はそういうような事をやらかす人には見えなかったけどなあ。

今は将棋ソフトの実力がプロを超えてしまって、まあそれを悪用してしまったのではないかということらしいです。将棋を知らない人にわかりやすく説明するなら「カンニング」ということになるでしょう。三浦さん本人は否定していますね。

自分も「将王」という、それほど出来の良くなかっただろう短編を、ブログに掲載したのですが、人工知能に対して、人間である棋士がどう向き合うのかが、ひとつのテーマでした。自分の書いたものとは違う方向で、棋士が人工知能に頼るという形で、このテーマが現実になってしまいました。残念です。三浦九段は今年いっぱい出場停止の処分。疑惑がはっきりすれば、この程度ではすまないと思われます。

将棋界の大きな危機といえます。こうしたことが繰り返されれば、存亡すら危ぶまれます。これから棋士は強さより、美しさや個性、そうしたものを前面に押し出すべきでしょう。「勝つことは偉いこと」の時代は、人工知能の登場により、将棋界では過去のものになるようです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ふたつの結論

2016-10-11 23:08:40 | Weblog
仮に天分を存分にいただいたとしても

平凡や普通の前には頭を下げるしかない

それがこれまで生きてきた僕の結論


時を重ねるごとに

平凡や普通の内に秘められた高貴や偉大の力に圧倒され

憧れは募るばかり


それに比べて、天分とか天性という危うさ、脆さ、弱さ

毒性すら帯びているという疑念が強くなる

時を重ねるごとに


それでも僕は才能を愛するという、もうひとつの結論を出す

いつかは枯渇する儚さ


ひと時の美にちがいない

ひと時の眩しさにちがいない

よく分かっているつもり

それでも僕は抱きしめていたい




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どうにもならないものがあるんだ

2016-10-10 21:13:10 | Weblog
記憶のない遠い朝

天からの使いとして、ふわふわと舞い降りる小さな羽は

触れられるほどの間近に至福の太陽を浴びて

神々しく輝いていた



祝福の中、緩やかに下降する天の子ら

彼らは例外なく、柔らかな笑顔を浮かべていた



努力だけでは、どうにもならないものがあるんだ

才能だけでは、どうにもならないものがあるんだ

強さだけでは、どうにもならないものがあるんだ

優しさだけでは、どうにもならないものがあるんだ

金でも、腕力でもどうにもならないものがあるんだ







黒ずんだ物体が緩やかに下降し、やがて土の中に埋まっていく

ひとつ、そしてまたひとつと

人々は嫌なものを見てしまったとばかりに、顔をしかめ、足早に通り過ぎていった










コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NHK朝8時台が菅野であふれた

2016-10-06 23:02:10 | Weblog
今日は10月スタートの朝ドラで主人公の母親役、ならびに語りを担当している菅野美穂が、後番組の「あさイチ」にも出演した。

まずは有働アナのお馴染みの涙からスタート。菅野さんの姿は出産後前と変わらないように見えた。かつて自らも朝ドラのヒロイン、まあ、菅野さんの「走らんか」は男性主演で中江有里とダブルヒロインという形だった。だから菅野さんは今回のヒロインを気遣っていた。「芳根さんは、私よりもはるかに大変だろう」と。

最近でこそ実績のある知名度の高い若手女優が、主演することも多くなったものの、やはり朝ドラは女優の甲子園。菅野さんもまさに淑徳与野高校3年の時に、その土を踏んだ。

「走らんか」で演出を担当していた方がコメントを寄せた。「この感情は5段階でいうとどれぐらいで表現したらいいですか?」など熱心に質問してきたという。そして「憑依型の天才肌の女優」と評していた。菅野さんは少し恐縮した様子だった。思えば中江さんもクレバーな人だから、女優・菅野美穂を間近で見て、どうにもならないものを感じたのではないでしょうか?そして彼女も女優以外の方向に、活動の場を求めていったのかなあと想像します。

8ヶ月にわたる撮影。大阪に向かう新幹線では泣いていたという。「友人は10年後を考え、受験勉強しているのに、自分で望んだこととはいえ、私は必死で目の前の台詞を覚えて」と懐かしそうに語る。そして21年を経たいま、菅野さんは小さな息子さんを連れて、朝ドラの撮影のため大阪へ向かう。

10代の終わりから、20代のはじめ位は精神的につらかったと話した。「19歳ぐらいの時はやさぐれていましたね」と話した。これはかつて「定本・菅野美穂」という本の中でも語っています。「そうした思いがあの写真集、私、写真集出してるんですけど」。ここまでリップサービスしてくれました。まあ、これも人それぞれですが、菅野さんのような繊細な人が、18,9歳で急速に世間に知られていくのは、きついものがあるのかなあと推測します。

子育ての話、憧れの女優、和久井映見からのコメント「頭の回転がものすごく速い。どこでスイッチが入れ変わっているのか分からない」と流れ、最後は有働さんらに促され、ヨガのポーズをとることに。終了間際に発した言葉が「明日もあさイチ、見てね」。それは違うんじゃないかな。べっぴんさん見てねじゃないのかな(笑)

菅野美穂は昔と変わっていない。クレバーで、感謝があり、周りの人々への気遣いを忘れない姿勢。そして役に向き合う真摯な姿勢も何ら変わらない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする