あっ，これ，いいわ，ライブハウスの録音らしい(笑。

甲斐バンド　ダニーボーイに耳をふさいで


甲斐バンドっていうのは，
こうゆーの。

へたくそで熱いバンドをバックに，
甲斐が

引き裂かれる思いを歌うんだよ。
あれ，

オレ，長渕がどーしたとかいってなかったっけ(笑。

これ，きんぽうげ，もっとかっこいい曲なんだけど(笑。

04甲斐バンド LIVE in 薬師寺 きんぽうげ


まあ，
バンドも長くなると，

自分たちの曲がカバーになっちゃうからね(笑。
でもなー，

もっとかっこよかったんだよ，甲斐バンドは。
こんなに物欲しげなステージじゃなかったんだよ，

見たことないけど(笑。

そうか，オレがきらいなのはごまかしている歌だったのか(笑。

そういうことらしいな。
こんな，もう明け方になるまで

えんえんと自分と問答していてやはり飽きない(笑。
では，オレがきらいな歌にはごまかしがあるのか，

さらに検証してみよう，
長渕剛だ(笑。

この上手すぎるサックスをバックに歌う，甲斐はどう(笑。

12 甲斐よしひろ　1989年 安奈


なぜ，この歌のリフレインは
「安奈　おまえの愛の火はまだ燃えているかい」と

疑問文で尋ねるのだろうか。
それは，信じていないからだろう。

安奈，お前は淋しさゆえにオレを求めているだろう，
でも，な，

オレは
お前の愛が欲しいんだ。

オレが欲しいのは，
淋しさじゃないんだ，愛なんだ。

たぶん，もうそれはお前のところにはないんだよ，安奈。
でも，いいよ，

オレはもう一度戻ってみようとおもう。
たとえ，もう一度破局が明らかになったところで，

それはもうオレたちにとっては
二度目の劇でしかないものだしな。

という歌に聞こえる。
でも，

なんのごまかしもない。
いい歌だ。

ということで，甲斐バンドに来てみました(笑。

12甲斐バンド LIVE in 薬師寺 ポップコーンをほうばって


あー，でもなー，
これはほんとうの甲斐バンドじゃないんだよ(笑。

甲斐バンドっていうのはな，
もっとな，

ほんとの気持ちを，大事な気持ちを，
大事じゃないみたいに投げ散らして歌うんだよ。

それがよかったんだよ。
それがロックで，青春だったんだよ。

この甲斐は，
ファンを大事にしすぎているよね。

こんなに情感込めて歌っちゃあいけないんだよ，
甲斐バンドは。

サボテンの花 財津和夫

サボテンの花 財津和夫


「サボテンの花」は九州男児，必聴の歌(笑。
では，解説していきます。


ほんの小さな出来事に　　←そもそも愛は傷つきませんし，
愛は傷ついて　　　←傷をつけられるなら，よほど大きな出来事なんですっ。


きみは部屋を飛び出した　　　←おいおい，行動，早すぎ(笑。
真冬の空の下に　　　　　　　←寒くないのかっっっっっ。

編みかけていた手袋と　　←これが，この歌詞の中で唯一，似合わないもの。
ひょっとすると不器用な女性で仕上がらなかっただけかもしれない。
洗いかけの洗濯物　　←ということは，洗濯の途中でブチギレて，でていったことになる。そうなるといよいよ，小さな出来事どころではない。

シャボンの泡がゆれていた　　←ということは，洗濯の途中で口論したんだね。
きみの香りがゆれてた　　←おいおい，ふつー，洗濯していたら，洗剤の匂いがするはず。ということは，この女性はきつい香水をつけている女性だということになる。

たえまなくふりそそぐこの雪のように
きみを愛せばよかった

←ということは，今は雪が降っていて，その中を彼女は，洗濯の途中ででていったことになる。

なぜ，雪が降っているのに，洗濯しているの?
洗濯物が溜まっていたのか。

ということで，
ここまでの歌詞を総合すると，

洗剤の匂いよりも強力な香水をつけている女性が
ためていた洗濯ものを洗っているときに，

ほんの冗談だと思って，
ぼくが，

おいおい，ふだん洗濯しないから雪の日に洗濯しなくちゃいけないんだぜ。
なんとかしろよっっっっっ，あはははー

っていったら，
彼女がブチギレて，でていった。

という，それだけの歌に聞こえるんですけどね，オレには。
なにに感動していいのか分からない。

でも，
こういうことって，やらかすよねえ，九州男児って(笑。

だから，
これは，東京に出て行って，

他文化と交流するときに九州男児が自戒すべきことの歌って聞こえますね。
で，二番ではもうこの部屋から引っ越しするんですよ。

えっっっっ。
ここ，だれの家，だれの部屋?

