ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

情報通ソムリエの自信 91ページ目

2009-05-03 23:18:37 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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社長      休みの日には、妻と一緒に買い物に行き、私はワイン売り場で、

        ワインを眺めていました。

        その時の私は、1,000円を超えるワインには、買うのを躊躇
  
        していました。

情報通ソムリエ 今の社長からは、想像もつきませんね?

社長      その年のクリスマス、妻は手料理のディナーを作ってくれた。

        そして、さりげなく赤ワインを注いでくれた。

        それは、とてもおいしいボルドーのワインであった!

和音      そのワインが・・・・・?

社長      そう、あまりにおいしいので、妻にワイン名を聞くとシャトー・

        オー・ブリオンだった!

        驚いた私は、このワインどうしたのと聞きました。

        妻の話では、節約して貯めたお金が毎月の貯金とは別に2万5千

        円になったそうです。

和音      やりくりが上手ですね?

社長      ほんとうにそう思います。

        それで、ワインショップに行き、このお金で買えるボルドーの

        ワインを聞いたそうです。

        店の人からは、メドック地区の 五大シャトーのひとつである

        シャトー・オー・ブリオンの1987年を勧められたそうです。

        1987年は当り年のヴィンテージではないのですが、私にとっ

        ては、最高のワインでした。

情報通ソムリエの自信 90ページ目

2009-05-03 14:13:52 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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情報通ソムリエ これは、とても貴重なワインですね?

        オールドヴィンテージの1967年でしょう?


橋本は、わざと間違って和音の様子を見た。


和音      私にはヴィンテージはわかりません。

        相当長い期間熟成されていることだけは確かですね。     

社長      和さんは、ワインを楽しんでいる時、ワイン名やヴィンテージ

        のことは考えないのだよ。
        
情報通ソムリエ そうでしたね。

社長      橋本さんは、1967年のヴィンテージと言いましたが、実は

        1966年です。

        オールドヴィンテージのシャトー・オー・ブリオンは飲む機会

        が少ないので難しいでしょう?  

情報通ソムリエ そうですね。

和音      ところで、社長はグランヴァンの中でも特に、シャトー・オー・

        ブリオンがお気に入りだとお聞きしているのですが、その訳を

        聞かせていただけませんか?

社長      はい。

        私が結婚した時は、ちょうどこの会社を起業して間もない頃でし

        た。当然まだ稼ぎも少なく、妻に家計のやりくりで苦労をかけて

        いました。しかも少ないながら貯金までしてくれたのです。  

和音      いい奥さんですね。


91ページに続きます。