ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 82ページ目 マジシャンソムリエとの対決  

2012-04-05 21:22:20 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【82ページ】


「和さん、この後テイスティング対決をお願いしてもよろしいでしょうか?」


高木が、確認のため聞いた。


「ええ、事前にお聞きしているので、私もそのつもりですよ!」


和音は、了解した。


「テイスティング対決の内容ですが、ワインを2本選んでいます。私がシャブリ

グラン・クリュから1本選び、その特級畑名を答えて頂きます。」

「承知しました。」

「もう1本は、狩野さんが選び、赤ワインか白ワインかを答えて頂きます。」

「赤ワインか白ワイン?」


和音は、首をひねりながら聞いた。


「私が目隠しをして、テイスティングをするのですか?」

「いいえ!」


狩野が高木社長に代わって答えた。


「マジシャンが、目隠しした相手にマジックを披露することは絶対にありません!」

「なるほど、そうだね?」


 和音が笑ってうなずくと、高木も高野も笑った。


「それでは、私のワインからテイスティングをお願いします。」


 高木は、キャップ下が紙に覆われたワインを取り出し、抜栓を始めた。


「高木社長の抜栓は、ソムリエに勝るとも劣らないほどの鮮やかさですね?」

「今まで数え切れないほど、抜栓してきたので、これだけは自信があるのです。」