@「分度」とは、「入りを計って出るを制する」二宮金次郎の改革論の一つ。 今の国家予算に対しての政治家に必須な心構えだ。それは3分の1以上の赤字予算に国債を発行し、「良い思い」(企業に対してはいい顔、良い思いをし、国民に対しては鬼顔・増税を敷いている)をしているからである。 金次郎の言う、「勤勉に働くことで分度は可能」と言う改革は、今の政治家、官僚等は「勤勉さ」が足らないと言う事になる。頭・知恵・知識を使い、国民が収益を得ることが政治家・官僚の「勤労」だとも言えるが、他人事のようにあぐらをかいていると言っても決して過言では無い。上杉鷹山の経営学は現代でも応用ができる、「3つの壁」を如何にぶち壊すかは時代の流れとともに沿った決断をするしかない。師に学んだ最後の藩主13代上杉茂憲でも明治政府での沖縄県令の役割で、既に「モノの壁」で脆くも踏み潰されている。それはその時代でも「何を言ったのかではなく、誰が言ったか」で物事を180度変えてしまう日本人の習性かもしれない。結果として、国民の為にというよりも頂点に立つほんの一部の人達の為の政策だけだったからだろう。 あぐらをかいている赤字予算を「ゼロサム」から論議すべき問題だと思う。国家予算の赤字は次世代で大変な事になる、たとえそれが国債であろうが、負担するのは次世代なのだから。世界でも稀に見る大赤字の国家で、さらに少子化問題が継続するは、次世代にとって最悪となるシナリオを描き始めている。
『米沢藩の経営学』童門冬二
明治14年5月廃藩置県もまもない沖縄県に、13代最後の米沢藩主上杉茂憲が県令として赴任した。 県政運営にあたる茂憲が支えとしたのは、米沢藩の礎を築づいた直江兼続、中興の祖・上杉鷹山を経て継承された「義と愛」の精神だった。成憲から時代を遡り、米沢藩上杉家に生まれた改革者の魂の系譜を明らかにした異色の歴史小説。
- 上杉鷹山:「倹約節約」より増収策に力を入れた政策「産業振興」
- できないものに目を向けるな。できるものを作ろう
- できるものに市場価値を高める付加価値を見出そう
- 「火種運動」による心の壁をぶち壊せば、必ずモノの壁も仕組みもの壁も壊せると言う3つの壁改革
- 1、モノの壁(物理的な壁):「旧慣温存」
- 2、仕組みの壁(制度の壁):土地・租税・地方
- 3、心の壁(意識の壁):興譲館(学校教育)
- 「棒杭の商い」値札で買っていく良民の心魂
- 為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり
- 事を行う上での3つの条件:天の時・地の利・人の和
- 上杉謙信・上杉家家訓16か条
- 自らの戒め・心の正しい持ち方・持ってはならない邪心
- 産業振興の具体例
- 問屋や商家の地区を区分け、コメの座政度、市場を町民に運営させる。鉱山含め輸出入を増やし、温泉を開き鉄砲などの工場建設
- 社倉の建設 飢饉の時に利用できる食料等の備蓄庫
- 農民が帰国しやすいような待遇
- 食料米5俵、家の代金5貫文、木材20本提供
- 農民の自発的な増殖と商売の推奨(苗木から蝋をとり販売する)
- 藩が直接買い上げる
- 細井平洲の講座は「難しい事を易しく語っている」庶民の言葉
- 1728年尾張知多郡に生まれ、京都・長崎にて中国語・漢語を学び紀州家にも教えた上杉鷹山の師
- 「無駄を省け」とはすぐ切除するのではんく無駄と思われる部分をよく理解し見極めることが必要
- 「日本人はどうも何を言っているのか、と言う内容論よりも誰が言っているのか、と言う言い手論に傾きがち」
- 国元家臣からの提言
- 財政難に高い学者を雇用する事
- 偏向人事での不公平(江戸詰め家臣と国元家臣)
- 「民の意見を聞くふりして悪用する事」(体裁を飾る嘘の報告)
- 現場での聞き取り調査することの重要性
- 二宮金次郎の分度・勤労・推譲
- 分度とは、「入りを計って出るを制する」
- 勤労とは、勤労することで収入を増やすことが可能
- 推譲とは、収入を家族・隣家・地域・国に収める