「もしもし、坂木君。有紗だけど」
「ああ、久しぶりだね」
そう言いながら、僕は妻子のいる部屋から出ていった。
「いま、大丈夫かな?」
「うん、大丈夫だよ。何かあった?」
僕は有紗の声色から異変を感じ取った。
「それが、言いにくいんだけど」
「うん」
「藤沢が、孝志さんがね、死のうとしたんだ」
「えっ」
どういう状況なのか、こちらから聞く勇気がなかった。
「3日前なんだけど」
「何で知らせてくれなかったの?」
「だって亜衣ちゃんが大変な時だと思って。お子さん、生まれた?」
「うん。男の子。亜衣も元気だよ」
僕の鼓動は高鳴っていた。
「よかったね。おめでとう」
「ありがとう。それより孝志は大丈夫なの?」
「何とか、容態は安定した。昨日まで集中治療室にいたんだけど、いまは一般病棟に移された。でも、まだ意識が戻らないんだ」
「えっ?意識が・・・」
頭が真っ白になりそうだった。
「うん。先生が言うには、意識が戻るかは判断が難しいみたい。大量の睡眠薬とアルコールで自殺しようとしたんだ」
「そうか・・・。大変だったね。有紗さんひとりで」
僕はようやく彼女を気遣う言葉を絞り出した。
「ああ、久しぶりだね」
そう言いながら、僕は妻子のいる部屋から出ていった。
「いま、大丈夫かな?」
「うん、大丈夫だよ。何かあった?」
僕は有紗の声色から異変を感じ取った。
「それが、言いにくいんだけど」
「うん」
「藤沢が、孝志さんがね、死のうとしたんだ」
「えっ」
どういう状況なのか、こちらから聞く勇気がなかった。
「3日前なんだけど」
「何で知らせてくれなかったの?」
「だって亜衣ちゃんが大変な時だと思って。お子さん、生まれた?」
「うん。男の子。亜衣も元気だよ」
僕の鼓動は高鳴っていた。
「よかったね。おめでとう」
「ありがとう。それより孝志は大丈夫なの?」
「何とか、容態は安定した。昨日まで集中治療室にいたんだけど、いまは一般病棟に移された。でも、まだ意識が戻らないんだ」
「えっ?意識が・・・」
頭が真っ白になりそうだった。
「うん。先生が言うには、意識が戻るかは判断が難しいみたい。大量の睡眠薬とアルコールで自殺しようとしたんだ」
「そうか・・・。大変だったね。有紗さんひとりで」
僕はようやく彼女を気遣う言葉を絞り出した。