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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『OB抒情歌』(1988)(57)

2019-12-25 00:00:00 | 『嵯峨信之全詩集』を読む
* (大きな幹によじのぼりたい)

その幹から黄金虫が一匹
サハラ砂漠の太陽へむかつて飛びたつた

 「黄金虫」は嵯峨である。「よじのぼりたい」という欲望が、嵯峨を黄金虫に変える。そして、黄金虫は嵯峨の欲望にしたがって「サハラ砂漠」へ飛び立つ。ここに書かれているのは、欲望の現実である。小さな風景を描いているわけではない。
 欲望から詩を読み直せば、

駱駝は砂漠のなかを大きな数字を踏んで歩いていく
「無限」ということを考えよう

 という詩も、「歩いていきたい」「考えたい」という嵯峨の欲望だったのだ。


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