論理の強靱性も「詩」になる。
老年と若年を「果実」を中心にして対比する論理力。ここにはイギリス人の得意な自己を相対化する視力が生きている。
「一様性」と「多様性」の対比も強烈である。
「詩」はいつでも対立したもの(老人と若年、一様性と多様性)の出会い、衝突のなかから生まれる。
(引用は、梅津済美訳「ブレイク全著作」名古屋大学出版界より)
老年は静観的なものです、巡りゆく年々は
心の宝庫に果実をもたらします、
一方空(うつ)ろな若年は熱望しそれ自身の内部を
捜し回ります、そして不平を見出すのです、
それから考えることに飽きて、短気に飛び出し、
時の果実を摑まえる、経験を攻撃する、
広大な大自然の森をうろつき回る、そこでは何の限界も
設けられず、おそらくもっもと速いのが場所を取り、最も強いのが
獲物を見つけるでしょう、がやがて到頭疲れて、変わりゆく一様性、
昔からの多様性に満腹しうんざりして、
我々は坐りこんでしまいます、そして嫌悪と反感とをもって
我々のかつての喜びをうち眺めるというわけです
老年と若年を「果実」を中心にして対比する論理力。ここにはイギリス人の得意な自己を相対化する視力が生きている。
「一様性」と「多様性」の対比も強烈である。
「詩」はいつでも対立したもの(老人と若年、一様性と多様性)の出会い、衝突のなかから生まれる。
(引用は、梅津済美訳「ブレイク全著作」名古屋大学出版界より)