雨あがりのペイブメント

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北海道旭川いじめ凍死事件 ③ 六つのいじめ認定と学校、教育委員会の対応の悪さ

2022-10-11 06:30:00 | ニュースの声

旭川いじめ凍死事件 ③ 六つのいじめ認定と学校、教育委員会の対応の悪さ
 第三者委員会による報告書で認定された「いじめ」概要
  いじめ認定
   ① 上級生A、B、CによるLINE等による繰り返し行われた性的なやり取り。
   ② 上級生A、B、Cが、深夜ないし未明に被害生徒を含めて公園に集まろうという趣旨の会話
     をLINEで行っていたこと。
   ③ 上級生Dが強要による御菓子等の代金を繰り返し負担させられていたこと。
   ④ 上級生Eが、LINEで性的な話題を長時間にわたって続け、被害生徒の性的な動画を送付すること
     を長時間にわたって強要したこと。
   ⑤ 上級生C、D、E、F、Gが被害生徒に対して性的内容の会話を行い、被害生徒に性的行為の実行を
     繰り返し求めた。強要された一連の行為を5名は静観していた。
   ⑥ 上級生Eが被害生徒をからかい(あおり行動)、パニック状態になった被害生徒に対して、上級生D
     
が突き放すような不適切な発言をしたこと。
  以上が北海道新聞が、第三者委員会の報告書を見聞してまとめた「いじめ認定」の概要です。
  認定された六項目であるが、非常にわかりずらく、ブログの読者にとっては、「いじめの実態」
  の真実が伝わりずらい面があるかと思う。亡くなったとはいえ被害者が未成年であり、性的内容を含む
  いじめの内容を具体的に記述できない控える配慮がある事をご理解いただきたい。

いじめの定義について
文科省によるいじめの定義が明確化されたのは昭和61年度(1986)からでした。

      1.自分より弱い者に対して一方的に、
      2.身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、
                      3.相手が深刻な苦痛を感じているもので、
      4.学校としてその事実(関係児童生徒、いじめの内容等)を確認しているもの。

     この時の問題点は、4.の学校が1~3までの事実を確認していなければ、いじめだとは判断されないという
      大問題が含まれていました。
              1~3までの項目を挙げながら最後の項目で、いじめ問題が、
       学校側の隠蔽退出を助長することになってしまいました。
               いじめを認めることは「担任の面子」に関わる事であり、上司(学校長)の経歴を傷つける
    ことになってしまうから、いじめについては『見ざる聞かざる言わざる』の対応になってしまった
    経緯があります。
     この定義は、平成6年度(1994)には、大筋では前述と変わりませんが、
    次のように改善されました。
     1.「学校としてその事実(関係児童生徒、いじめの内容等)を確認しているもの」が削除され、
     2.「個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、
      いじめられた児童生徒の立場に立って、行うこと」が追加された。
    大きな進歩は、いじめの判断を学校に丸投げするのではなく、あくまでいじめを受けている子供に
   寄り添って子ども主体で、わかりやすく言えば、子どもの気持ちになって判断するというように、
   進歩しました。
    いじめの定義は、次代に添って改善していきますが、それは後述します。
   今回の事件は、学校や市教が称は61年度に明文化された定義の、
   『学校としてその事実(関係児童生徒、いじめの内容等)を確認しているもの』という項目に、
   結果として拘泥してしまったための、不幸と考えられます。

  Business  Journal 2021.08.19付のウェブニュース 
     今度の「旭川いじめ凍死事件」における学校の対応はまさにこのことに該当していると思いま
    す。信じられない発言が、当時の教頭からありました。
    加害生徒に囲まれ、ウッペツ川に飛び込んだ事件の後、爽彩の携帯電話に、
    いじめを受けていることを示す履歴があることを学校に知らせ」(手記より)たものの、
    学校の教頭から信じられないような言葉を浴びせられたという。