思い出つまったこの部屋，だから
彼女と住むために借りた部屋なんだよね。

でも，恋愛が終わったから出ていくわけよ。
そういう男って，このあとどうするの。

しばらく友達のところにころがりこんで
また相手の女性が出現するの待つと思うけどなあ。

でね，
「サボテンの花」ってところにすべてがあるわけ。

この女性は，
サボテン以外の花は枯らしてしまうような女性なわけよ。

行き届かないわけ。
行き届かない女性は，九州男児には無理なんだよね。

なにしろ，九州男児っていうのは，
お坊ちゃまだから，祭り上げられて生きているわけよ。

行き届いて，自分のことを祭り上げてくれて
ふつーなわけ。

九州の女性は，それを形だけでもできるから(笑。
でも，九州を越えて下関を越えて

天下の東京シティにきたらそんなわけにはいかないのよ。
最後は，「恋はいま終わった」で終わるけど，

あれ?
愛じゃなかったっけ，最初は。

恋でもいいの?
愛と恋は，同じ時期にでてくるもの?

もしかして，
分別できてないのかも?

「この長い冬が終わるまでに
なにかをみつけて生きよう」

うん，たぶんそれが
新しい恋人なんだよ。

「何かを信じて生きていこう
この冬が終わるまで」

それがたぶん，
恋はまた始まる，なんだよ。

こうやって考えてくると，
京都の岡林信康と博多の財津一郎とでは，

自己分析の深浅が全く異なっているよね。
じゃあ，

九州男児の歌は，
どれもあまあまのだめだめなのか，

それを検証してみよう。




　

これはだれに対して歌っているのだろうか(笑。

愛する人へ / 泉谷しげる


オレが，
岡林さん，すげーなと思うところは，

責めない内省力なんだよね。
たとえば，この歌。

ぼくは，ひとからされたくないことをきみに強いて，
その挙げ句，きみを捨てて新しい恋人と

新しい生活を始めるという歌なんだよ。
おいおい，身勝手にもほどがあるでしょ，という内容だよね。

でもね，
ふつー，こんな身勝手な歌は歌えない。

歌えないから，
泉谷も歌えてないよね。

こんなデリケートな歌は，
そうだれにでも歌えるというものじゃない。

身勝手だと知らないと，
歌は，だいたいみんな「サボテンの花」みたいになるよ(笑。

これは，自分の身勝手さを知って，
そのうえで歌う歌なんだ。

自己更正のために，ね。
では，

この歌は誰のために歌われたのか。
「愛する人へ」となっているけど。

もし，
別れたきみに歌うのなら，

「愛した人へ」が正しいね。
でも，そうなってない。

ということは，
これは，別れたきみへの歌ではなく，

別れたきみとのことで学んでもう同じ過ちを犯さないはずのぼくから，
新しいパートナーに向けて歌われたものなのだ。

ひどいよね。
きみに向けて歌っていたはずなのに，

ほんとうはきみのつぎの新たなきみに向けて歌っているんだ。
でも，

そんなに残酷な歌だから，
それを歌えるのは岡林信康本人しかいないのだよ。

泉谷，
ほんまにおれの弟子やったら，これ歌うてみぃ。

どや，
歌えるようになったか。

そうやって，黙って岡林は泉谷が
歌のもつれにからまっていくのを聞いている。

黙殺されるなかで歌うのが，岡林信康に似合っているのだよっ(笑。

自由への長い旅 / 岡林信康＆坂崎幸之助


泉谷と歌っている動画だと，
歌い始めてしばらくすると，すげー拍手がくる。

みんな，
岡林の歌を知ってるからね。

最近，知られてないね。
歌も，アルフィーみたいにきれいになってるし(笑。

しかし，
その黙殺のなかで歌うのが，岡林信康に似合っているのだ。

もっと破綻していいのだ。
破綻しても，美しい魂の破片は伝わってしまうのだ。

なぜなら，
こんな歌，もうないよ。

まじめなひとがまじめになやんだ歌は，
もうないのだ。

絶滅してしまった・・・・・・

でも，自分って飽きませんか(笑。

でも，自分って飽きませんか(笑。
うん，飽きないね，

自分こそが即興だね，
これを制御するのは難しい。

だから生きるのは難しいし，面白い。
それって，

じゃじゃ馬ならしでしょ(笑。
言われてみれば，そうだ，まさにそうだ。

でも，マンネリになったりしますよね。
するね。

同じメロディを何度も美しいと思って，発明したりしますよね。
するね。

では，即興とは忘却ですか(笑。
近い(笑。

で，もっと聞いてみました(笑。

じゃあ，ジャズ，嫌いですか。
うん，アドリブやってジャズだと思っているジャズは嫌いだね(笑。

アドリブ，嫌いですか。
少しならいいよ。

長いといやですか。
だって，なんであんなに音階を聞かなくちゃあいけないの。

美しくないよねっっっっ。
では，美しいのは好きですか。

そーだね。
たとえば。

ドビュッシーだね。
ドビュッシーは美しいですか。

うん。
飽きませんか。

飽きる(笑。
でも，飽きさせてくれるのが良心ってものだよ。

虜にしちゃあいけませんか。
だめだよ，だって不自由にしちゃうじゃん。

じゃあ，ファンはどうするんです。
不自由が好きなんじゃないかな。

ふーむ，
あなた，自分は好きなんですか。

もちろんだよ(笑。