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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(102)

2020-09-29 10:05:07 | 『嵯峨信之全詩集』を読む
隣人

その人の名が
ぼくの心のなかを水のごとく姿をとどめずに去つていく

 去っていくのは「その人」ではなく「その人の名」。しかし、人は消え去るが、名は消え去るか。名は「記憶」として残る。去っても、去っても、残る。あるいは、記憶の奥から、記憶の表、意識へと流れてくる。
 流れてくる。
 水のように。流れても流れても、水はつきない。
 「その人の名」は永遠に、「去る」という形で目の前にあらわれ続ける。





*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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嵯峨信之 未収録詩編 (102) (大井川賢治)
2024-03-17 17:07:16
この章で印象深かった1節。/その人の名は、永遠に、去るという形で、現れ続ける/。
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