    「10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか。
    10人ですよ。1人のために10人の未来をつぶしていいんですか。
    どっちが将来の日本のためになりますか。もう一度、冷静に考えてみてください」

    学校や市教委の対応については、母親の手記は次のように述べています。
    

   「いじめの認知には至らなかった、などと繰り返し主張しています。教育委員会の態度は、
   『いじめ』をもみ消そうとしているようにさえ見えます」

    上記、赤字の部分はBusiness  Journal 2021.08.19付のウェブニュースです。

  朝日新聞2021.11.07付の記事
      インタビューに応じて次のような母親の発言があります。
   
      「学校からは『法に触れるようなことだが、いじめではない』と言われた」

      ウッペツ川に飛び込んだ事件。
      広瀬(爽彩)さんは、19年4月中旬、他の生徒らに求められて自身の画像をLINEで送った。
      その後も
同様なことがあり、母親は「画像はあまりにもひどいものだった」と言い、
      道警や学校に相談。
      「学校からは悪ふざけだとか、いたずらの度が過ぎたものだとか言われた。
      最後には、法に触れるよ
うなことだが、いじめではないと言われた」
      「法に触れることだが、いじめではない」とは、どういうことなのか、
      少年とは言え触法犯が学校内にいるというのに、
      学校はいじめではないと、理不尽な姿勢を崩さない。

      市教委の報告を受けた道教委は、同年10月3日付の文書で、
      「客観的に見ていじめが疑われる状況。川に入った際、
      『死にたい』と繰り返し訴えていることから
      『心身の苦痛の苦痛を感じている』ことが考えられる」と指摘。
      いじめと認知し、謝罪と今後の対応について、
      双方の保護者の共通理解を図るなどの必要があると、市教委を指導するとした。
                                  (つづく)
   
(ニュースの声№19)      (2022.10.10記)

 

 

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4 コメント

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こんにちわ.....。 (kiyasume)
2022-10-11 12:07:15
この学校の先生たちは、本来なら、
総辞職してお詫びするべきだ!!

「法に触れるがいじめではない?」

どう言う詭弁ですか・・・・・・。

そして「10人の加害者の未来と、1人の被害者の
未来、どっちが大切ですか。10人ですよ。1人の
ために10人の未来をつぶしていいんですか。
どっちが将来の日本のためになりますか。もう
一度、冷静に考えてみてください」

この会話に怒りが湧きました。
陰湿なイジメを繰り返して来た生徒の
将来などどうでもいい!!

大体が、私の学生の頃も先生は皆酷かった、、
あの頃から何も変わっては居ない、、
虐めた生徒を全員退学処分にするとか、、

そのぐらいの事をしなければ虐めは
無く成りはしませんよ、、
大体が教員資格をもっと厳しく
した方がいい。

酷い事件ですよね、、
死んだ生徒が浮かばれません、、
大体が学校の道徳の時間とか、、
何教えて居るんだ・・・・・・。

本当に酷いですね、、(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
また来ます。。。
kiyasumeさんへ (雨あがりのペイブメント)
2022-10-11 15:49:22
コメントありがとうございます。
 kiyasumeさんの理不尽な者への怒りが沸々と
伝わってきます。
 閉鎖社会においては、世間的な常識など通らないことがしばしばあります。自己保身、組織の安泰を図るために、隠蔽、捏造、歪曲などが、本来の社会的義務行為から逸脱してしまう。
 そして、犠牲になるのはいつも弱者です。
「正義は力なり、力なきもの正義にあらず」とパスカルは瞑想録の中で言っています。とても辛い現実ですが、正義の旗を振っても、振る人に正義の力がなければ、悪に敗けてしまう現実があります。

