この度の東北地方太平洋沖地震は、規模の大きさだけにとどまらず、大津波の発生、しかも広範囲にわたっての被災と、いずれもこれまでの被害想定を大きく上回るものでした。
特に大津波をまともに受けた福島第一原子力発電所は、原子炉の冷却機能が停止し、炉心溶融の危機、爆発事故、放射線の漏えいなど今なお予断を許さない状況です。また、これにより、半径20Km以内の地域には避難指示が、半径20Kmから30Km圏内が屋内退避の対象となるなど、深刻な事態となっています。
半径30Km圏内に浜岡原子力発電所を抱える本市にとっても、この事態は看過するごとが出来ません。市民の皆さんも大変ご心配のことと思います。私も危機意識を持ち、このほど浜岡原子力発電所の周辺自治体の首長と議長と一緒に、浜岡原子力発電所の安全対策について、中部電力に対し以下の3点について申入れをしてきました。要約しますと、
1 浜岡原発の原子炉について、今回の福島第一原発の事故原因等を踏まえ直ちに点検を実施し、安全確保の万全な対策を実施すること。
2 住民の安全性の確保と防災対策の確立のため、安全協定締結の範囲を半径30Kmに拡大すること。
3 プルサーマル計画を含めた浜岡原発の耐震性・安全性について、徹底検証とその結果を説明し公表すること。
の3点です。
中部電力からは、「この申入れの主旨を理解した。これを真摯に受け止める。住民の皆さんが大変心配されていることも承知している。市をはじめ住民の皆さんにも十分説明していく。」との回答がありました。
この問題は、中部電力だけで解決できるものではありませんが、原子力政策を担う国に対しても、その安全対策など見直しを早急に行うよう働きかけていきたいと思います。