行ってきました、今夏最大の期待作
『GODZILLA ゴジラ』
ハリウッド前作のローランド・エメリッヒ版『GODZILLA』の反省(?)をふまえたのか、今回のゴジラはほぼオリジナルに近い姿(ちょっと太めだけど)
果たして、ギャレス・エドワーズ監督のゴジラは如何に?
ゴジラの姿がなかなかスクリーンに出てこない…まるでスピルバーグの『ジョーズ』を思わせる演出だけど、これって、エドワーズ監督の前作
『モンスターズ/地球外生命体』と似たような演出なんですね。
というより、全体的な雰囲気が
『モンスターズ/地球外生命体』ゴジラ版という感じでした。
モンスター(ゴジラ)が主役ではなく、主役はあくまで人間たち。
モンスター(ゴジラ)が現れた時の、人間たちのさまざまな行動を描いているといった方が近いかも。
それでも、いよいよゴジラが出現するぞ~
とわくわくし始めたのだけど、ゴジラだと思っていた怪獣は…意外にも、(※ここから若干のネタバレです)
ゴジラではなかった!!
えぇ~!?何~?この怪獣。ゴジラ以外の怪獣が出るなんて、
聞いてないよ
なんと、その怪獣はまるでカマキリのようないでたちの
ムートーという生物。
オス、メス一体ずつおり、二体で愛情表現をするところは、やはり『モンスターズ/地球外生命体』を思わせるのでした。
(巨大な生物のいちゃいちゃが好きなのか?この監督は)
てっきり、ゴジラvs人間だと思い込んでいた私たちにとって、この第三の怪獣は予想外で、ここらへんでかなり「あれ、あれ?これってどういう映画?」と思ってしまったことは否めません。
ゴジラに街を破壊される人間たちの戦いを予想していただけに、街を破壊するムートーと戦う人間、それに加勢(?)するゴジラ。この関係には大いに戸惑ってしまったのでした
これは日本の『ゴジラ』のハリウッド版というよりも、そのあとにいくつも作られた
『ゴジラ対○○』という映画のハリウッド版でしょう。
思い返せば、ゴジラは街を積極的に破壊していないんだよな~…(ムートーと戦った結果いろいろ壊してるけど)
この映画に対するゴジラの位置は
ヒーローであって、決して戦うべきモンスターではないのです。
いや~、
度胆をぬかれました(いろんな意味で)
アメリカ人が「ガッズィーラ」という発音をする中、「ゴジラ」という正しい日本語で名前を呼んでいた渡辺謙さんがよかったです。
この人も大物になりましたね~。昔『タンポポ』でトラックのにーちゃんをやってた人と同一人物とは思えない(笑)
そういえば、宝田明さんが出るという情報を聞いたので探していたのですが、見つかりませんでした。
エンドクレジットには
“Japanese immigration agent”(入国審査官)役で“宝田明”という名前はあったのですが、どこに出てたのか…と後で調べたらカットされたようです
ジュリエット・ビノシュも、こんな映画に出るなんて珍しい~と思ってたら、早々に退場と、なかなかに俳優さんの贅沢な使い方をしているようです。
というわけで、これから観に行く人は、『ゴジラ』ではなく、
『ゴジラ対ムートー』を観に行くつもりでいましょう。
少なくとも、それが最初からわかっていれば、途中で混乱することはなくなるはず
日本でも『ゴジラ対○○』という映画がいくつもあったけど、その時の人間側の状況をリアルに描いたものは多くなかったはず。怪獣たちの戦いの下で、人間たちはどういう状況になっているのかに興味がある方には、お薦めです。
ただ、それが『ゴジラ』映画かといわれたら、それはわかりませんが…
いくら、姿がイグアナの出来損ないであろうと、『ゴジラ』映画としては、ローランド・エメリッヒ監督の『GODZILLA』の方が、純粋に楽しめる怪獣映画なんじゃないかなと思う私たちでありました。