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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

改行を繰り返して(往復詩3)

2011-11-20 11:12:03 | 
改行を繰り返して    谷内修三

温めたミルクの薄皮が唇にはりついてくる(のを
とろうとして動く舌の(舌は、
いいかけたことばを、いわないことで、なぞってみるようで
(と、わたしはうつろな改行を繰り返して。(もっと改行しないと、

ガラス窓のなかに雨がとじこめられる音が暗くなる(のに
追いつけない音の(喉の、と書き直す指の(指は、
つめたく乱れる余白。
(と、こんなところで植物的な句点を打ち込み、(装飾的に、

--絵の具が足りなくなって、(ほんとうのことだよ。
筆の荒れた毛先の、さらに荒らして、かすれたままの木の枝を描いた。
(と、つまらない図画の(具象はふるえるように
                      抽象にまぎれ、

耳の縁で(狭く(ナボコフのごとくふるえている(のは(あおく透
きとおった、何かであってはならない(と、(あるいは
ひきはがされた鏡へひきかえすのではなく、
(と、わたしはうつろな改行を繰り返して。(もっと改行しないと、

                              (2011年11月18日)





八柳李花さんとの往復詩。番号の(3)は3作品目。奇数が谷内、偶数が八柳さん。八柳さんの作品はフェイスブック「象形文字編集室」に往復詩の形式で掲載。単独の形では八柳さんのサイトにアップされています。とりあえず各10回の予定で始めました。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (江夏名枝)
2011-11-23 22:51:28
あ、やっぱり楽しそう…。改行はあまりにも大きな問題です!(「改行」と聞いただけでつらくなります)”雨”が気になるのですが、話者はとても耳がいいようですね(改行にも音が?)雨に濡れているわけではなさそうですが、スクリーンに降る雨でしょうか、それとも「雨博物館」のようなものがあるのでしょうか?
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感想をありがとうございます (谷内)
2011-11-24 00:08:07
私は、詩のリハビリ中。
どんなふうにことばが動くかまだわからない。
手さぐりです。
私の作品は、八柳さんのことばに刺激をうけて動いているだけかも。
次はちょっと変わったものを狙っています。
返信する

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