goo blog サービス終了のお知らせ 

詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

天沢退二郎「四月の雨」

2018-08-14 22:31:58 | 詩(雑誌・同人誌)
天沢退二郎「四月の雨」(「文藝春秋」2018年09月号)

 天沢退二郎「四月の雨」は短い。

アクアアクアアクア
雨だ 雨が降っている
四角い雨だ
安心だ、雨が
四角い雨だ
まだ暗い、まだ
四角い雨、安心だ、
四月の雨、これが!!

アクア アクア アクア!

 何を感じる?
 「四月の雨」は「四角い雨」? わからない。「四月」と「四角」は「四」の文字が共通する、ということしかわからない。だから「四角い雨」なのか。
 アクアは「水」を指しているのだと思うが(何語を引用しているのか、わからない)、「アクア」と「雨」には、「四月」と「四角」のように頭韻がある。
 「雨」と「安心」も「あ」の頭韻。
 一方、「安心だ」「まだ」「雨だ」は「だ」の脚韻。
 「雨が」と「これが」も「が」の脚韻。
 ふーん。
 音を楽しんでいるのか。
 ても、楽しい?
 
 私は最近の若い人のことばが苦手だ。どうも「音」が聞こえてこない。だから、こんなふうに「音」が聞こえる詩はそれはそれでいいのだが、でも、よくわからない。
 この短さ(長さ?)では、「音楽」として響いてこない。
 「読みやすい」というだけで、それが詩なのか、と言われれば、そうではないと言いたい気持ちになる。

 この詩を読んで、感動して人っているのだろうか。
 感動が詩にとって重要なのかどうかわからないが。





*

評論『ことばと沈黙、沈黙と音楽』を発行しました。190ページ。
谷川俊太郎の『聴くと聞こえる』についての批評をまとめたものです。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168073455
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
ここをクリックして2000円(送料、別途250円)の表示の下の「製本のご注文はこちら」のボタンをクリックしてください。


「詩はどこにあるか」5、6月の詩の批評を一冊にまとめました。
詩はどこにあるか5、6月号注文


オンデマンド形式です。一般書店では注文できません。
注文してから1週間程度でお手許にとどきます。



以下の本もオンデマンドで発売中です。

(1)詩集『誤読』100ページ。1500円(送料250円)
嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で詩を書いています。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072512

(2)評論『中井久夫訳「カヴァフィス全詩集」を読む』396ページ。2500円(送料450円)
読売文学賞(翻訳)受賞の中井の訳の魅力を、全編にわたって紹介。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168073009

(3)評論『天皇の悲鳴』72ページ。1000円(送料250円)
2016年の「象徴としての務め」メッセージにこめられた天皇の真意と、安倍政権の攻防を描く。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977




問い合わせ先 yachisyuso@gmail.com

贋作・二都物語
クリエーター情報なし
思潮社

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 高橋睦郎『つい昨日のこと』... | トップ | 谷川俊太郎『バウムクーヘン』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

詩(雑誌・同人誌)」カテゴリの最新記事