その日記は、
その日記は、ひとつの夏がなかったかのように飛ばされていた。
晴れた日の金色の夕焼けに目を奪われて、
百日紅の白い色が比喩のように散ったことは
ほかの人にはほとんど気づかれなかった。
そして戻ってきたときには、
散歩道と芝生のあいだに花びらが落ちていて
花びらの縁はしなびて錆を浮かべていた。
その夏、私は一冊の詩集のために時間をつかってしまったが
覚えているのは私だけであると書いて
秋をはじめるのだった。
(言いたくなかったことのなかに真実があると私は書かなかった。
*
新詩集『雨の降る映画を』(10月10日発行、象形文字編集室、送料込1000円)の購読をご希望の方はメール(panchan@mars.dti.ne.jp)でお知らせください。
発売は限定20部。部数に達し次第締め切り。
なお「谷川俊太郎の『こころ』を読む」(思潮社、1800円)とセットの場合は2000円
「リッツッス詩選集」(作品社、4400円、中井久夫との共著)とセットの場合は4500円
「谷川俊太郎の『こころ』を読む」「リッツッス詩選集」「雨の降る映画を」三冊セットの場合は6000円
です。
その日記は、ひとつの夏がなかったかのように飛ばされていた。
晴れた日の金色の夕焼けに目を奪われて、
百日紅の白い色が比喩のように散ったことは
ほかの人にはほとんど気づかれなかった。
そして戻ってきたときには、
散歩道と芝生のあいだに花びらが落ちていて
花びらの縁はしなびて錆を浮かべていた。
その夏、私は一冊の詩集のために時間をつかってしまったが
覚えているのは私だけであると書いて
秋をはじめるのだった。
(言いたくなかったことのなかに真実があると私は書かなかった。
*
新詩集『雨の降る映画を』(10月10日発行、象形文字編集室、送料込1000円)の購読をご希望の方はメール(panchan@mars.dti.ne.jp)でお知らせください。
発売は限定20部。部数に達し次第締め切り。
なお「谷川俊太郎の『こころ』を読む」(思潮社、1800円)とセットの場合は2000円
「リッツッス詩選集」(作品社、4400円、中井久夫との共著)とセットの場合は4500円
「谷川俊太郎の『こころ』を読む」「リッツッス詩選集」「雨の降る映画を」三冊セットの場合は6000円
です。