ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

情報通ソムリエの自信 95ページ目

2009-05-06 23:23:53 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【95ページ】


社長      そう、ムルソーのブドウ畑は、お互いに隣接していて、ねずみが

        ひとっ飛びで隣りの畑まで行けるというわけだね?

        でもそれがヴィンテージと関係あるの?

和音は、さらにワインを一口飲んだ。そして笑い出した。

 
社長      どうかしましたか?

和音      笑い声を上げてすいません。

        このワインを飲むとイメージが湧いてきて、その光景がおもしろ

        かったものだから。

社長      どのような光景?

和音      ちいさなねずみが、ブドウ畑から隣の畑へ飛ぼうとするのです。

        でも、届かないで、ひっくり返ってしまうのです。

社長      ええ?

        するとこのワインはムルソーでないと?

和音      感覚的なものですよ!

        私も自信はないのですが、ムルソーでないと感じるので、ヴィン

        テージは、答えないでおきましょう。

情報通ソムリエ 負けました!

        社長にムルソーを2本選んでもらいました。2本の内1本を

        私が選んだこのワインと変えたのです。

        社長包み紙をとって、ワインを和さんに見せてあげてください。


96ページに続きます。



情報通ソムリエの自信 94ページ目

2009-05-06 20:59:15 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【94ページ】


社長     1992年のヴィンテージで正解です。

       2本目のムルソーを開けますね?

社長の専属ソムリエによって、2本目のムルソーが開けられ、二人のグラスに

注がれた。

専属ソムリエ すばらしいワインだ!

和音     ワイン造りには、色々と苦労が多いのですが、このワインは

       本当に手をかけているのが分かりますね?

社長     橋本さん、ワイン名は判りますか?

専属ソムリエ ムルソー・ペリエールでシャルムと並ぶプルミエクリュだと思いま

       す。

       ドメーヌは判りません。

       ヴィンテージは1985年だと思います。

社長     和さんも、ヴィンテージを答えてください!

和音     ムルソーのヴィンテージを答えるのでしたね?

社長     ドメーヌは、テイスティング対決の勝敗に関係ありません。

和音     ムルソーには、先ほど話したように数多くの種類があり、私が

       飲んだことのないワインも多いです。

社長     ヴィンテージを正確に当てるのは、難しいと思います。

       橋本さんの1985年も正解とは、限りません。       

和音     ムルソーのワイン名の由来は、ねずみのひとっ飛びという言葉から

       生まれましたね?

95ページに続きます。