ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

王将戦第5局 藤井が羽生を降し、防衛に王手

2023-02-27 11:44:59 | Weblog

王将戦第5局は、藤井聡太王将が羽生善治九段を制し、3勝2敗として初防衛に王手をかけました。

 

それにしても激戦でした。1日目が終了した局面は、藤井やや指しやすいかに見えました。事実、藤井王将はその後も厳しい攻めを継続し、羽生九段との差を広げていきました。

しかし、次第に羽生九段の老練な指し回しに翻弄されたのか、藤井王将の指し手に狂いが生じ、最終盤で羽生九段が藤井陣奥深くに放った飛車打ちで、9割方、羽生勝ちに見えました。実際には羽生九段が優勢とはいえ、まだ難しかったようです。羽生さんも確信を持っている訳ではなかった。

今度は羽生九段が迷った末、守りの手を指したのが良くなかったようで、最後の最後で藤井勝ちになりました。

終局後、藤井王将は腕の力でようやく立ち上がったそうです。疲労困憊。それほどの激戦でした。羽生さんは藤井君に勝負の厳しさを教えていますね。藤井君もこの経験を力に変えて欲しい。

 

第6局が大一番になります。羽生九段が先手なので、藤井王将が時間を使う苦しい将棋になると思います。しかし、藤井王将がこの将棋をものにできず、最終局までもつれると、このシリーズの充実度からいって、羽生九段が有利と見ます。

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青い地球(ささきいさお)

2023-02-24 11:43:46 | Weblog

目を閉じて思い出す

母さんの面影

遠く離れた青い地球よ

安らかに眠れ

メーテル

またひとつ星が消えるよ

赤く赤く燃えて

銀河を流れるように

銀河を流れるように

 

先日、漫画家の松本零士さんが亡くなりました。巨星が落ちました。

数々の名作がある中で、僕は「銀河鉄道999」が好きでした。

改めて大人になってから見直すと子供の頃とは随分、印象が違いました。こんなにも深い作品だったのかと。

 

あとは鉄郎とメーテル。僕はアニメのヒロインにはほとんど興味がないのですが、メーテルは例外です。切れ長の目にミステリアスな雰囲気。メーテルはいい。

 

そろそろ歌詞の方にも目を向けます。

作詞は橋本淳。「青い地球」は銀河鉄道999のエンディング曲です。ささきいさおさんが包容力のある声で歌いあげています。

 

「目を閉じて思い出す、母さんの面影」

すでに鉄郎の母が、この世にいないことを示しています。

「遠く離れた青い地球よ、安らかに眠れ」

今の時代に聴くと重く響きます。

「メーテル、またひとつ星が消えるよ」

鉄郎はよく「メーテル」と呼びかけていましたね。いまも耳に残ります。

「赤く赤く燃えて、銀河を流れるように」

星の爆発の眩しさを美しく表現しています。永遠の命を手に入れるため、メーテルと宇宙を旅する鉄郎に、星にさえ死が訪れることを教えているようです。

 

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傍観者

2023-02-21 11:19:49 | Weblog

高校3年の教室

体の大きな男が

男子生徒の胸ぐらを掴み

壁に押し付けている

そして殴る、蹴る

僕は後ろの席から、それを見ていた

一方的な暴力というのは

気持ちのいいものではない

小柄な男子生徒を覆うように背を向けて

痛めつけているのは僕らの担任教師だ

 

暴力は日常的だった

おおよそ、ターゲットは同じ生徒だ

クラスメートは黙って俯いている

僕はこの教員免許を持った、悪質趣味の男に

勝てるだろうかと考えていた

体格では彼に劣るが

不思議と負ける気もしなかった 

 

しかし、僕の足は行動しなかった

無事に卒業したかった

この檻から出れば、あとは自由なんだ

男子生徒は「あんな奴、俺が本気になれば軽い」

そんな捨て台詞を残して退学した

 

あの中退少年は、今も心の奥底に

あの暗黒を引きずっているのか

それとも時の薬で治癒したか

はっきりしているのは

僕が傍観者ということだけ

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コイスルオトメ(いきものがかり)

2023-02-16 12:47:58 | Weblog

募る思いを打ち明けた

大きく頷いてくれた

初めて握る左手は

あたしよりも震えていた

 