 学校や警察、病院、福祉施設等々、特殊社会では時によって個人の権利よりも組織の安泰が優先されてしまう現実があります。
 学校社会を教育評論家の尾木直樹、通称尾木ママさんは、「閉鎖的な職員室文化」と表現しています。そして、次のようにも述べています。
 『あなたが事実を話したら校長はどういう処分を受けるか。教育長にまでこんな迷惑がかかる』
ムラ社会に反抗する者はムラ八分にされてしまうから、口をつぐみ、『よく覚えていません』『記憶にありません』などと口をつぐんでしまう。
 かくして、隠蔽や改ざんが横行することになる。
 生徒を守る立場の教師が、ムラ社会の掟に縛られ
てしまったら、生徒は誰を頼ればいいのでしょう。
 そんなことを考えながら、記事を書いています。
ムラ社会、、、 (kiyasume)
2022-10-12 17:39:57
そうですね、、
ムラ社会に反抗する者はムラ八部にされてしまう、、
それが「閉鎖的な職員室文化」なのでしょうか、、

私は今こそ、学校の解体を叫びたいです、、
此の儘で居たら、第2、第3の犠牲者が出て来て
しまう・・・・・・・・・。

大体が、学校の子供の躾方がなっては居ない、、
虐めを行なう子は、どう指導しようと虐めるのだと
思います、ならば何故退学にしないのか???

ちょと前のアニメで「地獄少女」と言うものが
ありました。虐められて居る女の子が、、
ある日に地獄通信と言うネットの掲示板を見つけ
そこに名前を書き込むと地獄少女が現れて、、

憎い相手を地獄に流してくれると言うアニメでした。
但しこのアニメにはオチがあって、地獄流しを頼んだ
依頼者も死んだ後は地獄に行くと言う事でした、、
それでも憎い相手を地獄に送ってくれと言う依頼は
絶え無いと言う話でした。。。

まさに今の世相を反映して居るアニメでした・・・。

私の小学校の担任はある日、男子生徒のズボンを
下げさせて、おちんちんを見て笑い・・・・・・。
女の子のスカートを下げさせて。そして下着を下げ
させニンマリして居る変態教師でした。

私が中学の頃の担任の体育の教師は、私を毛嫌いして、
剣道の時間になると思いっきり喉にツキを入れて来ま
したし。柔道になると溝落ちにツキを入れて来ました、

そして高校の担任教師は私に裏口入学を斡旋しようと
しました。入れるから300万俺に寄越せと言うのですよ。
私は断りましたが。こんな連中が教師でしたよ・・・。

今でもこう言った事は大ぴらにされて居るのだろうと
思います、教師と言うのは聖職者でなければ成らない
はずだと思います。教師がこんな程度だから、、
生徒も自ずと知れて来るのだろうと思いますね。

最近では、高校の教師が女生徒を娼婦扱いです、、
先生が真面で無いのに、生徒が真面なはずはありません。

文部省は一度教育機関の再編を考えた方がいい。。。
そう思いますよ、失礼、私の過去の担任たちの話をして
仕舞い申し訳ありませんでした・・・・・・。

亡くなった児童のご冥福を祈ります、、
私はなくなった生徒が可哀想で成りません、、
また来ますね、、宜しく、、、(๑>◡<๑)
kiyasumeさんへ (雨あがりのペイブメント)
2022-10-15 23:02:01
コメントありがとうございます。
「学級運営」というのは、ある程度というよりは、多くの部分を担任に任されています。だから自分のクラスに不祥事が起きた場合は、担任の責任になり、他の教師は見て見ぬふりをしてしまう。担任も自分の不手際を隠そうとする。
 担任にとって教室の中にいる限り、担任は王様で居られます。ここが問題です。
管理者の校長の管理能力にもよりますが、、自分の在任中に不祥事を起こしたくない。経歴に傷をつけたくないと、無能な管理者はすべての責任を担任に押し付けて、「見て見ぬふり」をしてしまう。
 担任は学級の王様、管理者は学校の王様、君臨する教育委員会は地域教育社会の王様という構図が見えてきます。
 もちろん、保身に明け暮れる学校運営をしている学校もありますが、きちんと管理運営している学校もたくさんあります。
 いずれにしろ、学校組織の改革と教育委員会の在り方は改善の余地があると思います。

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