だからちがうんだってば.

ブログ人から引っ越しました

『宇宙創成』

2011-08-04 13:26:34 | 授業ネタ
これまた遅ればせながらの『宇宙創成』を読み終わりました.訳者が文庫版へのあとがきで書いているように,ビッグバン理論へいたる宇宙理解の物語であると同時に(というよりは)科学の発展のありようを宇宙論をテーマに描いたもの,というほうが正しいかもしれません.ということで,気になった名言をいくつか.

家が石で造られるように、科学は事実を用いて作られる。しかし石の集積が家ではないように、事実の集積は科学ではない。(アンリ・ポアンカレ)

だから,大学の授業で直近の話題をぐだぐだ話してもしょうがないんですよきっと.興味を持ってもらうためには必要なことかもしれないですけど.

重要な科学上の革新が、対立する陣営の意見を変えさせることで徐々に達成されるのは稀である。サウロがパウロになるようなことがそうそうあるわけではないのだ。現実に起こることは、対立する人々がしだいに死に絶え、成長しつつある次の世代が初めから新しい考え方に習熟することである。(マックス・プランク)

対立する陣営の学会の学会員が減っていくのを見ていればいいだけなのになあ,と思ったり思わなかったり.いやどこがどうってことではないです.一般論としてねえ.

科学者というものは、自分が発案したわけでもない理論に好意を示したりはしない。(マーク・トウェイン)

もちろん,自分の論文や理論は大好きってことですか.共著になると名前を消したくなったりすることもあるようなないような.だからちゃんとやろうよほんとに.