@限られた時間、今を精一杯、とあるのが定命の世界の人の道、と説く。「定命」は生まれた時からあるのかも知れない、だからその時その時を大事に、精一杯努力、やり抜くことが必要なのだ。「煩悩」を捨てきれない人間は満足を求めて、「貪欲」へと変わり、如いては心が「貧する」ともある。歳とることは「円熟」になる、いつまでも「好奇心」を持ち続けることは大切だ。人の寿命は生まれた時から定まった枠の中(天命・運命)にあるのだろうか。
『定命を生きる』枡野俊明
・禅が教える、美しい生き方、そして逝き方。
どのような生き方をすれば、心安らかに、思いを残さず、潔く逝けるか――
・「定命(じょうみょう)」とは禅の言葉。ふだん、「寿命」という言葉を使うが、禅では「定命」といって、人の命の長さは生まれたときから定まっている、と考える
・そのためには瞬間にを大切に、精一杯やる事、その瞬間が重なって、精一杯いきた人生になる
・我欲や執着、妄想を手放すことが清らかな心に出会えることになる。(煩悩を削ぎ落とす)
・「本来無一物」人は何一つ持たず生まれ、何一つ携えることなく旅たつ
・「生老病死」
4苦は自分の思い通りにできなこと、だから受け入れ、道理に叶った生き方となる
・禅的メソッド
・「瞬間」百年の命も、たった数秒の命もまったく同じ価値、大切なのは「現在、その瞬間」
・「人は二度死ぬ」 定命が尽きた時と残された遺族等の心から個人の存在が消えた時
「死にとうない」と言った仙厓義梵和尚と一休宗純禅師
意味はこの世の修行が足りん、まだまだ修行を続けたいと言う意味があったのか・・・
三島市の龍沢寺・山本老師(鈴木貫太郎等へ「耐え難きに耐え、忍び難きを忍び・・」
・「十重禁戒」(人の振る舞い方・生き方の指針)
不殺生戒 無駄な殺生はしない
不偸盗戒 清い心を持ち、人のものを盗みません
不貧淫戒 清い心を持ち、邪なことはしません
不妄語戒 嘘、偽りを言いません
不酤酒戒 酒に溺れるようなことはしません
不説過戒 人の過ちを責め立てません
不自讃毇他戒 自らを誇り、他人を貶すことをしません
不慳法財戒 物でも、心でも、施すことを惜しみません
不瞋恚戒 怒りに燃えて、自らを失いません
不謗三宝戒 「仏」「法」「僧」の三宝を誹謗中傷しません
・「一行三昧」目の前にある一つのことに集中し、全力でやり抜くこと
・「歳を取ることは円熟すること」心の豊かさ、おおらかさ、度量の広さ、深さを知る
・「欲張るほどに、心は貧しくなる」足るを知る 無くてもいいのかと向き合うこと
・「一病息災が良い」無病息災より一つでも持病があった方が他を早期発見につながられる
・「心身一如」「長生き」を目標にしない いつまでも旺盛な「好奇心」を持つ
心が老化すれば、身体も一緒に老化していく
・自分史を書いてみる
・生前戒名を授かる 「安名授与」で戒名を受ける
・「調身、調息、調心」「呼吸」は深くゆっくり吐き切る
・「笑顔」動けなくなっても、言葉がある、幸福はそこにある
・禅僧はお酒のことを「般若湯」「智水」と言う
・伊能忠敬は55歳から測量を始め17年間尽くした