異質なものを排除しようとする人間の業

今日のテーマは
『巨人獣』

最近では進撃する方が有名ですが、
こちらは40年以上前に発表されていた問題作です。

100円ショップのダイソーでも取扱いはあったようですが
そちらは全編は描かれておらず、今手に入るのではこちらの完全版を入手するしか全部読むことはできません。

さてストーリーは
ある日突然、主人公は巨大化します。
理由とか原因と言った描写は一切無し、ただ巨大化します。

前半は好奇の目にさらされながらも多少なりとも一般人との触れ合いもありますが
食事だったり排泄だったり、単なる日常生活でも大きいが故の困難さが現出していく中、
だんだん異質なものへの排除の機運も高まっていきます。

そんななか
巨人女までが出現します。

社会の巨人排除の流れに絶望しつつも新天地に旅立とうとする巨人たち、
その準備の中で再び人々との触れ合いも生まれますが、
その新天地への旅立ちも更なる絶望への序章でしかありませんでした。

なんか、
後味は非常に悪いです。
ですがその後味の悪さが良いです。
人間の汚さをこれでもかと描きますし、
主要人物は誰一人救われません。

しかし漫画としての完成度は高いので
昨今のみんな幸せなハッピーエンドを食べ飽きた豪傑には御一読をお勧めしたいところです。

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