ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 81ページ目 マジシャンソムリエとの対決  

2012-04-04 23:04:17 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【81ページ】


「プリューズが箱の中にあると7本の剣先が突き出てこない!」


和音が言うと、


「確かに、私はプリューズを箱に入れたが?」


高木は、首をひねりながら答えた。


「最後の1本のシャブリ・グラン・クリュのプリューズが箱の中にあるか

開いてみましょう。」


 狩野は、箱を元の位置に回転させて、正面の7本の剣を順に抜いていった。

そして正面を開けると、プリューズが消えずに入っていた。


「プリューズが入っていたが・・・・」


高木は、状況がすぐに飲み込めなかった。


「コルクを覆っているキャップがカットされている!」


「コルクには、上から差し込まれた剣先が突き刺さっていますね?」


和音が状況説明を付け足した。


「これから、プリューズを抜栓します。」


 狩野が、上蓋を持ち上げると、剣と共に、剣先が突き刺さっているコルクも


持ち上げられた。 そして「スポッ!」とコルクの抜ける音がした。


「すばらしいワインマジックです!」


和音は拍手をしながら、狩野のマジックを誉めた。

この後、狩野はプリューズをグラスに注ぎ、和音と高木に勧めた。

高木はワインを飲みながら、和音に次のテイスティング対決の内容を説明した。