お待たせいたしました
第16回三幸ワイン会のご報告です
9月11日(水) 午後7時より 自宅キッチンにて、
今回は、「ドイツ辛口ワインの魅力を探ろう!」をテーマに、近年ドイツ本国でも主流になってきた辛口ワイン、白を中心に皆様にご紹介しながら、その魅力を体感して頂きました
ドイツは、ブドウ栽培地としては最北限地帯、良質なワインを生産するには、この地でいかに成熟したブドウを実らせるかが課題! ドイツワインの最上級格付けQmPでは、発酵させる前のジュースの糖度によりさらに格付けが分かれています。
また、QmPとその下クラスQbAでワインの大半を占めていることから、生産者のブドウ一粒一粒の思い入れの深さを感じます。
さらに、ワインのエチケットに生産地、格付けの他使用品種が記載されていることも大変分かりやすく、辛口ワインにおいては、「トロッケン(辛口)」「ハルプトロッケン(中辛口)」、また新しい制度で「クラシック」などの表示がされているのが、特徴です。
二大銘醸地とされるモーゼル、ラインガウのリースリングの素晴らしさ、美しさは世界中に認められ要望も強いことは皆様もよくご存知かと思います。
モーゼルでは、河沿いの急斜面を利用してブドウ畑がつくられておりますが、今回のワイン会で採用させて頂いたワインのインポーターさんの方がモーゼルへ行かれたときの貴重なお写真を提供してくださいました。
いかに斜面が急であるか、お分かりいただけると思います。このような畑には機械も運べませんから、ほぼ全ての仕事が手作業で管理されているわけです。
ブドウ作りの背景を知ると味わいに深みが増しますよね~
モーゼル特有の栽培方法「棒つくり」も見られます。
さて、テイスティングに入る前に、胃の保護や果物の香を把握して頂くためにフルーツとトマトをお出しいたしました
まわりの赤いのがベリートマト、甘味もありフルーツ感覚でいただけます。
キウイフルーツにオレンジ・マーマーレードをかけたもの、キウイフルーツの酸味がジャムの甘さで和らぎ美味しくいただけますよ~
まず白ワイン2アイテムから、
①<モーゼル>デヴォン・シーファー・リースリング・QbAトロッケン 2011
③<ラインヘッセン>ケスターヴォルフ・ヴィサーブルグンダー・QbAトロッケン・プレミアム 2010
今回白ワインでは、皆さんにリースリングの特徴をしっかりと把握して頂くことを目標に、この2アイテムをブラインドでテイスティング。
③はヴァイサーブルグンダー、ドイツ以外では「ピノ・ブラン」と呼ばれる品種、ドイツで栽培が年々増加傾向にある品種で、特にラインヘッセンでその傾向が顕著です。
①と③いずれもまず地中からくみ上げた石やオイルのようなミネラルを感じます。あとに続く香や風味に違いがでてきます。
①は柑橘系果実、花、蜜などの香、フレッシュな酸味がほのかな甘味でコ-ティングされているかのように、バランス良くなめらかなアタック、若いワインによく見られる気泡も見られ、アフターにプチプチ感が残るのがアクセントに!
対して③は、植物の葉や茎をイメージする青いニアンスのハーブ系の香が強く、畑が貝殻を多く含む土壌であるためにミネラルも豊か、しっかりとした酸がベースとなり、グレープフルーツを思わせる苦味もアクセントになっています。アフターのアルコール感が強いのが印象的です。①とはまた違うニアンスのボリュームを感じます。①がトータルで繊細なのに対し、③は繊細さと力強さを持ち合わせている印象。こちらの生産者、ポリシーとして「伝統と現代技術の融合」を掲げており、瓶もボルドータイプの瓶型です。ドイツワインでありながら、アルコール度も13.5°と高いのにも驚きました。
リースリングの品種特性そのものに、酸味とバランスをとる要素(豊かなミネラル感や蜜のようなニアンス)が盛り込まれている気がいたします。ブラインドでも、皆さんしっかりリースリングの特徴はご理解頂けているようで、全員正解でした
次に、フランケン産のシルヴァーナを、この地域独特のボックスボイテル(扁平型瓶)入りです。
②<フランケン>ハンス・ヴィルシング・シルヴァーナーQbA・トロッケン 2011
シルヴァーナは、一般的にはニュートラルな味香で畑や土壌の影響を受けやすい品種ですが、私のこれまでの経験では、花のような華やかでエレガントな香を放つものが多いように思います。こちらも①、③同様、清々しいミネラルを感じますが、同時に柑橘系果実風味にアフターに白コショウを思わせるスパイシー感と、フローラルな余韻が重なり心地よいです。また時間の経過とともに日本酒を飲んだときに感じるような、あとから旨味(ほのかな甘味)が追いかけて、全体を包み込むようなニアンス、ボディに厚みを感じます。
テイスティング後半は、赤2アイテムをブラインドで、皆さんには冷涼地に最適種のピノ・ノワールの味わいの再確認と同時に、ドイツで成功した交配種ドルンフェルダーとの比較をして頂きました。
左から
④<ファルツ>リンゲンフェルダー・シュペートブルグンダー・ターフェルヴァイン 2008
左側のワインがシュペート・ブルグンダー、「ピノ・ノワール」です。淡い色合いに少しだけ茶色のかかった熟成のニアンス、すみれや土のニアンス、ピノらしい赤いベリーを思わせる酸味とほのかな甘味がバランスよく柔らかいタンニンのなめらかな飲み口です。風味の奥に樽由来のビターな香ばしい香がなんとも心地よく繊細でエレガントな印象です。赤ワインは、白ベースに確立した格付けに該当しにくい部分もあり、ランクはテーブルワインクラスとなりますが、中味はかなりグレードが高いです。
⑤<ファルツ>リンゲンフェルダー・オニキス・QbA 2005
ドイツの赤ワインにしては、驚くほどに濃い黒に近い色合いです。天然酵母使用のためか、ちょっと地下セラーにいるような少しカビのような香もしますが、けっして不快臭ではなく個性的な香のひとつとして捉えることができるかと思います。土や地中からくみ上げたインクのようなミネラルの香、樽熟成により補強されたタンニンは柔らかく濃い果実味に溶け合いバランスよくなめらかなアタック、奥にコーヒーを思わせる焙煎香を感じます。ドルンフェルダーの樽熟は、私も初めての経験で新しい発見のうれしい機会となりました
赤のブラインド、色合いといい赤いベリーの風味といい、皆さんピノ・ノワールは、すぐにわかって頂けました
さて、このあとお楽しみの懇親会に入りましたが、この模様は次回ブログでご報告いたしまーす