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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

「予告された殺人の記録」の訳文

2022-01-03 21:36:23 | その他(音楽、小説etc)

 ガルシア・マルケスの「予告された殺人の記録」。野谷文昭の翻訳で新潮社から出ている。私が持っているのは1983年4月5日の発行。
 信じられないような「誤訳」がある。バジャルド・サン・ロマンから大事な家を大金で奪われた老人が「二年後」に死亡する。しかし、翻訳では「二カ月後」になっている。「底本」が違うのかもしれないが、私のもっているスペイン語版は「2年後 dos años después」である。「dos meses después 」ではない。私の読書の手伝いをしてくれているスペイン人は、私とは違う版を持っているのだが、「dos años después」である。別の友人が送ってくれたPDFでも「dos años después」である。
 この初歩的な「誤訳」はどうして生まれたのか。
 また、「二カ月後」ならば、ストーリーの展開は違ってきたかもしれない。大騒ぎになって、バジャルド・サン・ロマンは結婚できず、したがって小説の一番の事件「殺人」が起きなかった可能性もある。
 いまはどうなっているか知らないが、問題が多い訳である。


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