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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(78)

2020-07-15 09:04:37 | 『嵯峨信之全詩集』を読む
* (どこに頂上があり どこに麓があるか)

叫びばかりが
遠く近く山腹を廻りながら谺している

 このとき嵯峨は「山腹」にいるのか。
 具体的な「場所」を想定することがむずかしい。山腹さえも嵯峨は見ていない。どこが山腹なのか、わからない。頂上や麓と同じように「抽象」である。
 「谺」だけを認識している。しかも、その谺は「廻る」のである。
 これは「叫び」がだれにも届かない、だれのところにもたどりつかず、嵯峨のまわりを廻っているということだろう。
 これもまた抽象的な感傷である。



*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
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私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)

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