とてつもなくモテる男、

世の中には抱かれたい男ランキングなるものがあるように
モテる人とそうでない人の差は厳然として存在します。

今回のお話は
僕が遭遇した伝説のモテ男のお話です。

その男
仮にＤ氏と呼ぶことにしましょう。

職業はとあるいかがわしいお店の管理部長という肩書きでした。

主な業務は女の子をスカウトすること、
しかしこのＤ氏、自ら声をかけるようなことはしません。

どうするかというと
何もしません

ただ
道端に立ってたりするだけです。

それだけで女性から声をかけてくるのです。

老若問わずです。

半日も立っていれば
４，５人は声をかけてきます。

さてこのＤ氏
イケメンではありません
小綺麗にはしてますが
とりたててブランド物がどうこうというわけでもありません。

見た目はまったく普通のおっさんです。

しかし
ただそこにいるだけで女の人がよってくるのです。

あとは
年齢とか容姿とかある程度のラインをクリアした女の子を店に入れるだけです。

彼女たちはＤ氏の気を引きたいから一生懸命働くというわけです。

本人と会食した人間から聞いたことがあるのですが
どうやら大学生の後半くらいから異様なほどにもて始めたそうで、
当時４０過ぎだったのでかれこれ２０年以上そういう生活だったということになる。

テレビなどで『モテる人』として扱われている人もいるのだろうが
ここまではモテないと思います
実際二人で話しているときにもケバいお姉ちゃん達から相席の申し込みがあったくらいだそうです。

ただこのＤ氏、
そういう女性とは基本的に関係は持たないそうなのだ、
理由を聞くと
「向こうが勝手に盛り上がってるから下手だとか粗チンだとかがばれるのが嫌」
という冗談もあったが、本来的な理由は
一人と関係を持つと他の女の子達が発狂して刃傷沙汰になったことがあるから
『誰とも関係は持たない』に徹底しているそうだ。

まったく不思議なのだが
蛾の誘引フェロモンみたいな何かが出ているとしか思えないのだ。
そして
『好みの女の子に限ってまったく反応しない』というのも摩訶不思議な話だ、

ただこういう超人はかつて実在したということです。



はい
『かつて』です。

このＤ氏がその後どうなったかというと
実はある時期突然もてなくなりました。

女性から声をかけられなくなったのはもちろんのこと
スカウトした女の子も離れていきました。

本人も理由はまったく分からなかったそうです。

お店としてはＤ氏のその能力だけでポストを与えていたので
役に立たなくなれば切られるのにさほど時間はかかりませんでした

金がなくなれば
家族からも見捨てられました

体を壊して生活保護を受けるようになったところまでは聞きましたが
その後の行方は杳として知れません。

Ｄ氏は不幸だったかといえば
僕はそうは思いません。

いい思いと悪い思いが
トータルでは同じ割合になるとすれば
いい部分を特定の時期に集約させてしまったからでしょうね

本人がそれを望んでいたかは分かりませんが・・・

「そんなモテ野郎なんてどうなろうが知ったこっちゃねー・・・
まぁ・・かわいそうな話だがな・・・」
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