破棄された詩のための注釈(19)
「川」は何度もあらわれた。「水」を意味していたが、「流れ」を象徴することはなかった。むしろ「停滞」や「滞留」と同義であった。それは「深み」となる場合と、「嵩」となる場合があった。共通するのは「匂い」である。「川の匂い」。「匂い」とは、詩人にとって「厚み」をもった「層」のことでもある。そこから「断面」という展開が始まり、あるとき「水のはらわた」ということばとともに中断した、その詩。
もうひとつの
「川」は、それとは別のあらわれ方をする。
木々を逆さまに映していた川が、ビルの窓を逆さまに映す。
空の色を映している細長いビルの、四角い窓を。
昔書いた川の水は、やがてビルを逆さまに映すことを知っていたみたいだ。
そうでなければ、こんなに静かな夕暮れにならない。
「川」は何度もあらわれる。
「川」は何度もあらわれた。「水」を意味していたが、「流れ」を象徴することはなかった。むしろ「停滞」や「滞留」と同義であった。それは「深み」となる場合と、「嵩」となる場合があった。共通するのは「匂い」である。「川の匂い」。「匂い」とは、詩人にとって「厚み」をもった「層」のことでもある。そこから「断面」という展開が始まり、あるとき「水のはらわた」ということばとともに中断した、その詩。
もうひとつの
「川」は、それとは別のあらわれ方をする。
木々を逆さまに映していた川が、ビルの窓を逆さまに映す。
空の色を映している細長いビルの、四角い窓を。
昔書いた川の水は、やがてビルを逆さまに映すことを知っていたみたいだ。
そうでなければ、こんなに静かな夕暮れにならない。
「川」は何度もあらわれる。