監督 チャン・イーモウ 出演 ヤン・ニー、ニー・ダーホン、スン・ホンレイ、シャオ・シェンヤン、チェン・イエ
コーエン兄弟の「ブラッド・シンプル」のリメイク--ということなんだけれど、これ、何? びっくりしてしまうなあ。中国のどこかなのだけれど、とっても変な風景。岩山に赤い模様が入っている。血の色? 荒涼としている。とても人が住んでいないような山の中なのに麺屋があって、どうも商売がなりたっている。(らしい。)道がなぜか広い。--ということは、どうでもよくて。
いや、岩山の赤い色は、どうでもよくないなあ。見逃したくない。空の色も、空気の色も。
自然(ロケーション?)は別にしても、おもしろいシーンがいっぱいある。
警察(騎馬隊)がやってくるとき、パトカーのサイレンのように音が鳴る。旗(?)のところに風車がついていて、それが音を出すのである。道を開けろ、ということらしいけれど、誰もいないじゃないか。必要あるの? わざわざ警察がこれから行くぞ、と「宣伝」している感じだねえ。
ラーメン(?)をつくるときの生地を皿回しのように回す「名人芸」。この「芸」、いったいストーリーに関係ある? ないですねえ。騎馬隊のサイレンと同じように、何の意味もない。でもね、こういう無意味が映画のいちばんおもしろいところだねえ。皿回し(?)でできた麺、それに熱いスープをかけて、一丁あがり--なんだかわからないけれどおいしそう。
いいなあ。
ストーリーというか、全体の話の流れは「観客」だけが知っていて、登場人物はいったい何が起きているかわからないままクライマックスへ突き進んで行くというストーリーの展開と、映画の細部の無意味さが、不思議なくらいにぴったりする。「息が合っている」。まあ、コーエン兄弟の「脚本」が下敷きだから、そうなるのかもしれないけれど。
悪徳警官が、「現場維持」に目配せするところも、バカみたいでおもしろい。証拠を残したくないというのが「理由」だけれど、くそ丁寧で笑えるねえ。
紙芝居(?)の登場人物の顔をくりぬいて、そこに人間の顔をあてはめ、芝居をするばかばかしい「夫婦喧嘩」は、びっくりするなあ。だれでも「現実」を「芝居」で確認したいんだねえ--なんて、哲学的(?)なことを考えてしまうなあ、私って、哲学好きかなあ、なんちゃって。
殺され、死んでいるはずの麺屋の主人が、ご都合主義的に半分生き返ったり、それを利用してユウレイ(幻想)になったり、まあ、なんでもあり、ですね。
金庫の暗証番号(?)がそろばんになっているのもうれしいねえ。アメリカじゃありえない。
何もかもが「でたらめ」なんだけれど、映像として完璧。--この矛盾した感じが、ねえ、映画以外の何物でもない。
あらゆるシーンが、映画、映画、映画、映画、映画という感じ。
ラストのラスト。
コーエン兄弟のスタイリッシュな暴力描写が中国の古い時代のもろもののもののなかで「リメイク」される瞬間--いやあ、うれしくなるなあ。吊るした革袋からこぼれる酒(水?)、落ちて砕ける陶器・食器の美しさ。
これで、
ここに豪華な音楽が重なれば最高だね。パトカーのサイレンを再現するくらいなのだから、なんとか工夫してほしかったなあ。それがあれば 100点つけてもいいなあ、と思った。
コーエン兄弟の「ブラッド・シンプル」のリメイク--ということなんだけれど、これ、何? びっくりしてしまうなあ。中国のどこかなのだけれど、とっても変な風景。岩山に赤い模様が入っている。血の色? 荒涼としている。とても人が住んでいないような山の中なのに麺屋があって、どうも商売がなりたっている。(らしい。)道がなぜか広い。--ということは、どうでもよくて。
いや、岩山の赤い色は、どうでもよくないなあ。見逃したくない。空の色も、空気の色も。
自然(ロケーション?)は別にしても、おもしろいシーンがいっぱいある。
警察(騎馬隊)がやってくるとき、パトカーのサイレンのように音が鳴る。旗(?)のところに風車がついていて、それが音を出すのである。道を開けろ、ということらしいけれど、誰もいないじゃないか。必要あるの? わざわざ警察がこれから行くぞ、と「宣伝」している感じだねえ。
ラーメン(?)をつくるときの生地を皿回しのように回す「名人芸」。この「芸」、いったいストーリーに関係ある? ないですねえ。騎馬隊のサイレンと同じように、何の意味もない。でもね、こういう無意味が映画のいちばんおもしろいところだねえ。皿回し(?)でできた麺、それに熱いスープをかけて、一丁あがり--なんだかわからないけれどおいしそう。
いいなあ。
ストーリーというか、全体の話の流れは「観客」だけが知っていて、登場人物はいったい何が起きているかわからないままクライマックスへ突き進んで行くというストーリーの展開と、映画の細部の無意味さが、不思議なくらいにぴったりする。「息が合っている」。まあ、コーエン兄弟の「脚本」が下敷きだから、そうなるのかもしれないけれど。
悪徳警官が、「現場維持」に目配せするところも、バカみたいでおもしろい。証拠を残したくないというのが「理由」だけれど、くそ丁寧で笑えるねえ。
紙芝居(?)の登場人物の顔をくりぬいて、そこに人間の顔をあてはめ、芝居をするばかばかしい「夫婦喧嘩」は、びっくりするなあ。だれでも「現実」を「芝居」で確認したいんだねえ--なんて、哲学的(?)なことを考えてしまうなあ、私って、哲学好きかなあ、なんちゃって。
殺され、死んでいるはずの麺屋の主人が、ご都合主義的に半分生き返ったり、それを利用してユウレイ(幻想)になったり、まあ、なんでもあり、ですね。
金庫の暗証番号(?)がそろばんになっているのもうれしいねえ。アメリカじゃありえない。
何もかもが「でたらめ」なんだけれど、映像として完璧。--この矛盾した感じが、ねえ、映画以外の何物でもない。
あらゆるシーンが、映画、映画、映画、映画、映画という感じ。
ラストのラスト。
コーエン兄弟のスタイリッシュな暴力描写が中国の古い時代のもろもののもののなかで「リメイク」される瞬間--いやあ、うれしくなるなあ。吊るした革袋からこぼれる酒(水?)、落ちて砕ける陶器・食器の美しさ。
これで、
ここに豪華な音楽が重なれば最高だね。パトカーのサイレンを再現するくらいなのだから、なんとか工夫してほしかったなあ。それがあれば 100点つけてもいいなあ、と思った。
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