純白のウエディング姿の新婦に見とれていたかったが、藤沢の投げやりで、淋しげな表情が気になっていた。テーブルに頬杖をついて、彼の様子を伺っていた僕に、司会者から声がかかった。
「ええ、ここで高校時代からの新郎新婦のご友人である、友人代表の坂木誠さんのご挨拶です。坂木さん、よろしくお願いします」
僕がマイクの前に立つと、まばらな拍手が起こった。白けた結婚式。緊張することさえ忘れてしまった。
「新郎、新婦とは高校3年の時のクラスメイトです。私にとって二人は憧れでした。同い年ではあるのですが、兄と姉のような存在でした。その想いは今も何ら変わりません。藤沢君、結婚おめでとうございます。藤沢君は勉強も運動も抜群で、ご覧の通りの美男子です。でも、私が最も彼の好きなところは、そこではなく内面です。凄く、真っ直ぐで優しい男です。
有紗さん、おめでとうございます。有紗さんもまた群を抜く美少女で、勉強も運動も得意でした。藤沢君同様、私に限らずクラスメイトの憧れでした。しかし、有紗さんの美しさは、外見だけではありません。努力を惜しまないひた向きさに、もうひとつの美しさがありました。
私には2つ年下の妻がいます。藤沢君には可愛がってもらいました。だから、これからは親友であり、兄弟のような関係を、妻も含めて作れたらと勝手に考えています。そしてずっと先の話ですが、これから思い出をたくさん作り、おじいさん、おばあさんになった時、のどかな場所で、語り合い笑い会えたら、これ以上の喜びはありません。
藤沢君、有紗さん、改めてご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに」
僕は二人に向かって頭を下げ、自らの席に引き上げた。有紗が頭を下げて応じ、藤沢は笑ったように見えた。白川さんは少し涙ぐんでいた。
「ええ、ここで高校時代からの新郎新婦のご友人である、友人代表の坂木誠さんのご挨拶です。坂木さん、よろしくお願いします」
僕がマイクの前に立つと、まばらな拍手が起こった。白けた結婚式。緊張することさえ忘れてしまった。
「新郎、新婦とは高校3年の時のクラスメイトです。私にとって二人は憧れでした。同い年ではあるのですが、兄と姉のような存在でした。その想いは今も何ら変わりません。藤沢君、結婚おめでとうございます。藤沢君は勉強も運動も抜群で、ご覧の通りの美男子です。でも、私が最も彼の好きなところは、そこではなく内面です。凄く、真っ直ぐで優しい男です。
有紗さん、おめでとうございます。有紗さんもまた群を抜く美少女で、勉強も運動も得意でした。藤沢君同様、私に限らずクラスメイトの憧れでした。しかし、有紗さんの美しさは、外見だけではありません。努力を惜しまないひた向きさに、もうひとつの美しさがありました。
私には2つ年下の妻がいます。藤沢君には可愛がってもらいました。だから、これからは親友であり、兄弟のような関係を、妻も含めて作れたらと勝手に考えています。そしてずっと先の話ですが、これから思い出をたくさん作り、おじいさん、おばあさんになった時、のどかな場所で、語り合い笑い会えたら、これ以上の喜びはありません。
藤沢君、有紗さん、改めてご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに」
僕は二人に向かって頭を下げ、自らの席に引き上げた。有紗が頭を下げて応じ、藤沢は笑ったように見えた。白川さんは少し涙ぐんでいた。