詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

女がたばこを

2015-01-26 00:50:29 | 
女がたばこを

たばこを吸う女の横顔は野蛮で美しい。
この一行をどう思う?

野蛮よりも野性的の方がいい。
女がたばこを吸う、その横顔は野性的で美しい。

リバーサイドのホテル。川面の反射が、
駐車場のナンバー隠しのカーテンに飛び散る。

女は辛っぽい煙を吐き出し、人のつかった
バスタブを洗う仕事なんてもうやめてしまいたい、

そう思っている。野性的では美しすぎないか?
たばこを吸う女の横顔は破壊されたように美しい。

たばこを吸う女の横顔は憎しみのように美しい。
たばこを吸う女の横顔は醜くて強烈だ。

何度も相談して書き直したが詩にならなかった。
川面は冬の陽を、女のいないホテルに反射させている。


*

谷川俊太郎の『こころ』を読む
クリエーター情報なし
思潮社

「谷川俊太郎の『こころ』を読む」はアマゾンでは入手しにくい状態が続いています。
購読ご希望の方は、谷内修三(panchan@mars.dti.ne.jp)へお申し込みください。1800円(税抜、送料無料)で販売します。
ご要望があれば、署名(宛名含む)もします。
リッツォス詩選集――附:谷内修三「中井久夫の訳詩を読む」
ヤニス・リッツォス
作品社

「リッツオス詩選集」も4400円(税抜、送料無料)で販売します。
2冊セットの場合は6000円(税抜、送料無料)になります。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ケン・ローチ監督「ジミー、... | トップ | 須永紀子「森」、竹内新「歌... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

」カテゴリの最新記事