藤枝市長の部屋

元気なまち藤枝づくり 北村正平のちょっと一言

被災地のガレキ処理についての考え

2012年03月01日 | ちょっと一言
本市では、東日本大震災の被災地の一刻も早い復旧・復興のために、職員の派遣をはじめ応急物資や車輛の提供など、できる限りの支援をしてきました。こうした国内外からの支援もあって、被災地は復興への道を歩み出しています。

しかしながら、被災地の復興の足かせとなっているのが、ガレキ処理の問題です。このことについて、私の考えをお話したいと思います。

東日本大震災で発生したがれきの処理は、被災した東北地方の復興のためには早急に行うことが必要です。そのため、本市としても、がれきの処理に協力していくことが必要であるとの認識に立ち、県市長会で共同歩調をとっています。

現在、本市のごみ処理は、焼津市とともに志太広域事務組合を構成して行っていますが、組合では焼却灰を埋め立てするための最終処分場を所有していません。このため、焼却灰の処理は県外の民間業者に委託しています。この焼却灰の処分にあたっては、まず受け入れ先自治体との協議を行うことになっています。しかし、現在のところ、震災がれきを焼却した灰の受け入れに理解を示している自治体はなく、「東日本大震災における災害廃棄物の広域処理については、安全基準値以内でも、排出された灰は受け入れられない」との連絡をもらっています。

実際、昨年末に志太広域事務組合の焼却灰を受け入れてもらっていた県外の処分場に、千葉県のある市から基準値を超える焼却灰が持ち込まれた影響で、その処分場に持ち込まれていたすべての焼却灰の受入れが認められず返却されました。志太広域事務組合の焼却灰には何の問題もなく、いわゆる割を食った形ですが、返却された焼却灰の処分地探しには本当に苦労しました。しかも、この焼却灰の去就までもがマスコミの注目の的になりました。

仮に震災がれきを受け入れ、志太広域事務組合で焼却した場合を考えますと、現状では、志太広域事務組合の焼却灰は受け入れてもらえず、処分することができなくなります。そうしますと、藤枝市内で発生した一般ごみの焼却もできなくなるという、大変深刻な事態を招いてしまうことが危惧されます。


このような理由から、現状では、震災がれきを受け入れ、焼却することは難しい状況です。県市長会で既に県に申し入れをしたように、今後、国・県が焼却灰の最終処分先を確保し、ごみ処理施設周辺の住民のみなさんのご理解をいただくことができれば、震災がれきの受け入れについて協力したいと考えています。

私自身も、被災地の岩手県山田町と大槌町を訪れ、その惨状を目の当たりにし、言葉を失い大変大きな衝撃を受けました。その衝撃は忘れることはできません。ですから、被災地で頑張っておられる皆様のことを考えますと、一刻も早い復興を願わずにはいられません。今後も、ガレキ処理の問題も含めて最大限の協力をしていきたいと強く思っています。