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生活環境で人は変わる『その女アレックス』

2020-10-05 12:41:22 | ミステリー小説から見えるもの
家族が異父兄妹、年少の頃から性的虐待など、誘拐犯の被害者が実は加害者で、その加害者が多くの無残な殺害をしていく、ところがその加害者を最後に抹殺する兄妹、このミステリー小説に出てくる事件の深さには驚愕する。人は生活環境(家庭環境、仕事環境)など友人関係が意外な性格と習性を作り出す。最も必要なのは家族愛がその基盤なのかと思い知らされる。
『その女アレックス』ピエール・ルメートル
「おまえが死ぬのを見たい」――誘拐事件、男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが……。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進する。
女は仕事も定職ではなく派遣、30過ぎて結婚も諦め孤独を楽しむ。その一つがカツラで変身する事、それが「淫売女」と見えたのか誘拐事件となる。目撃者は一人でその現場から分かった事は監視ビデオに写っていた白のバン、誘拐したのは大柄で腕力のある男、誘拐された女は何一つ特徴がない。職場、家族、友達等からの捜査願いも全くない、孤独な女と判断される。
・男は誘拐後、古い建物の中で小さな檻に全裸にして体を折りたたむように閉じ込める。「淫売がくたばるところを見てやる」とネズミが餌を求め徘徊する場所に閉じ込める。
・事件は白のバン、犯人が連れ去った車から犯人を特定、住処で逮捕を計画したが逃亡され挙句には犯人は高速道路の上から飛び降り自殺してしまう。携帯電話に残っていた写真から誘拐された女は1週間経ったがどこかでまだ生きている事だった。男は離婚歴のある50過ぎ、精神異常を患った息子を探していたと言う。その息子を知る女を探すと友人の部屋の屋上でその息子が水槽で死体で発見される。致命傷は硫酸を飲まされた殺人事件となる。
・ある日、若者が古い建物にペイントしようとした時建物の中に何か動くものがいると警察に通知、現場につくと数匹のネズミの死体に、人間の血に飢えたネズミ、それと壊れた檻を発見したが誘拐された女がいない。警察は、女に殺人の容疑を立てる。それは誘拐した男はこの女が息子の居場所を知っていると思い聞き出そうとした。実は息子の性格からも帰宅しないのはこの女に何かされたと疑っていた。もう一つはこの女が過去に付き合った男たちが硫酸を飲まされ無残な死体となって発見された事だった。
・女は辛うじて家にたどり着き治療、食事、睡眠などした後、引越しをする。その先に宿を経営する女主と親しくなるが、深夜過去と同じように最後に硫酸を飲ませ殺害をする。 その後、最後の男、トラックの運転手も同じように硫酸で殺害する。そして女はすべてを終えた事でスイスに逃亡する計画を立て、異兄妹である兄を呼び出した。 逃亡するための翌日の航空チケット、ホテルからタクシーの予約、私物の処理を終えホテルに戻る。
翌日その女が自殺体として発見される。殺害容疑者が何故6人もの人々を殺害したのか、何故完全逃亡計画したにもかかわらずホテルの部屋で自殺しなければらなかったのか。事件はその後急展開を見せ、親族関係が拘留される。それは性的虐待、加重買春斡旋、証拠隠滅殺人罪となる。

