@戦国時代に生きた商人は如何に天下人と組んだか。信長は特に「銭=金」への執念と戦と人の絡みが「金」で左右されることを知り、戦国時代の次を新たに築こうとしていたのではないかと思えるこの商人目線の見所は面白い。
如何に戦国武将とタッグを組んで世を生き延びて行ったのか、江戸末期の薩長土肥も多くの商人が絡んで明治維新を作り上げたが、戦国時代の「武器商人」だけではなく
武将の心を読み、先手情報を差し出し、如何に乗り越え、勝負に「勝利」していくか、どの時代にも素晴らしい「奉公人」がいることを改めて知らさせる。著名な
茶人で豪商人今井宗久についての詳細はここにある
https://kiiroipanda.com/imaisoukyuu1/ 『信長と征く』入月英一
・現代日本から戦国時代へと逆行転生を果たした、熱田商人、浅田屋二代目大山源吉。彼は戦国時代に誰が覇者になったかを知っている。そこで転生者としての知識を最大限に活かしたうえで、商人として銭の力で天下取りを画策する。彼は美濃・尾張の雄「織田信長」を神輿として担ぐことを決意した。織田信長といえば、戦国時代において武力のみならず、「銭=金」の力を理解した数少ない偉人だ。
・戦国での情報戦は「噂」、「見せかけ方・囮」(スパイ)、軍資金(鉄砲・兵)、與入(婚姻)
織田信長・今川義元・徳川家康・斎藤龍興(稲葉城主)
噂(調略):当主と家臣の蟠りを作り謀反を起こさせる(信長・柴田・佐久間・秀吉)
與入:お市の方の婚姻(浅井・朝倉)
・戦国の時代の商売の情報戦は「企画」(商品開発)、「噂」、「縁」当主との結びつき・楽市楽座(関所・利鞘・寺銭)は中間搾取を無くし武家が取り仕切る(軍資金を調達するための商売)、商品効率(綿織物・問屋製手工業)
「古の呂不韋のように天下人を生み出す」を夢見る人選・博打をかける
「楽市楽座」創意工夫で双方が勝ちとなる工夫を持ち出す(朝廷・大名・国主・社領除く)
農耕効率を機械で上げ、その余地を織物労働とする(賃金を得て、利益を得て、効率的)
千歯こき・唐箕などの機械化・労働集約工場
浅田屋と友野屋(織田側熱田商人と今川駿河商人)の商売気質に火を散らす
織物をネタに今川と友野の仲違い(誤解)を起こす(徳川の今川寄りを囮にする)
秀吉の一夜城は浅田屋大山が職人・大工・運搬などに金を注ぎ込んだ
三河一揆(当主と僧兵)に信長は兵を出さず、金銭で浅田屋に鎮圧するよう命令
「南無妙法蓮華経」と書いたお守り(一向宗の宗教的心を砕いた)
武士の商人に対する目を和らげる方法はその武士の家臣とも仲良く
信長の言葉「銭の力で兵を養い、持って敵を降して、領地を広げる。領地が広がれば、商売の手も伸びよう。さらなる銭を稼げるわけじゃ。すなわち兵をより強く養える。後は堂々巡り、それを繰り返し、天下一統する。天下一統してからも、まだ先がある。全く別の夢を見るのか、仕切り直し、新しい方針で次の展開を・・・」