富津市が18年度に破綻の恐れ[毎日新聞]という報道があって,google newsでは他にあまり報道がないようですが,ちょっと興味深いです.記事によれば,2015年度末には財政調整基金を使い果たし,2018年度に財政再生団体に転落する見通しなんだそうです.「市は1999年度に「財政非常事態宣言」を出し、行財政改革に取り組んできた。05年に宣言を解除したが、税収は落ち込む一方で、職員の人件費や福祉関係の歳出が膨らみ続けている」とのことで,なんで2005年度に解除したのかよく分かりませんが,前途は明るくないようです.
この手の記事で分かりにくいのは,「2015年度決算で実質収支が赤字に転落」とはいいつつ,地方債はここにカウントされてないということではないかと思います.総務省の決算カードを見ると,富津市は2012年度の普通会計歳入額が179.8億円なのですが,このうち地方債が25億円で,歳入の14%を占めています(臨時財政対策債7.5億円(4.2%)を含む).歳出を税や手数料や財政移転でまかなえていなければ赤字じゃんと思うんですがどうなんでしょうか.
あとよく分からないのは,記事でリンクが張られている千葉経済センター「県内54市町村の財政状況と今後の方向性について」をちらっと見ると,富津市を含む君津ブロック(木更津市,君津市,富津市,袖ケ浦市)よりも銚子市・匝瑳市・旭市や山武地方のほうが財政的には危なそうなのに,なんで富津なのかしらん,ということです.このレポートの冒頭では銚子市が昨年度に「2015年度には破綻する」と言ったとあるので,ニュースに引っかかってないだけかもしれませんが.しかし,このレポートでも富津市がとくに状況が悪いというわけでもなく(銚子市は悪いですが),むむむ,というところです.
千葉県も西と東ではずいぶん様子が違うので,首都圏に近いからと思っていると,思わぬ展開になるのかもしれませぬ.