恥ずかしがり屋の貴方は

いつもやたらと早足で

スキがあればじゃれつこうと

たくらむあたし悩ませた

 

「運命の人よ」「白馬の王子様よ」

貴方はまた照れて聞き流すけど

カンジンなことは ちゃんと伝えて欲しいんだ

どうしようもないくらいに好きだから

 

ゆっくりとゆっくりと あたしを抱きしめて

微笑む貴方の鼓動はリズム

好きだよ大好きだよ 何時までも一緒

恋する貴方には あたしだけなの

 

作詞は水野良樹。いきものがかりのほとんどの曲は水野さんが作っている事は知っていましたが、この曲の歌詞はボーカルの吉岡聖恵が書いたのではないかと思っていました。ところが調べてみると水野さんでした。

 

「募る思いを打ち明けた。大きく頷いてくれた」

随分とラッキーボーイだと思うんですよ。女の子から告白されて、大きく頷いているだけですから。ただ、少し過ぎましたが、バレンタインデーだったとの仮説を立てると、しっくりくるような気がします。

 

「恥ずかしがり屋の貴方は、いつもやたらと早足で」

大抵、少年は少女に対してシャイです。

 

「運命の人よ、白馬の王子様よ」

これは随分、大きな表現で、からかわれているのでは、と疑ってしまいます。ただ、その後「カンジンなことは、ちゃんと伝えて欲しいんだ」との要求。これは男子としては伝えなきゃいけない。

 

「すきだよ、大好きだよ、何時までも一緒。恋する貴方には、あたしだけなの」

本当にストレートですね。この乙女心を水野さんが見事に書き上げました。

水野さんは吉岡さんを輝かす魔法を使えるのだと思います。

 

いきものがかりが世の中に知られて15年以上が経ちました。彼らの曲には青春の匂いがしていた。そして時は流れ、メンバーも中年に差し掛かりました。

 

現在、水野さんは幅広い世代、ジャンルのアーティストに楽曲を提供しています。彼の才能ならば引く手あまたでしょう。

上白石萌音の「夜明けをくちずさめたら」は、水野さんらしい曲調で、上白石さんの歌唱力も手伝って、素晴らしい出来に仕上がっています。

ただ、水野さんは吉岡聖恵を輝かす魔法を持っている。大人の吉岡さんの新たな魅力を引き出してもらいたいです。

 

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小山アマ、プロ編入試験合格 歴史的快挙でプロ棋士に

2023-02-14 11:50:23 | Weblog

昨日、小山怜央アマがプロ編入試験第4局で横山四段に勝利し、3勝1敗で合格となりました。4月1日付で四段となり、プロ棋士としてデビューします。また、プロ棋士養成機関の奨励会を経ずに棋士となるのは戦後初の快挙です。岩手県出身の棋士も小山さんが初となります。

 

将棋は盤上では運の要素が少ない競技だと思います。しかし、盤の外になると運の要素が大きく、藤井竜王のような棋士になるべくしてなったような天才でもお婆様の薦めがなければ、おそらく将棋界にはいなかったのではないでしょうか。

 

その意味では小山さんは地に恵まれてなかった。岩手は大谷翔平選手はじめ、野球は凄いですけどね。将棋に関しては不毛の地で、強い練習相手を探すのが大変だったのではと想像します。そのため才能はあっても、上達させることが難しかったのでしょう。しかし、AIの登場で強い練習相手は必要なくなり、眠っていた能力が呼び覚まされていったのだと思います。

よって、今後は奨励会を経なくても、プロ並みの実力が持てることを小山さんが証明したのかもしれません。

 

また、小山さんは東日本大震災の被災者でもあります。そうした生活の中でも、「将棋のゲームばかりしていた」と話していました。将棋が心の大きな支えになったのでしょう。それから12年後の快挙でした。

 

好きな駒は角。終盤が強い。昨日の将棋も綺麗な詰め方でした。誰かに似ていますね。近い将来、藤井君とのタイトル戦も期待したいです。

29才のオールドルーキーに幸あれ。

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王将戦第4局 羽生が勝ち、2勝2敗のタイに 流れは羽生へ

2023-02-11 09:35:40 | Weblog

王将戦第4局、羽生九段が勝ちました。内容は羽生九段が藤井王将を圧倒したと言っていいでしょう。藤井王将は変調ですね。

 

