goo blog サービス終了のお知らせ 

詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

届いた絵はがきに、

2014-10-25 00:42:43 | 
届いた絵はがきに、

届いた絵はがきに、
「降りることのできない機械のなかに坐って、
半日をぼんやりとした眠りとこまかな振動にあずけていると、
時間を運ばれていく夢だと言ってみたくなる。
        何の迷いもなく一筆で書いた文字が絵はがきに列をつくって動いて、
「そこは遠い場所ではなく別の時間。
私の話さないことばがひしめいていて、そこへ誰かが割り込んできて、
私がすっかり壊れていく時間。予兆のように
ことばが音になって散らばっていく

あした届いた二枚目の絵はがきでは、
「観念のようにひとつの形をたもったまま動きつづけるものに運ばれていると、
肉体のなかから時間が消え、消えていく時間のなかからさらに時間が消えていく。
窓を閉じて人工の夜をつくる機内で、その単調で規則正しいリズムに
私の骨はうっとりと酔っている。

書き方をすっかり覚えてしまったかのように届くきのうの絵はがきに、
私は私を署名して私あてに投函する秋である。



*



新詩集『雨の降る映画を』(10月10日発行、象形文字編集室、送料込1000円)の購読をご希望の方はメール(panchan@mars.dti.ne.jp)でお知らせください。
発売は限定20部。部数に達し次第締め切り。
なお「谷川俊太郎の『こころ』を読む」(思潮社、1800円)とセットの場合は2000円
「リッツッス詩選集」(作品社、4400円、中井久夫との共著)とセットの場合は4500円
「谷川俊太郎の『こころ』を読む」「リッツッス詩選集」「雨の降る映画を」三冊セットの場合は6000円
です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 粒来哲蔵『侮蔑の時代』(21) | トップ | レニー・アブラハムソン監督... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

」カテゴリの最新記事