罪と知りつつも一線を超える役人の立場『ダ・フォース』

2020-10-05 08:30:25 | ミステリー小説から見えるもの
@「40年に及ぶ弁護士人生の中で、嘘をつく人、騙す人、自分が一番になるために世の中の仕組みを曲げようとする人には始終会ってきた。そのほとんどが政府で働く連中だった」(オスカー・グッドマン)は正にこの小説の真髄を突いたもので賄賂、贈与、汚職、横領等が政府・役人につきまとう罠であり、罪を背負っているということだ。 警官から中央幹部も例外ではなく「見つからなければ」という思いでついやっている、と言う。日本の何人かの政治家も同類だ。日本のさらに悪いところは罪を一切認めず、決して辞職しないことだろうか。さらに給与(税金)も問題なく在職中は支払われる事だろうか。
『ダ・フォース』上・下 ドン・ウインズロウ
(上)
麻薬や銃による犯罪を取り締まるマンハッタン・ノース特捜部、通称"ダ・フォース"。
ニューヨーク市警3万8千人の中でも最もタフで最も優秀で最も悪辣な警官たちを率いる
デニー・マローンは市民のヒーロー(ダーティーヒーロー)であり、この街を統べる刑事だった。だが、ドミニカ人麻薬組織の手入れの際におこなったある行動をきっかけに、栄光を約束されたマローンの人生は、転落の道をたどりはじめる……。
・殉職した警察官は2000年北米では射殺された警官325人、刺殺21人、殴り殺された警官32人、故意に車で轢き殺された警官21人、爆発関係8人、さらに9.11事件など
・銃規制の緩い州、テキサス、アリゾナ、アラバマ、サウスカロライナ、ノースカロライナから密売され大都市に流れこむ
・「ダ・フォース」の特別任務とは現状維持、都会のジャングル内での勢力を盛り返さない事、メンバーは誰もが犯罪者にみえ、囮捜査官は薬中か売人、私服警官は都会の海賊の姿でしか見えない。警察の中には内部監査部というのがあり警察の不審を捜査する部隊とFBIと組んだ検察側を相手にする汚職、賄賂を暴かれる。マローン警部「世の中が公平にプレーしているなら、俺も公平にプレーする。しかし、検察と警官にはそもそも不利な手札を与え、最高裁判所の判決全てが売人ともに有利な手札を与えている。なぜなら警官が、「偽証言」をしなければ、検察局が有罪判決を勝ち取るなどできないからだ。」(アメリカ流の真実と正義)
(下)
ダ・フォースの中にネズミ――裏切り者――がいる。
FBIが汚職警官を極秘裏に捜査するなか、1人の刑事が拳銃自殺を遂げた。
仲間内に衝撃と疑心暗鬼が広がる一方、街場ではラテン系、黒人ギャング、
マフィア新旧入り乱れる権力抗争が激化していた。複雑に絡み合う悪に追いつめられていく刑事マローン。やがて哀哭の街で男たちを待ち受ける血みどろの結末とは?
・「40年に及ぶ弁護士人生の中で、嘘をつく人、騙す人、自分が一番になるために世の中の仕組みを曲げようとする人には始終会ってきた。そのほとんどが政府で働く連中だった。(オスカー・グッドマン)
マローン警部の最初は些細だった自らの不正から一線を超えてしまった。それは人殺しをしても依頼する凄腕の弁護士によっては勾留期間を短く、保釈させることができる。法と秩序もが金と権力(賄賂とコネクション)で牛耳られていることを知ってからだ。それにお巡りとして命をかけ仕事をしても残る金は少なく、誰も察知できない戦利品はチームの退職後の年金、生活費とし、または寄付することが一番だと悟ったからだ。
・ギャングからある警察官が後ろから14歳の住民を殺した動画で市、警察等を脅迫、逮捕されたマローンに最後の任務として取引をする。それに対してマローンは市長、市警本部長、刑事局長、特別捜査官、判事に対し「お前らは腐り切ったクソッタレだ。俺はこの街で18年働いた。お前らがやれって言ったことをやってきた。お前らのためにこんなに尽くしてきたのに、今になって厄介払いだ。俺のことを汚いお巡りだという。お前らはこの街、この国の魂の腐った芯だ。俺を釈放しようとしたのは街を救うためはない。町の公共事業で何百万ドルもの賄賂を受け取っているからだ。それを隠したいからだ。スラムの家主には見て見ぬ振りをし、判事が金で判事の椅子を買って、判決を売ってその埋め合わせをしてもお前らはそんな話は聞きたがらない。お前らは金持ち連中からつけ届けや、旅行や食事やコンサートやスポーツのチケットをタダでもらう代わりに、そいつらの違反切符や出頭通達や法律違反をもみ消してやる。ところが平のお巡りが珈琲や酒やサンドウイッチをタダで受け取っただけで目くじらを立てる。人種暴動の一番美味しいところは、スラム化した街とかビルを破壊させ、権力者はペントハウスを建てることで稼いだ金をロンダリングする」
「戦場に出ている俺たちお巡りをいつだって平気で見殺しにする。ちょっと状況が悪くなっただけで。俺たちはどんなことがあろうと、仕事の途中で命を失うことになろうと俺たちは身を挺して善良な人々を守ってきた」



一枚の写真『気になる臭い』

2020-10-05 08:00:53 | 一枚の写真
@ 『あなた、最近息が臭うわよ! 歯の手入れは年寄りのエチケットですよ』
    口臭の原因は虫歯・歯周病・ドライマウスとある。口臭は自分にはわからない。自己チュックする方法は「唾液」「ビニール袋」、更に口臭チェック器具がある。
(写真出典:Luis Burgueno-Mashable News)