詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

人はなぜ嘘をつくか

2018-03-13 07:58:18 | 自民党憲法改正草案を読む
人はなぜ嘘をつくか
             自民党憲法改正草案を読む/番外187(情報の読み方)

 2018年03月13日読売新聞朝刊(西部版・14版)の見出し。

森友文書15ページ分削除/理財局指示 佐川答弁に合わせ

 読売新聞は、あくまでも「佐川答弁との整合性」にこだわっている。この場合、「理財局指示」は「佐川指示」と同じだ。
 人はだれでも、自分のためにしか嘘をつかない。
 佐川の答弁と文書が食い違っていたとして、「理財局のだれ」が困るのか。佐川が嘘をついているといことが分かれば、理財局長としてふさわしくない。佐川の嘘をあばけば自分が理財局長になれる、と考える人がいてもおかしくはないだろう。他人の「功績」を奪ってのし上がるのではなく、他人の犯罪行為を摘発するのだから、これはやましいことでもなんでもない。

 佐川は、国会答弁が嘘だとばれると、佐川自身がどういう不利益を被ると考えたのか。クビ(懲戒解雇)になるとか、減給処分になるとか、そういうことを考えたのか。そうだとして、自分がクビにならないために、なぜ他人をまきこんだのか。15ページも削除する。小さな文言の細部を削る。そういう作業を部下にさせたのか。
 佐川個人がやった、とはだれも言っていないのだから、組織がそれに協力したということになるが、そういう嘘をつくことが、自分のためになると、他の局員が考えたというのも理解できない。
 さらに、佐川が指示してやったのなら、なぜ、もっとはやく、多くの人が声を上げないのか。野党の聴取の段階で、「佐川の指示でやらされた。改竄、隠蔽文書はこれだけある」と言ってしまえば、問題はもっとはやく進展しただろう。
 佐川の指示によっておこなわれた、ということになれば、その指示に従ったのはだれなのか。佐川の指示に従って、文書を改竄することで自分がどんな利益を得ると考えたのか。佐川に引き立てられて、出世すると考えたのか。
 佐川の後任にしても、嘘をつき続けて、だれから評価されると思ったのか。誰から「利益」となるものを受け取ることができると考えたのか。

 ここで嘘をつき続けないと出世できないと思っているのかもしれない。でも、その嘘がばれたときは、どうなるのか。
 佐川のように「辞任」させられ(解雇、だな)、退職金も減らされる。そういう成り行きが見えなくなるほど、「常識」をなくしてしまっているのだろうか。

 それにしても。
 「頭のいい人」たちというのは、なんとたくみに「他人の考えに合わせることができる人」なのだろう。学校にいたころは、「先生」が求める「答え」を「答える」。これが「百点」のこつとわかって、ひたすら自分より上の人が要求してくることに合わせる、それを先取りする。そういう「習性」が肉体にしみついてしまってほるだろう。
 これって、自分に嘘をつくことだと気づいていない。

 ふつうの人間は、他人をだますために嘘をつく。だませば自分の得になる。少なくとも不利益にはならないと考える。でも、頭のいい官僚たちは、自分をだますために嘘をつく、ということか。
 自分に自身に嘘をついてまで奉仕してくれる人だけを評価する組織というのは、不気味である。「独裁」社会である。独裁者の気に入られないと生きていけない社会が財務省という組織なのだろう。
 自殺者まで出たのに、何の反省もせずに、また嘘をつき始めている。



 コンビニで朝日新聞を買ってきた。
 大展開の報道である。そのなかで私が注目したのは、二面、

削られた「昭恵氏」

 という見出しの最後の部分。

書き換えの具体的な指揮系統に質問が及ぶと「俺に聞かないで」と明言を避けた。

 これは「知っている」、だから「俺に聞かないで」だね。
 知らないなら「知らない」と言う。あるいは「調査中」とかね。



#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


*

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