ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

情報通ソムリエの自信 97ページ目

2009-05-08 22:52:23 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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社長は、和音を玄関まで見送り、部屋に戻ってきた。


社長      和さんは、やはりムルソーのことを調べていましたね?

情報通ソムリエ そうでしょうか?

社長      ええ?

情報通ソムリエ 和さんは、サントーバンのことは、知らなかったはずです。

        私が、国内で買ったワインではないのです。

        フランス旅行を一人でしていた時に、幻のワインと聞かされ

        購入したものです。

        そのことは、誰も知らないし、誰にも話していません。

        だからムルソーのことも調べなかった気がするのです。

社長      ではどうして、私が買い求めたワインがムルソーシャルムとジュ

        ヌヴリエールと判ったのでしょう?

情報通ソムリエ ムルソーで特に有名な1級畑は、シャルム、ペリエール、ジュヌ

        ヴリエールでしょう。

        ペリエールの可能性が少なくなったので、ジュヌヴリエールと

        推測したと思います。

社長      それでは、なぜペリエールではなく、他のワインすなわちサン

        トーバンと気づいたと思いますか?

情報通ソムリエ ムルソー特有のナッツの香味を感じ取ることができなかったから

        ?

社長      では、ジュヌヴリエールの1996年だと?

情報通ソムリエ うーん・・・・・・。

社長      そこが和さんのなぞということだね。