ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

美しい切子のワイングラス 107ページ目

2009-05-17 21:39:38 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【107ページ】


社長   その後、得意先の接待を終え、レジで清算していると、女性客からの

     預かりものですと言われ、紙袋を二つ渡されました。

     中には、高価なシャトー・ラトゥールが入っていたのです。

     その時、彼女と家族は食事を終え、店にはいませんでした。

     そして、紙袋と共に、彼女からのお礼の手紙を手渡され、それには

     彼女の名前と電話番号も書かれていました。 

和音   彼女に連絡をしたのですか?

社長   はい。

     彼女からのシャトー・ラトゥールはほんとうにおいしかった!

     それで、お礼の電話を彼女にしたのです。

     そのことがきっかけで、彼女と付き合うようになりました。

和音   シャトー・ラトゥールが取り持つ縁ですね。

社長   ええ、その後二人は結婚し、彼女の父親の会社を引き継ぎ、お陰様で

     会社も大きくすることができました。

和音   なるほど、シャトー・ラトゥールは、社長の人生の支えのワインなの

     ですね。

社長   すいませんね、つまらない話で!

和音   いいえ、とてもいいお話ですよ。


その後も二人は、別のシャトー・ラトゥールを開け、料理と会話を楽しんだ。 


社長   和さん、そろそろテイスティング対決をお願いしてもよろしいでしょう

     か?



108ページに続きます。
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美しい切子のワイングラス 106ページ目

2009-05-17 06:41:26 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【106ページ】


社長    私が商社の営業マンだった頃の話ですが、得意先の接待でフランス

      料理店に行ったのです。

      若い女性とその家族が食事をしているテーブルの横を通りがかった

      時、イナビカリが走り、レストランの近くに雷が落ちたのですよ。

和音    レストランのお客は驚いたでしょう?

社長    はい、とても。

      当然若い女性も驚いて、その時ワインのボトルを倒してしまった。

和音    それは、大変だ!

社長    私は、とっさに上着を脱ぎ、ボトルを立て、上着でこぼれたワイン

      をふき取ったのです。

和音    思い切った行動ですね?

社長    こぼれたワインが彼女の綺麗な服を汚さないように。

和音    その後は?

社長    彼女は一瞬戸惑ったようです。

      しかしその後すぐに、私に礼を言って、クリーング代としてお金を渡
  
      たそうとしました。 

和音    それで?

社長    もちろん断りましたよ。
   
      彼女からお金なんてもらえないでしょう?

和音    そうですね。   


107ページに続きます。   
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