勝負を方向づけたのは、藤井王将の封じ手だったと思います。羽生九段の桂馬のただ捨ての王手に対し、藤井王将の選択肢は実質二つ。一目、玉で取るのが自然ですが、実はそれは危険な変化が含まれていて、かといって、銀で取るのも次の羽生九段の厳しい手が見えるので難しいところです。

しかし、本来の藤井王将の力を持ってすれば、30分、長くても1時間あれば、自分がよくなる方を選べたはずです。実際にこの一手にかけた時間は、2時間20分以上。これは相当迷っているなと思ったので、間違える可能性は高いと見ていました。

他のプロ棋士の見解は揃って同銀。「藤井聡太がここで間違えるはずがない」と考えていたのでしょう。

しかし、封じ手は同玉。ここから形勢は一気に羽生九段に傾きました。

 

実は第2局でも同じようなことがありました。藤井王将が飛車で王手をかけたのですが、それが疑問手でした。普段の藤井君なら目をつぶっていても飛車を正しい場所へ打てたはずです。

とにかく藤井君は本来の将棋を取り戻さないと、厳しいですね。

 

何故、そのような手を指してしまうのか?僕の個人的な見方ですが、藤井君は羽生さんに対して意識過剰になっていると思います。

ひとつには、羽生さんの研究の深さ。これが藤井君の想定を超えていたのだと考えます。

もうひとつは、藤井君が将棋を覚えた頃、羽生さんは将棋界の顔でした。将棋が上達するにつれて羽生さんを倒すことが具体的な目標になっていき、そしてこの大舞台で目の前に羽生さんがいる。肩に力が入っても仕方ないのかもしれません。

 

対する羽生さんですが、僕は想像を超える研究をしてくると考えていました。何故、羽生さんがそうした研究が可能なのかと言えば、将棋に対する探求心の強さだと思います。自分だけの将棋の世界に吸い込まれていくようなイメージを僕は昔から持っていました。

このままの流れでいけば藤井聡太を倒しての通算タイトル100期。ただ羽生さんとしては「人事を尽くしてて天命を待つ」心境ではないでしょうか?

 

 

 

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レムスイミン

2023-02-10 11:40:32 | Weblog

上質な曲にもたれ掛かり

瞼を閉じる

昨日は在った

今日も在った

明日はあるだろうか?

あるとしたら美人だろうか?

今日だって、それほどのものではなかった

 

暗闇がぼんやりさせてきたことを研ぎ澄ます

「これまで最も好きだったのは誰なのか」と追及される 

初恋から10年過ぎた頃のあの人だ

何もかもが許されるのならば

今も一緒にいたかもしれない

許されないと知っていたから別れたのだ

その後、彼女が結婚したならば

相手は運命から許可を得た人なのだ

 

今は誰が好きか?

大谷翔平や藤井聡太か

随分と遠い空を見ている

白み始めた

光が部屋に射し込む

明日は新しい今日となり

昨日となった今日は

散らかった過去へ溶けていった   

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棋王戦開幕

2023-02-06 11:24:58 | Weblog

棋王戦が開幕しました。第1局は挑戦者の藤井五冠が渡辺棋王に先勝しました。

 

個人的に印象に残ったのは、渡辺棋王が桂馬で金取りをかけた局面です。藤井玉を守っている金なので、このまま取られてしまえば厳しい。かといって逃げ場所も難しく、下へ引くぐらいかと思いましたが、左上に金が移動しました。これは気づきにくい手です。金でなく銀なら自然なのですが。

 

しかし、この手が勝敗を分けたのではないでしょうか。AIも最善手に推奨していました。

次にこの金がさらに上がって渡辺棋王の馬とぶつかり、結局は馬と金を交換する展開になりました。ここまで進むと藤井優勢がはっきりしてきました。

最終的には藤井五冠が粘る渡辺棋王を振り切りました。

 

ところで、この棋王戦、先手後手を決める振り駒で珍しいことがありました。歩を5枚振って表裏2枚ずつ、残る1枚は縦に横に立ってしまい、3回目でようやく藤井五冠の先手に決まったそうです。

確率的には相当低いと思うのですが。振り駒役の記録係も冷や汗が出たかもしれません。

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