映画さんぽ シスタマゴの徒然日記

映画大好きな姉妹が、最近観た映画のレビューや日々の出来事を気の向くままに綴っています♪

マジカル・ガール

2016年06月20日 | 映画
第62回サンセバスチャン国際映画祭作品賞と監督賞を受賞したしたドラマ。白血病に侵されたまな娘の望みをかなえようとする父親の奔走が、思わぬ事態を引き起こします。



映像的に、とても凝った作りの映画であると思いました。

娘の大好きなアニメ『魔法少女ユキコ』のコスチュームを手に入れるために奔走する父親のほのぼのした物語…ではありません

どこか精神が不安定な女性バルバラと、昔バルバラの教師だった男性もからんで、物語は意外な、というより予想できない方向に進んで行きます。

ただ、この映画はその人物の背景を極力描こうとしていないために、“過去に一体何があったのか”“ここで何が行われているのか”がわかりません

説明するまではいかなくても、せめてほのめかすぐらいはしてもいいのにと思ってしまいました。

元教師のダミアンが刑務所に入っているのだけど、過去にバルバラと何かあったらしいとは想像できても、何があったのかがまったくつかめないので、ダミアンの行動に今一つ納得ができないのです。

ラストまでに明らかになるか?と期待していたものの、もやもやを残したまま終わってしまい、今でももやもやしています



それでも、ダミアンの心の動きをパズルのピースに象徴するところなど、巧いなと思わせるところも多々あります。
(棒付きキャンディーの飴の形が魔法の杖と同じ形なのも何かの象徴なのかも)

『魔法少女ユキコ』を初め、日本的なアイテムがちょくちょく出てきます。
アニメの主題歌は長山洋子さんのデビュー曲。(これがすごく印象的ですね)
ネットの検索サイトが“RAMPO”
これは、黒蜥蜴の歌が流れることからも、“江戸川乱歩”から取ったのでしょう。
酒のラベルには“SAILOR MOON(セーラームーン)”の文字。
単に監督が日本びいきだからなのか、それともやはり深い意味があるのかわかりかねますが。

説明不足なところは気になりますが、それさえもこの映画の味なのだと言える人には傑作映画であるかもしれません。気になる方はぜひ観てみてください。

ところで、この父親は娘にコスチュームをプレゼントしたいと言って、有名デザイナーの一点物を買う必要が果たしてあったのでしょうか?
子供にしたら、たとえ安物の既製服だったとしても喜んだのじゃないかと思ったのですが。
なんてことを言ったら、身も蓋もない話ではあるんですけどね
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする