<ストーリー> 映画.comより抜粋
自由奔放に生きてきた作家のエバは子どもを授かったことでキャリアを捨て、母親として生きる道を選ぶ。
生まれた息子はケビンと名づけられるが、幼い頃からエバに懐くことはなく、反抗を繰り返していく。
やがて美しい少年へと成長したケビンは反抗心をますます強めていき、それがある事件の引き金となる。
ネタバレしているところがあります。ご了承ください。
本編を観る前から“怖そう~”という思いはあったのですが、実際には生々しい映像はなく、血が映るところもほとんどありませんでした。
その代わり、血を思わせるような映像(ペンキやつぶれたトマト、Tシャツの模様etc)があり、他にも意図的に使っているんだろうと思われる“赤”が全編にわたって散りばめられていました。
そのためか、観ている間ずっと不安や恐怖を感じるような不気味さあったのは確かです。
また、この作品は、起こっていることを直接に説明することはなく何らかの形で“ほのめかす”ことに徹しています。例えばモルモットの行方、事件現場の描写、ケビンが食べるライチ(←あるモノを連想させる)、母の現在の状況など。
こういう風に撮っているってことはそういうことか…と観客自らが気付かないと大事な意味を逃してしまうことにもなるので、観る側としての感性も重要になってくるな…なんて思いました。
ケビンの母に対する反抗は凄まじいもの。
それも生まれついた時から始まり、ものがわかってくるとさらに母を精神的に追い詰める嫌がらせのようなことを繰り返す。
ケビンにそこまでさせる、そもそもの原因は…?ということは明示していないけれど、生まれる前の子ども・妊娠に対する気持ちから、と受け止めていいのではないでしょうか。
(実際にこういうことはあり得ないとは思いますが)
ある日、母を苦悩に陥れるため自ら事件を起こしてしまうケビンでしたが、果たして彼は母に対して憎悪の気持ちしか持っていなかったかといえばそうでもないように思います。
体が弱っている時はいつもになく母に甘えたり、書店前で母が書いた本を眺めていたり…ふとそんなこともありました。
自分も意識していない心の深い部分で、やっぱり母を求めていたのではないでしょうか。
母は母で事件以来引越しもせず、すっかり変わってしまった周りの目と環境にひたすら耐えて生活していますが、こうなってでも息子を見捨てないでいることに驚きます。
(ケビンの残酷な本性(?)に初めて気づき、その後すぐに逃げ腰になる父とは対照的でしたね。)
そして、いつケビンが帰ってきてもいいように家の外も中も整え、彼が着ていたTシャツにアイロンをかけ、それをたたんでしまっておく…。
一見、何気ない母の動作ですが、それひとつひとつに息子への思いがこもっているのが伝わってきました。
そして、ラストでのケビンの台詞。
彼の中で何かが変わってきた姿に救いを感じました。
これから、この母と子に少しずつ希望が見えていくのでは…そんな予感が嬉しかったです。
ケビンを演じる子役から少年まで誰もが素晴らしかったけれど、幼少期(2歳くらい?)のケビンは、演技ということを理解してやっているのでしょうか?
あの目つきや仕草、そんな年齢で意識して演じられるものなのか…そのあたりすごく興味あるところです。というか、ただもう、すごいとしか言えないですよね。
エズラ・ミラーは初めて見ましたが、この作品だからなのでしょうが目力がすごくて、そんな目をして心の中では何考えてるのだ?と想像するだけで怖い、そんな雰囲気でいっぱいでした。
ティルダ・スウィントンは言うまでもないですが、この役をやるにはピッタリの女優さん。気品と強さと優しさある母の、細かな感情まで見事に演じきっていたと思います。
この映画を観た日は日曜日でしたが観客は私たちを含めてたったの4人でした少なっ
ところで、上映前にいろいろな予告編が流れていたのですが、その作品のラインナップが「新しい靴を買わなくちゃ」「今日、恋をはじめます」でした…
あの…これらは「少年は残酷な弓を射る」を観に来た人たちが絶対にお金を払って観ない映画のような気がするのですが
しかも邦画ばかり…。
予告編を流すにしても、作品はもう少し考える必要があると思います~
<おまけ>
母とケビン4人の写真があったのですが、役者としてではなく、みんな役そのもののノリで写っているから、なんとなくホラーな雰囲気です…
原題:We Need to Talk About Kevin
製作年:2011年
製作国:イギリス
上映時間:112分
監督:リン・ラムジー
製作:リュック・ローグ ジェニファー・フォックス ロバート・サレルノ
製作総指揮:スティーブン・ソダーバーグ、クリスティーン・ランガン、ポーラ・アルフォン、
クリストファー・フィッグ、ロバート・ホワイトハウス、マイケル・ロビンソン
アンドリュー・オア、ノーマン・メリー、リサ・ランバート、リン・ラムジー、ティルダ・スウィントン
原作:ライオネル・シュライバー
脚本:リン・ラムジー ローリー・スチュワート・キニア
撮影:シーマス・マッガーベイ
美術:ジュディ・ベッカー
編集:ジョー・ベニ
衣装:キャサリン・ジョージ
音楽:ジョニー・グリーンウッド
<キャスト>
ティルダ・スウィントン
ジョン・C・ライリー
エズラ・ミラー
ジャスパー・ニューウェル
ロック・ドゥアー
アシュリー・ガーラシモヴィッチ
シオバン・ファロン・ホーガン
アースラ・パーカー
自由奔放に生きてきた作家のエバは子どもを授かったことでキャリアを捨て、母親として生きる道を選ぶ。
生まれた息子はケビンと名づけられるが、幼い頃からエバに懐くことはなく、反抗を繰り返していく。
やがて美しい少年へと成長したケビンは反抗心をますます強めていき、それがある事件の引き金となる。
ネタバレしているところがあります。ご了承ください。
本編を観る前から“怖そう~”という思いはあったのですが、実際には生々しい映像はなく、血が映るところもほとんどありませんでした。
その代わり、血を思わせるような映像(ペンキやつぶれたトマト、Tシャツの模様etc)があり、他にも意図的に使っているんだろうと思われる“赤”が全編にわたって散りばめられていました。
そのためか、観ている間ずっと不安や恐怖を感じるような不気味さあったのは確かです。
また、この作品は、起こっていることを直接に説明することはなく何らかの形で“ほのめかす”ことに徹しています。例えばモルモットの行方、事件現場の描写、ケビンが食べるライチ(←あるモノを連想させる)、母の現在の状況など。
こういう風に撮っているってことはそういうことか…と観客自らが気付かないと大事な意味を逃してしまうことにもなるので、観る側としての感性も重要になってくるな…なんて思いました。
ケビンの母に対する反抗は凄まじいもの。
それも生まれついた時から始まり、ものがわかってくるとさらに母を精神的に追い詰める嫌がらせのようなことを繰り返す。
ケビンにそこまでさせる、そもそもの原因は…?ということは明示していないけれど、生まれる前の子ども・妊娠に対する気持ちから、と受け止めていいのではないでしょうか。
(実際にこういうことはあり得ないとは思いますが)
ある日、母を苦悩に陥れるため自ら事件を起こしてしまうケビンでしたが、果たして彼は母に対して憎悪の気持ちしか持っていなかったかといえばそうでもないように思います。
体が弱っている時はいつもになく母に甘えたり、書店前で母が書いた本を眺めていたり…ふとそんなこともありました。
自分も意識していない心の深い部分で、やっぱり母を求めていたのではないでしょうか。
母は母で事件以来引越しもせず、すっかり変わってしまった周りの目と環境にひたすら耐えて生活していますが、こうなってでも息子を見捨てないでいることに驚きます。
(ケビンの残酷な本性(?)に初めて気づき、その後すぐに逃げ腰になる父とは対照的でしたね。)
そして、いつケビンが帰ってきてもいいように家の外も中も整え、彼が着ていたTシャツにアイロンをかけ、それをたたんでしまっておく…。
一見、何気ない母の動作ですが、それひとつひとつに息子への思いがこもっているのが伝わってきました。
そして、ラストでのケビンの台詞。
彼の中で何かが変わってきた姿に救いを感じました。
これから、この母と子に少しずつ希望が見えていくのでは…そんな予感が嬉しかったです。
ケビンを演じる子役から少年まで誰もが素晴らしかったけれど、幼少期(2歳くらい?)のケビンは、演技ということを理解してやっているのでしょうか?
あの目つきや仕草、そんな年齢で意識して演じられるものなのか…そのあたりすごく興味あるところです。というか、ただもう、すごいとしか言えないですよね。
エズラ・ミラーは初めて見ましたが、この作品だからなのでしょうが目力がすごくて、そんな目をして心の中では何考えてるのだ?と想像するだけで怖い、そんな雰囲気でいっぱいでした。
ティルダ・スウィントンは言うまでもないですが、この役をやるにはピッタリの女優さん。気品と強さと優しさある母の、細かな感情まで見事に演じきっていたと思います。
この映画を観た日は日曜日でしたが観客は私たちを含めてたったの4人でした少なっ
ところで、上映前にいろいろな予告編が流れていたのですが、その作品のラインナップが「新しい靴を買わなくちゃ」「今日、恋をはじめます」でした…
あの…これらは「少年は残酷な弓を射る」を観に来た人たちが絶対にお金を払って観ない映画のような気がするのですが
しかも邦画ばかり…。
予告編を流すにしても、作品はもう少し考える必要があると思います~
<おまけ>
母とケビン4人の写真があったのですが、役者としてではなく、みんな役そのもののノリで写っているから、なんとなくホラーな雰囲気です…
原題:We Need to Talk About Kevin
製作年:2011年
製作国:イギリス
上映時間:112分
監督:リン・ラムジー
製作:リュック・ローグ ジェニファー・フォックス ロバート・サレルノ
製作総指揮:スティーブン・ソダーバーグ、クリスティーン・ランガン、ポーラ・アルフォン、
クリストファー・フィッグ、ロバート・ホワイトハウス、マイケル・ロビンソン
アンドリュー・オア、ノーマン・メリー、リサ・ランバート、リン・ラムジー、ティルダ・スウィントン
原作:ライオネル・シュライバー
脚本:リン・ラムジー ローリー・スチュワート・キニア
撮影:シーマス・マッガーベイ
美術:ジュディ・ベッカー
編集:ジョー・ベニ
衣装:キャサリン・ジョージ
音楽:ジョニー・グリーンウッド
<キャスト>
ティルダ・スウィントン
ジョン・C・ライリー
エズラ・ミラー
ジャスパー・ニューウェル
ロック・ドゥアー
アシュリー・ガーラシモヴィッチ
シオバン・ファロン・ホーガン
アースラ・パーカー