「ええと、プリント持ってきてもらえましたか?」
「あっ、はい」
彼女はバックから数枚のプリントを取り出した。数枚といっても種類としては2つに分けられる。
「ではまず、2週間分の生活記録の方から見せてもらいますね」
「はい」
Uさんが2枚の用紙を僕に差し出す。
「うん。前回よりだいぶ不安の数字が下がっていますね」
「はい、そうですね。この2週間は比較的・・・」
生活の場面、場面での不安堵を0から100まで患者の自己判断で書いてもらっている。
「ええ。前回は70、80という数字が結構ありましたが、今回は60という数字がひとつあるだけで、後は高くても50で収まっています」
彼女はかすかに頷いた。
「ではもう一枚のプリント、認知行動の方をお願いします」
「ああ、あまりうまく出来ませんでしたけど」
Uさんの声は消え入りそうだった。
「いや、全然構わないんです。これはなかなか難しいですから」
僕は冷めかけた紅茶をすすった。このプリントには縦軸に出来事と感情、横軸に認知と行動が記されている。一枚目のプリントには「出来事はエレベーターに乗ろうとした。感情は恐怖、不安。認知は空欄で、行動はエレベーターには乗れず階段を使った」と丁寧な文字で書かれていた。パニック障害の典型的な症状と言える。
「あっ、はい」
彼女はバックから数枚のプリントを取り出した。数枚といっても種類としては2つに分けられる。
「ではまず、2週間分の生活記録の方から見せてもらいますね」
「はい」
Uさんが2枚の用紙を僕に差し出す。
「うん。前回よりだいぶ不安の数字が下がっていますね」
「はい、そうですね。この2週間は比較的・・・」
生活の場面、場面での不安堵を0から100まで患者の自己判断で書いてもらっている。
「ええ。前回は70、80という数字が結構ありましたが、今回は60という数字がひとつあるだけで、後は高くても50で収まっています」
彼女はかすかに頷いた。
「ではもう一枚のプリント、認知行動の方をお願いします」
「ああ、あまりうまく出来ませんでしたけど」
Uさんの声は消え入りそうだった。
「いや、全然構わないんです。これはなかなか難しいですから」
僕は冷めかけた紅茶をすすった。このプリントには縦軸に出来事と感情、横軸に認知と行動が記されている。一枚目のプリントには「出来事はエレベーターに乗ろうとした。感情は恐怖、不安。認知は空欄で、行動はエレベーターには乗れず階段を使った」と丁寧な文字で書かれていた。パニック障害の典型的な症状と言える。