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雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

多選の是非・茨城県知事7選出馬表明 (2)

2017-06-16 08:41:55 | 昨日の風 今日の風

多選の是非・茨城県知事7選出馬表明(2)
  
 多選の是非については、拙ブログ4/12付でカテゴリー昨日の風 今日の風で、
 その弊害を述べましたのでそちらを参照にしてください。

 その時、冒頭で次のように多選の弊害を述べました。
  トップを長いこと同じ人物が勤め続けることは、好ましくない。
  空気が淀みます。
  淀みは停滞に繋がります。
  停滞は気力の減退につながります。
  気力の減退に続いて訪れるものは、自己保身です。
 
  このスタンスは今回も変わりませんが、 
  今回はもう少し具体的に多選の弊害を述べてみたいと思います。
  

     選挙で県民が選んだ知事ではあるけれど現在、6期目24年間の同一知事による県政である。
  「知事の権限はものすごく大きくなっている。だから多選の首長の不祥事がたくさん出てきたんです」

  菅官房長官は4月上旬檄を飛ばし、自民党が擁立した大井川和彦氏を激励した。
  現自民党は、橋本県知事の多選を争点にして、
  なんとしても7選28年間の知事就任を阻止しようと躍起になっている。
  同じように石破茂も水戸を訪れ、多選を争点にして、橋本茨城県知事の県政に終止符を打ちたい様子である。

  長く務めれば務めるほど、現職は有利になってくる。

  知事を務める間に市町村の首長や議員、業界団体と結びつきを強める。
  知事と懇意になれば、市町村の陳情などし易くなるし、県政への太いパイプを強調し、
  選挙に備えることもできる。同様に業界団体も懇意な関係を通して、
  利益を確保したいという下心が見え見えである。

  選挙に勝利するには、組織力が重要なポイントとなる。
  いかに多くの推薦団体を確保するかが勝利のポイントになってくる。

  知事の権限は大きく、茨城県内の市町村への影響力も大きい。
  こんな話がある。
  「消防関連施設の運用費を補助してもらうなど、市町村は『餌を食わされている』。
  知事を応援しなかったら、予算をつけてくれない可能性がある」
           (ある首長の話、として朝日新聞が紹介している)

  予算はある一定の決まりや、条件をクリヤーした申請者に平等に配分するのがルールだ。
  だが、予算には枠があり、申請者が多くいる場合は何が優先されるのか。
  頭に浮かんでくるのは最近の「森友学園」や「加計学園」問題など、上からの鶴の一声がなかったのか
  どうか。

  政治家に便宜を図ってもらう。良くある話だ。
  実際に私の関わった福祉団体で、補助金の使途不明金が監査で指摘された。
  「全額を返還せよ」という行政指導である。かつ、今後の補助金は支給を停止するというものであった。
  数日後、地域代表の名のある国会議員を通じて、事態の収束を計ると、次の日、担当部署の吏員が数名訪れ、
  「不問に付す」という話である。
  明らかに、天の声、鶴の一声が降って来たのだ。
  こんな話は、数え上げたらきりがない。

  多選が続
き、前回にも書いたが、
  一定の人間が行政の恩恵を受けることがあってはいけないのだ。

  原発について
   茨城県には運転開始から39年を経た日本原電東海第二原発(東海村)がある。
   40年の運転期間を超え再稼働をする場合、原電は知事の了解を得ることが必要。
   知事の判断によっては廃炉になる可能性も十分だ。
   しかし、現知事の橋本氏も大井川氏もこの問題には触れず、
   「他の課題の方が県民は関心がある」として、逃げ腰だ。
   特に橋本氏の場合、原発問題に関しては、
   方向性を示さず県民の意向に沿うよう努力すると矛先をかわしてしまう。

   たくさんの人が原発、及び関連企業で働いているから、
   原発反対を表明すると獲得票が減少する恐れがあるから、優柔不断の姿勢をずっと維持している。
   原発の再稼働を争点にしないで、住民の意見を聞く機会がないまま再稼働が決まってしまえば、
   取り返しのつかないことになる。

   多選を許すな。
   
   多選の是非が先行して政策の議論が埋もれたまま、選挙戦だけが過熱している(朝日新聞)

   住民の意見をなおざりにして、都合のよい選挙戦を展開していけば、
   民主主義は腐敗し、民主主義が目指した理想はだんだん遠のいてしまう。

           ※ 知事の多選について、神奈川県は「禁止」、埼玉県は「自粛」すると定めた条例があり、
               いずれも「3期12年」を限度とする。だが現在、4選以上の多選の知事が13人と、ほぼ
             4人に一人を占めている。(朝日新聞)
                               ※  多選の是非(1)は4/11付ブログ(昨日の風 今日の風)に掲載しています。
              興味のある方はご覧ください。
               (昨日の風 今日の風№73) (2017.06.15記)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コメントありがとうございます (亜母)
2017-06-22 13:41:54
おかげさまで、いただいたコメントが「アクセス解析」でトップでした。お手数おかけしました
返信する
亜母のブログ (亜母)
2017-06-22 13:48:14
掲載させていただいたのは
「コメント~「誰が作った憲法であれ、私たちが70年以上も守り通した・・」2017年06月19日 |
 です。すみません、変なコメントで。
返信する
亜母さんへ (雨あがりのペイブメント)
2017-06-22 18:35:12
 いいことはいいこと。悪いことは悪いこと。
はっきりと自分の信念を持つことが必要です。
しかし、表示するときには、対立する相手のことを思いやることも必要ですね。
 誰が正しいのかではなく、ブログにおいては「Aという意見があり、Bという意見もあるのですね」ぐらいにとどめておいた方がいいと私は思っています。
 何だか、このコメントも的外れになってしまいました。
お互いの良いブロ友でありますように。
返信する
掲載させていただきました (亜母)
2017-06-24 10:54:35
「党議拘束へのコメント」をけいさいさせていただきました。目の調子悪く、お知らせまで。
返信する
多選の弊害について (亜母)
2017-06-28 08:40:12
 多選の弊害について、一番は、本人に認識してほしいですね。
 自分はそうじゃないと、自覚がないのかもしれませんが、「権力は腐敗する」というのは自然現象みたいなもので、だから、そういう認識を持たない人は、政治的認識が低いと思うし、一番、人材を確保しなければならない所ですね。やる気のある人が5人いたらことな成る、といいます。
返信する
亜母さんへ 権力の座 (雨あがりのペイブメント)
2017-06-28 11:55:34
一度獲得した権力の座は、離し難いものがあるのでしょうね。
権力の座を維持するために必要なことは、「何もしない」事です。つまり、可もなく不可もなく、ただひたすら仲間作りに励むことなのでしょう。
「権力のゆりかご」でまどろんでしまえば、やがて「腐敗」が始まります。
「支持者」だけがその恩恵にあずかり、そうでない人はその政権が続く限り、冷や飯を食わざるを得ない。
だから、知事などの多選は3選12年までという内規を設けているところもありますが、これには強制力はなく罰則もありません。良心にお願いするか、選挙で新しい人を選ぶ以外に方法はありません。
7選なんて絶対に異常ですよね。
私はある時期、10年以上も知事を応援していましたが、「何もしない」「決断しない」「民意に任せる」など優柔不断の姿勢に嫌気がして、関係を断ち切りました。
亜母さんの言う通り、長期に同一人が権力の座に着けば、「権力の腐敗」が起きるということを、権力者は自覚してほしいと思います。
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